今回ご紹介する製品は、アメリカはアリゾナ州のショップから入手したものである。アリゾナ州と言えば真っ先に思い出すのが古(いにしえ)のTVシリーズ「タイムトンネル」である、なんて人間は、筆者とMadam Fatal氏くらいなものだな。
「タイムトンネル」は、1967年からNHK総合テレビジョンで放映された、アメリカの TV SF シリーズの傑作である。まだ小学校4年生であった筆者は、毎週土曜日の夜10時10分という、子供にしてみれば非常に遅い放映時間を楽しみにしていたものだ。
物語は60年代SFの雰囲気が凝縮されたもので、まさに古き良きSFといった感じであった。秘密裏に行われていた謎の国家プロジェクト「タイムトンネル」は、アリゾナ砂漠の地下 800 階に建設された、人類初の時間移動実験装置である。しかし、政府の中には、莫大な費用がかかっている割に、まだ目立った成果を出していないこのプロジェクトの存続を疑問視する向きもあった。そんな中、若き科学者トニー・ニューマン博士は、タイムトンネルの有効性を立証するため、自ら開発途上のマシンに乗り込んでしまい、何と沈没直前のタイタニック号に転送されてしまう。トニーを救出するため、急遽同僚のダグ・フィリップス博士がタイムトンネルに乗り込んだのだが。。。てな感じで、物語は現在から過去へ、過去から未来へと、時間の中を振り回されるダグとトニーを救出するためスリリングに展開していくというものであった。
どういう原理か知らないけれどトンネルが過去や未来とつながっているという荒唐無稽な設定、地下800階という途方もない規模の建築物、時間転送の際に発生するちゃちい花火、巨大なシステムであるにもかかわらず制御卓にはでっかいリサージュ図形が出力されているだけというシンプルさ、背後に並ぶ磁気テープを使用したレトロなメインフレーム、非常事態が発生するたびに渡り廊下を走り回る警備員、個性豊か過ぎる顔立ちの役者など、今から見るとなかなかシュールでギークな演出も多いのであはあるが、このTVシリーズには、最新のCGと無情なほど正確な科学考証に裏付けられた現代のSF映画に無い、ある種のレトロな魅力があったものだ。
楽しみながら歴史のお勉強もできるということで、当時大人も子供もハマったこの「タイムトンネル」は、フジミ模型からプラモデルも発売され、筆者も嬉々として作成した覚えがある。特にトンネルに縞模様を付けるために、転写マークをトンネル内部に貼る作業が難しかったものだ。このプラモは結構良くできており、トンネル自体が幻灯機のような構造になっていて、電池でランプを点灯させ、付属品のスライドを映し出すといった仕掛けも用意されていた。グリーンアロー出版社から発行されている「岡田斗司夫の絶滅プラモ大百科」(画像1)によれば、このタイムトンネルのプラモは発売当時は250円であったが、現在組み立て前の美品の相場価格は実に15万円だそうだ。プラモの世界も深く濃いものがある。
筆者はあまりの懐かしさに、パイオニアLCDから発売された「タイムトンネルLDボックス」(画像2)を買ってしまったほどだ。あの、砂時計に人が溺れていく独特のオープニングアニメーションを見るだけで、今でもゾクゾクしてしまうのである。
というわけで、今回はパソコンとは全く関係の無い話しから入ってしまったが何を書いていたかというと、アリゾナ州についてである。アリゾナ州といえば真っ先に思い出すのが・・・・・と続くと無限ループに陥いるので、いい加減もうそろそろ本題に入ることにしよう。
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
Copyright (C) Studio Pooh & Catty 1996-2005 |