M741に使用されているチップセットは、Xcel2000と捺印されたものとSIS5595の2個である。Xcel2000については、ヒートシンクが貼り付けられているため、正式の製品名は断定できないが、おそらく SIS 社製品のものと思われる(画像G)。SIS 5595は、同社の M570 マザーボードにも採用されているもので、208 Pin QFPパッケージである。(画像H)


画像G:M741のチップセット Xcel2000

画像H:M741のチップセット SIS 5595

 サウンドチップには3D Sound Proのアップグレード版である3D PCI Sound Pro が、オンボードで搭載されている。このチップはSPDIF IN/OUTを搭載している他、4CHスピーカー出力もサポートしている。チップの品名はHT8338/PCIだ。(画像I)


画像I:3D Sound Proのアップグレード版、3D PCI Sound Pro HT8338/PCIチップ

 M741に搭載されているオンボードビデオ機能は、8MBのフレームバッファを持つ 64bit 3D AGPグラフィックアクセラレータで、AGP Rev 2.0をサポートしている。ビデオ出力コネクタは、ATX コネクタの下部に配置されている(画像J)。なお、搭載されているビデオ機能は、Windows98のマルチディスプレイ対応となっている。


画像J:ビデオ出力は、マザーボード上に実装されている。

 周辺機能のほとんどをオンボード化しているため、M741のスロットは極めて少ない。なんとISAバススロット1個とPCIバススロット1個しか用意されていない。拡張性は高いとは言えない。しかしそもそもこのボードは、カスタマイズして使用するというよりは、基本機能をなるべく安く構成することを目的としたものであるので、そういった用途を前提にすれば、スロットの少なさは問題とはならないであろう。下記に仕様を示す。


(仕様) 
・CPU         :Intel Pentium II (Slot1) 233 ~ 500 MHz
            Intel Celeron 対応 266 ~ 433 MHz
・チップセット    :Xcel2000、SIS 5595
            バスクロック 66/75/83/100MHz 対応
・キャッシュメモリ  :Pentium-II 使用の場合、SEC カートリッジ内に、
            256KB/512 KBのレベル2キャッシュを搭載
・システムメモリ   :168 ピン DIMMソケット3本
            SDRAM 使用。合計768MBまで実装可能
・拡張スロット    :PCIスロット1本
            ISAスロット1本
・ビデオ機能     :64bit 3D AGPグラフィックチップ搭載
            オンボードで8MBのフレームバッファを搭載
            AGP Rev 2.0対応
・I/O機能     :シリアル(16550 UARTコンパチ)x2
            パラレルx1
            PS/2キーボードコネクタx1
            PC99準拠カラーコネクタを採用
・HDD/FDD       :オンボードPCI E-IDE 機能およびFDD機能実装
・サウンド機能    :3D PCI Sound Pro(HT8338/PCI)をオンボード搭載
            SPDIF IN/OUT端子を実装。4ch スピーカー出力
・Fax/Modem 機能  :PCtel PCT789Tを実装
            V.90 Fax/Modem機能搭載
・LAN 機能      :DAVICOM DM9102Fを実装
            10/100BASE-T LAN搭載
・電源コネクタ    :ATX コネクタを実装
・ボード形状     :Micro ATX 仕様。305mm x 220mm
・BIOS      :AMI
・ウイルスチェック機能:Trend Micro Chip Away VirusをBIOS中に搭載
            PC-cillin 98を同梱
・添付ソフト     :AMI Desktop Client Manager


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