港の見える丘公園のフランス山からマリンタワーを望む。

■横浜散策と新山下住宅 (2014/05/01)

 横浜の「港の見える丘公園」敷地内にある「フランス領事館跡」を見学するため、元町中華街まで出向く。「フランス領事館跡」については、本サイトの「廃墟系」に詳細を掲載したので、そちらをご覧頂きたい。

 カメラは、いつもの通りNikon COOLPIX P330とCHINON Bellami HD-1の2台を持参した。2台のカメラで、港の見える丘公園へのアプローチを撮影してみたので、比較のために貼っておく。






港の見える丘公園のアプローチ (Nikon COOLPIX P330 動画)




港の見える丘公園のアプローチ (CHINON Bellami HD-1 動画)




 ところで、取材を終わって帰ろうとしたところ、公園の隣りに放置された昭和の団地が建っているのに目が止まった。山下橋交差点近くのこの団地は、造りからして昭和40年代くらいのものと推定される。敷地周囲はフェンスで厳重に囲まれており、敷地内に入ることはできない。団地は完全に無人となっており、放置されてからの年月もそれほど長くは無さそうだ。

 後ほど調査してみても、この団地についての情報は余り得られなかった。しかし、しつこく検索をかけると、どうやら国税局の職員が使用していた国家公務員用の宿舎である「新山下住宅」であるということが判ってきた。

 住宅は現在、財務相関東財務局の管理下に置かれており、国有地扱いである。維持管理は民間の委託業者が行っている。新山下住宅は2棟から構成されているように見えたが、Google Mapを調べると1号棟、2号棟の他に、あと2棟が載っている。ここからは推測になるが、1、2号棟は世帯向けの比較的広い間取りの団地であり、残りの2棟は独身者向けの寮であった可能性が高い。Google Map上には、残りの2棟について「新山下独身寮」という記載が残っている。

 この住宅は、外観は比較的新しく見える。建てられたのは、おそらく昭和40年代後半の頃であろう。聞くところによると、2008年まで入居者がおり、使用されていたようである。建物壁面には蔦がはびこり、敷地内は雑草に覆われている。おそらくは近日中に解体され、再開発されるものと思われる。




Google Map上で見た新山下住宅の位置。地図上では1号棟、2号棟の表記がある。その下には、「新山下独身寮」との記載があった。この区画は、いずれも現在立入禁止になっている。

1990年に撮影された国土地理院の航空写真より。赤枠内部に現在も残っている住宅の建物が写っている。

昔はどうだったのだろうか?手元にある「コンサイス区分地図帖」(日地出版:昭和30年代発行)の地図で調べてみると、新山下住宅の近くに税関が有った。おそらく、税関職員の宿舎として建てられたものであろう。

新山下住宅1号棟と2号棟。現在も利用されているかのように見えるが、敷地内には雑草が生え、住宅壁面には蔦が絡みついている。昭和の住宅建築らしく、非常に広々とした配置なのが特徴。現在であれば、このような土地の無駄な使い方はしないであろう。

新山下住宅の敷地入り口。正面に見えるのが2号棟。蔦の絡まりかたがスゴイ。

新山下住宅1号棟階段部分。

新山下住宅2号棟のアップ。

新山下住宅の敷地入り口に掲示された、監理者の表記。財務相関東財務局の管理下に置かれている。維持管理は、民間の業者に委託されている。照会先は、財務相関東財務局横浜財務事務所となっていた。

首都高速神奈川3号狩場線の高架下から遠望した新山下住宅。




新山下団地 (Nikon COOLPIX P330 動画)




新山下団地 (CHINON Bellami HD-1 動画)




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