メンテナンスを行った500のエンジン

■500のメンテナンス (1999/05/18 Tue)

●1999年05月18日(火曜日)
 夕方、吉祥寺のショップに寄る。最近の500は、チョークを完全に戻すとエンジンがストールしがちになるので、若干気になっていた。アイドル回転数はそこそこ低くなっているのだが、回転がイマイチ安定しないため、信号待ちなどではアクセルを時々軽く踏んで吹かさないと、くすぶる傾向があった。別段通常の使用では特に不具合というほどでもないのだが、チョークを引いて走るというのは、あまり好ましい状況ではないので相談してみることになった。

ショップに行ったところ、「良い機会だから簡単なメンテナンスを実際にやってみましょう」ということになり、練習も兼ねて実際に弄ってみることになった。詳細については、本HPにある「FIAT 500 Nuova Cinquecento」「Maintenance」の項目に掲載したので、そこをご覧になっていただきたい。

今日行ったメンテナンスは、下記の通り。

・アイドル回転数調整
・ポイントのギャップ調整
・点火タイミング調整
・キャブレターのジェット清掃
・タペット調整
・プラグ交換

 不調の原因は、ポイントギャップの調整不足と点火タイミングのズレであった。500のウイークポイントはデスビ系だと言われているようだが、そのようである。ポイントギャップは、ギャップ調整ネジがナメてしまっており、適切な間隔をホールドできていなかった。ギャップ調整を行なうと共に、ネジを交換する。点火タイミングは、上死点よりも若干手前に合わせた。あまり前すぎると、高回転時に加速感が無くなる現象が生じ、またあまり後だと燃焼が完全に行えない。

 筆者は自動車整備士の免許はもとより、こうした整備そのものをほとんどやったことが無いドシロウトであるが、今回の調整方法を見ていて、ある程度は自分でもできそうな感じがしてきた。しかしプロの腕はさすがで、店長さんは、簡易的ではあるがこれだけの調整をあっという間に行ってしまった。

 タペット調整を行った時点で、テストドライブを行う。まず、アイドル回転数が非常に安定したのには驚いた。エンジン音も静かになったようだ。不完全燃焼のガソリン臭については、もう少し走り込んでみないとわからないが、おそらくかなり改善されているものと思われる。たったこれだけの作業で、大袈裟な表現をするならば「別のクルマになったみたい」である。

 ただし、やはりキャブの調子は完全ではなさそうで、これは06月10日頃を予定しているエンジン調整の時に見てもらうことになった。この調整が終われば、とりあえず一通りの整備は完了する。


アイドリングアジャストスクリュー
(スロットストップスクリュー)

下は、ガスアジャストスクリュー(ミクスチャースクリュー)
上は、キャブレタージェット

キャブレタージェット

 今日はこの他に、念のためアクセルペダルを戻すスプリングもチェックする。このスプリングはキャブレターの横に付いており、アクセルペダルからのワイヤーを戻す役割をしている(写真の赤枠部分)。これが切れてしまうとアクセルが戻らなくなるので、フルスロットル状態になってしまいちょっと、というかかなり怖い思いをすることになる。

 バネを外して留め金部分をラジペンで捻じってみたところ、いとも簡単にポッキリと折れてしまった。金属疲労のため、留め金部分がモロくなっていたようだ。残念なことに代替え部品が無かったので、モロくなった部分を切り取り、新たに加工して取り付ける。ここは始業点検の項目に入れておいた方が良さそうである。

【2014年の追記】
アクセルリターン用のスプリングが劣化しているのに、その場しのぎで対応しており、今考えるとかなりコワいことを平気でやっている。さすがにこれでは不安なので、すぐに新品に交換したのだが、それまでの間、何も異変が起こらなくてホントウに良かった。今回は、初めてのメンテナンス講座だったが、簡単な処方ですぐに調子が良くなることに感心した覚えがある。それまで縁の無かったクルマの調整にハマり始めたのも、この頃だ。


アクセルリターンスプリング



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