写真1.整備後のエンジンルーム内部 ファンネルを取り外しノーマルの吸気系に戻し、エアクリーナーを交換、さらにデスビのローターとキャップを新品交換、その他エンジン・ミッションオイルを交換したチンクェチェントのエンジンルーム |
さて、久しぶりに絶不調に陥ったチンクェチェントであるが、丁度5年目の車検ということもあり、久しぶりに手を入れることにした。元々筆者の車は、それほど故障も無く、従って維持費も驚異的に安かったのだが、消耗部品の定期交換を怠ると、後で泣きを見る。特に最近はブレーキ系統をあまり良くチェックしていなかったので、重点的に見てもらうことにした。 今回の車検整備では、今まで搭載していたファンネルを外し、ノーマルのエアインテークパイプに戻すことにした。ファンネルの効果については、色々と意見があるようだが、筆者の場合、高温になったエンジンルームの空気をそのまま吸気しているせいか、キャブレター内部での燃料の蒸発、すなわちパーコレーションが発生しやすい状況になっていたようにも感じている。エアインテークパイプによる吸気に戻すことにより、吸気効率は若干落ちるものの、空冷ファンより取り込んだフレッシュエアを直接キャブに導くことができるため、熱対策に有効と考えた次第だ。
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写真2.交換したキングピンハウジングとナックルスピンドル フロントサスペンションの基幹部品であるキングピンとナックルスピンドルが、かなりヤレていたのでリビルト品に交換。写真は今まで使用していた部品。ステアリング部分のメインとなる部品だけあり、非常に重い。 |
写真3.交換したフレキシブル・ジョイント 駆動系をショックから守るフレキシブル・ジョイントを交換。充填されているゴムが劣化し、グニョグニョ、ベチャベチャになっていた! ヽ(`Д´) ノ |
写真4.交換したブレーキホイールシリンダー ブレーキドラムの中に搭載されるホイールシリンダーは、ブレーキ系統の最重要部品の一つ。車検ごとに交換しておくのが安心。前回の整備で交換していたのかどうかが不明であったため、今回は4個全てを新品に交換。 (´ー`)у−〜 |
写真5.その他の消耗部品 エアクリーナーエレメント、デスビキャップとローター等も、新品に交換する。エアファンネルも取り外したため、通常の吸気系部品を装着した。 |
今回の整備では、色々と不具合箇所が発覚した。先ずステアリング部分である。キングピンハウジングとナックルスピンドルであるが、寄る年波には勝てずかなりガタが来ていたようだ。以前よりフロントタイヤを手で上下左右に動かしてみて、揺れが大きいので気になっていたポイントではある。案の定、交換しなくてはならない状況であった。 また、クラッチを繋げる際に、駆動系の揺り返しが大きいように感じていたが、これは後輪部分に搭載されたフレキシブル・ジョイントの劣化が原因であった。取り外した部品を見てみると、充填されているゴムが劣化のため「ネチャネチャ」にとろけており、気持ち悪いことこの上ない。フレキシブル・ジョイントは、ドライブシャフトのスプラインを固定する部分と、ホイールハブに固定する部分との間のゴムで、衝撃を吸収する構造になっているため、この部分が劣化すれば、当然乗り心地も悪くなる。 ホイール内部に搭載されるブレーキホイールシリンダーも全交換である。この前いつ換えたのかは不明であるが、4個とも錆が出ており、見るからに危なそうだ。ブレーキシューは、まだ十分残量があり、こちらは大丈夫とのこと。
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写真6.左後輪部分のフレキシブル・ジョイント 交換した左後輪部分のフレキシブル・ジョイント(赤丸内) |
写真7.右後輪部分のフレキシブル・ジョイント 交換した右後輪部分のフレキシブル・ジョイント(赤丸内)。手前上部に見える真っ赤な湯たんぽは、錆び付いたマフラー。この次は、このマフラーに手を入れなくてはならなんな。穴開いてるし・・・・ (;´Д`) |
写真8.新品のデスビキャップ 点火系の効率を左右する重要部品、デストリビューターキャップ。今回はキャップと内部のローターの2点セットで交換した。今まで、エレクトリック・クリーナーで必死に磨いては使ってきたが、やはり細かい傷が多く、もう限界だったようだ。 |
写真9.右前輪のキングピンハウジング 交換したキングピンハウジングとナックルスピンドル(赤丸内)。リビルト品にて対応した。 |
写真10.左前輪のキングピンハウジング 交換したキングピンハウジングとナックルスピンドル(赤丸内)。 |
一通りのメンテナンスを実施したチンクェチェントは、走行の安定性が以前よりアップし(そりゃ、当然か。。。)、当面はこれで問題無さそうである。ファンネル取り外しによるパワーダウンが発生するかと思っていたものの、走りは以前と同じであった。(じゃあ、いったいあのファンネルは効果あったのかいな???) ところで、前回牽引車のお世話になって入院しなくてはならなかったほど、エンジン絶不調のチンクェチェントであったが、原因は意外と単純で、何かの拍子にタペット調整がズレていただことと判明した。もちろん原因はそれだけでは無く、デスビの絶縁材とポイント固定ネジの破損も関与していたのだが、最後の最後に残った不具合が、このタペットの異常だったという訳である。ショップの方が再調整を行ったところ、不具合はピタっと無くなり、以前と同じ状態に戻ってしまった。深刻そうな故障でも、意外に単純なもんだ。改めてこの車の構造が単純だということを痛感。 さて、パーコレーション対策についてであるが、ショップの人の話だと、エンジンを総合的にメンテナンスしておけば、特別な熱対策を取らなくても発生を抑えることができるとのことである。アルミオイルパンを装着し、エンジンオイルの量を増加させたとしても、他の部分の調整が悪ければ、パーコレーションは発生する。但し、発生するまでの経過時間が、ノーマルと比較して長くなるだけとのことだそうだ。要は、部分的な対策を施すよりも、先ずノーマル状態できちんと全体を調整した後、ダメ押し程度でオプションの熱対策を行うのが良いようである。 今回の整備で、ほぼノーマル状態での調整が完了したため、次回はアルミオイルパンと電磁ポンプの装着を行う予定である。合わせて、5年来の念願であった同時点火コイルの搭載と、ワイヤーハーネスの全交換を実施しよう。製造後33年以上が経過していることもあり、ハーネス関連は被服がカチンコチンに固まってしまい、猛烈に脆くなっている状態だ。こりゃ、何とかしなくてはなりませんなぁ。。。。
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