■ FIAT 500L Overhaul #28■

納 車 !


写真1.全塗装が終了し、無事駐車場へ戻ってきた筆者の500
2008年3月14日、ちょうど4ケ月振りに500が戻ってきた。いつもの駐車場に停めた500。しかし今回は外装ぴかぴか、オールペン済みである。塗り立ての表面が、まるで鏡のように周囲の風景を写し込んでいる。


 2008年3月14日、待ちに待った納車の日である。2007年11月14日に引き取られて以来、丁度4ケ月振りに戻ってきた500。奇しくもこの日は、FIAT社がNEW 500を日本で発売する前日という、いかにも意味深い日である。当初、正午頃の納車を予定していたのだが、天気が崩れそうな雰囲気だったので、早めの時間に変更される。

 オンタリオSSのトランスポートサービスより降ろされた筆者の500は、すぐに駐車場に入れられた。あいにくの小雨が降ってきたからだ。水滴がボディ上で玉のようになっている。3度に渡る重ね吹き付け塗装を行い、さらに耐性ポリマーをかけているので、表面はまるで鏡のようだ。こりゃぁ、大変なことになっちまっただ。。。運転するにも気が抜けない。

 納車後、オンタリオSSさんより、簡単にメンテナンスの指導を受ける。今回の塗装色はキズが大変目立ち易いので、ボディが乾いた状態で拭くようなことはせず、必ず水で洗車して表面のホコリを完全に落としてから拭くこと。拭く時も、以前はぞうきんを使っていたが、拭きキズを付ける原因となるため、専用のウェス(80%のPolyesterと20%のPolyamideでできた布)を用いること。ウェスはオンタリオSSさんより、数枚頂くことができた。ポリマーがかかっているので、基本的にワックス処理は不要。但し、バンパーについては、洗車後時々ワックスをかけておいた方が良さそうだ。

 今回のオーバーホールでは、ドア周囲の防水ゴムも新品に取り替えている。そのため、ドアを閉める際に、若干勢いが必要となる。このとき、ドアノブだけを持って「バタン」と閉めると、ノブ周囲の塗装に応力がかかり、ヒビ割れを誘発する。従って、ドアノブを持つと同時に、もう一方の手をドアピラーもしくはドア本体部分に当て、力を一カ所に集中させずに両手で押し込むようにして閉めるのが良い。なお、内部からドアを閉める場合には、ドアポケットを持って引っ張ると取れてしまうので注意。必ず窓を開け、ドア本体を持って閉める。

 さて、今まで内装については触れていなかったが、これはほぼドンピシャだという色の布地があったとのご連絡を頂いていたので、オンタリオSSさんにおまかせしていたためだ。というわけで、内装色をこの目で見るのは、今日が初めてである。おまかせしただけのことはあり、確かにカタログ色そのものだ!目にも鮮やかな朱色である。ボディの茄子紺とのコントラストがいい感じに仕上がっている。

 シートもオーバーホールして、アンコも盛り直してある。従って、座り心地も以前の煎餅布団のような感じとは打って変わり、ふかふかだ。運転してみて最初に感じたのは、乗り心地の良さとボディの剛性感である。シートは以前よりも盛りがあるため、着座位置が若干高くなった。

 しかし、今思えば、良くここまで手を入れたものだ・・・連載開始から28回目で、エンジン、内装、外装のオーバーホールが完了。今までに無い達成感がある。その一方で、これだけキレイになった車体のメンテナンスには、今まで以上に気を使わなければならん。今回納車されたクルマの状態は、まさにショーコンディションレベルであった。愛好家の中には、このままガレージにしまい込み、あまり外で運転させないような方も多いと思う。しかし、筆者の場合は別だ。500は基本的に足代わりに使っていたし、今後もその予定である。さすがに雨の日は乗らないが、オーバーホールしたからといって、必要以上に神経質にはならないようにしようと思っている。

 形あるものはいつか壊れる。ここまで仕上げたのであるから、精一杯のメンテナンスを行うつもりではあるが、足代わりに使用すれば、それ分ヤレるし、塗装にもキズが付くだろう。でも、それはそれで良いのである。元々、イタリアの庶民のために作られた、究極のファミリーカーなのだ。明日、2008年3月15日は、日本でのNEW FIAT 500の発売日である。その前日に納車というのも、これも何かの因果であろう。そうは言いつつも、とりあえずおっかなびっくりで、キズを付けないよう恐る恐る運転する、ケツの穴の小さい筆者なのであった・・・

 ヽ(´ー`)ノ 

写真2.駐車場に戻ってきた500 #1
色が濃くなると、俄然迫力が出る。小さいながらも押し出しは十分だ。でもカワイイ!!!

写真3.駐車場に戻ってきた500 #2
フロントボンネットは「焼き」を入れてある。これは、バーナーで蚊取り線香のような螺旋を描くように鉄板をあぶるという作業だそうだ。焼きを入れると硬度が増して、剛性がアップする。確かに、ボンネットの開閉時、以前のようなペナペナな感じは微塵も無い。

写真4.駐車場に戻ってきた500 #3
キャンパストップも新品に交換してある。

写真5.駐車場に戻ってきた500 #4
「Nuova 500」のエンブレムも新品。後ろから見ても、新車同様だ。

写真6.内装
そして、内装は目にも鮮やかな朱色で決めた!茄子紺と朱色!!このバランス感覚がたまんねぇやと一人悦にいる筆者であった。細かいところで、ウインドシールドとモールドも交換してある。ドアは、半開きの状態で固定することが可能。

写真7.ダッシュボード周り
プラスチック製のダッシュパネルも、磨いてキレイになった。フロントウインドウの右端に付いているどこでもいっしょの「トロ」のぬいぐるみは、ご愛敬。

写真8.エンジンルーム
エンジンはO.H.済みで絶好調であるため、今回は特に手を入れていない。エンジンルーム内部のマット塗装も、エンジンが入ってしまうとほとんど見えなくなる。エンジンフードの裏側まで、丁寧に塗装されている。

写真9.トップビュー
オリジナルカタログに掲載されていた角度から撮影することは、大変難しい。精一杯頑張って撮ってみたのがコレ。まぁ、雰囲気程度は判るデショ???

動画1.500帰る!
オンタリオSSさんのトランスポートカーから降ろされる、筆者の500。帰還の瞬間である!


▲前ページへ                        ▼次ページへ


Overhaul Menu



取材協力
オンタリオSSさん


Copyright (C) Studio Pooh & Catty
1999-2008