■ FIAT 500L Overhaul #8■

サンド・ウェットブラスト処理終了!


写真1.ウェット・ブラスト処理が終了したシリンダヘッド燃焼室内部
ウェット・ブラスト処理効果の凄まじさをまざまざと見せつけてくれるのが、この写真。燃焼室は通常カーボンで真っ黒なのだが、ウェット・ブラスト加工を行うとこの通り。すさまじい洗浄力である! ヽ(`Д´) ノ


 オーバーホールの行程中、最も手間と時間がかかるウェットブラスト処理が上がってきた。同時にエアカウリング類のサンドブラストと再塗装処理も終了。さっそくオンタリオさんへ取材に赴く。オーバーホールに出してから、ちょうど1ケ月にあたる2005年3月19日。3連休初日ということもあり、都内の道路はどこを通っても大渋滞の嵐。あやうく営業時間内にたどり着けなくなるところであった。。。ヽ(`Д´) ノ

 ウェット・ブラスト処理は猛烈な手間と時間がかかるそうだ。小さい部品1個を処理するにも、数時間必要とのこと。その代わり、処理が終わった部品はまるで新品そのものとなる。まるで魔法のような、実に不思議な若返り方法だ。今回はシリンダーヘッド、クランクケース、タイミングチェーンカバー、オイルポンプ、ディストリビューター、クランクプーリーカバー、エンジンのリアサポートアーム等のパーツをウェット・ブラスト加工した。同時に、エンジンのエアカウリングはサンドブラスト加工が施され、再塗装が終了した。

写真1a.加工前のシリンダーヘッド
ウェットブラスト加工を施す前のシリンダーヘッド。いやあ、汚ないでつねぇ〜〜〜。

写真1b.ウェットブラスト加工後のシリンダーヘッド
工場内の水銀灯の下でギラギラと輝くまでに磨き上げられたシリンダーヘッド。分解する現場を実際に見ているので、Before、Afterの差は歴然である。汚れてハッキリと見えなかったシリアル番号も、くっきりと読みとれる。

写真2a.加工前のシリンダヘッド側面
これが加工前の写真。。。。

写真2b.ウェットブラスト加工後のシリンダヘッド側面
ウェットブラスト加工されたシリンダヘッドを、プラグ側から見たところ。驚くことに、この複雑なエア・フィンの奥底まで、完全に洗浄されている。

写真3a.加工前のエギゾーストポートのアップ
加工前のエギゾーストポートはこんな感じでした。穴の中がカーボンで真っ黒・・・

写真3b.ウェットブラスト加工後のエギゾーストポートのアップ
排気時のカーボンがびっちりと付着していたエギゾーストポート部分も、キレイに輝いておりまつ。 ヽ(´ー`)ノ

写真4.シリンダヘッド内部の刻印
オイル焼けとカーボンで以前は確認できなかった、シリンダーヘッド内部のシリアル番号、型番の刻印も鮮明に読みとれる。今回ウェットブラスト加工を施して判ったのだが、フィアットのアルミ部品は、ほとんど全てにFIATの文字とシリアル番号が刻印されていた。けっこうマネなのね、FIATって。。。 ヽ(´ー`)ノ

写真5.タイミングチェーンカバー表面
普段見慣れたパーツでも、洗浄するとまるで別物に見えてしまいますな。。。

写真6a.加工前のタイミングチェーンカバー裏面
ウェット・ブラスト加工を施す前のタイミングチェーンカバー裏面はこんな感じだった。ヌタヌタのド〜ロドロ状態・・・・お好み焼きを焼きまくった後の鉄板のよう!

写真6b.加工後のタイミングチェーンカバー裏面
あれだけオイル焼けしていたパーツも、とってもキレイになった。内部に刻印されたシリアルも鮮明に読める。刻印番号だが「3H 110.000 986958」となっていた。

写真7.ウェットブラスト加工後のパーツ類
上段左側よりリアサポートアーム、リアサポート、下段左よりダイナモブランケット、クランクプーリーカバーの各パーツ。アルミ素材の輝きがそのまま出ている。

写真8a.ウェットブラスト加工前のクランクプーリーカバー
処理前のクランクプーリーカバーを裏面より撮影したところ。エンジンオイル中のスラッジが、カバー内周に沿って堆積していた。

写真8b.ウェットブラスト加工後のクランクプーリーカバー
カバー裏面を撮影したところ。ここにはオイルスラッジが堆積していたのだが、この通り。食器としても使えそうなくらいキレイだ!!!内部に施された刻印は、「4072798 R 1691/5」と読める。

写真9.ウェットブラスト処理が終了した細かいパーツ類
オイルポンプ、ロッカーアームシャフトホルダー、オイルパイプシャフトホルダーの各部品。オイルポンプには「987092 FIAT110F」の刻印が、またその他の細かいパーツにも「FIAT」と「110F」の刻印が施されていた。

写真10.リアサポートアーム裏側
エンジン本体をリアパネルにマウントするパーツの裏面。「110−986547」、「8A」、「FIAT」、「S62」の各刻印が施されている。

写真11a.加工前のピストン
エンジン全バラ時に取り出したばかりのピストン。ヘッドにはカーボンがびっちりと付着し、側面はオイル焼けがひどかった。ヘッド上面のカーボンは、ちょっとやそっとじゃ落ちません。

写真11b.処理後のピストンとディストリビューター
ウェットブラスト処理した後の、ピストンとディストリビューター本体。今回660ccにボアアップするので、オリジナルのピストンは使用しないのだが、製造時から今まで、苦楽を共にしてきた車のピストンということもあり、記念に持って帰るため特別に加工してもらった。オブジェとして飾って置いても違和感無いくらい、磨き上げられている。

写真12.ディストリビューター本体内部
まぶしいばかりに光り輝くディストリビュータ内部。この部品は良く不調となり、いつも泣かされてきたものだが、ここまでオーバーホールすればもう大丈夫であろう。
ヽ(´ー`)ノ

写真13.クランクケース本体上部
上部に開いた2個の穴はピストンシリンダーが装着されるところ。今回ボアアップを実施するため、ボウリング処理にて穴の直径を拡張することになる。向こう側には、4個+1個のプッシュロッドチューブ用穴が見える。

写真14.フライホイール側から見たクランクケース
フライホイールが収まっていた所。刻印には「FIAT 110F000」、「4140073」、「N.14」と読める。

写真15.タイミングチェーン側から見たクランクケース

写真16.クランクケース内部
あんなに汚く汚れていたのに、良くこれだけキレイになったものだ。以前はどす黒く変色していたから、ストロボを焚いても真っ黒にしか写らなかったのになぁ。。。

写真17a.クランクケース内部のアップ
なんかもう、使うのがもったいなくなってしまうほど浄化された世界。。。至福の空間、彼岸の境地・・・なんのこっちゃ。。。

写真17b.加工前のクランクケース内部
で、これが処理加工前の状態。フォトショップで明るさ調整してあるから、何とか状況を把握できるが、ちょっと目には真っ黒に汚れて何がなんだかわかなない状態であった。

写真18.クランクケース側面にある刻印のアップ

写真19.サンドブラスト加工されたエアカウリング類
エアカウリング類は全てサンドブラスト加工し、再塗装が施された。どのパーツを取ってみても、ツルツルのピカピカで、まさにコンクールコンディションのクルマのようだ。もう、なんかもったいなくって、そのまま飾っときたいよ、ホント!ダイナモのプーリーまでもがツルツル!これらの部品は、再塗装後にクリアを数回に渡り吹いているため、かなり長期間に渡りツヤが持続するとのことだった。

写真20.サンドブラスト加工されたパーツのアップ
ダイナモプーリー、マウントベルトのアップ。

写真21.アルミオイルパン内部
筆者の車に付いていたアルミオイルパンは、まだ新しいものであったが、クランクケースをウェットブラスト加工したのに伴い、その接合性を良くするためにアルミオイルパンもウェットブラスト加工を施した。こういった所、なかなか芸が細かい!


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取材協力
オンタリオさん


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