■ FIAT 500L Overhaul #2■

ドンガラボディー


写真1.空っぽのエンジンルーム
エンジンを降ろした後の光景。この狭い空間の中に、あのエンジンが入っていたとは。やはりチンクェチェントのパッケージングは天才的である!


 いよいよオーバーホールの始まりである。筆者の車を搬入後、オンタリオさんではメカニックのY口氏の手により、即エンジン・ミッション降ろしの作業が開始された。2005年2月19日のことである。その後、2月23日にお伺いした時には、ご覧のように車体はフォークリフト上でドンガラ状態になっていた。まずはエンジン・ミッションを降ろしたボディーの取材である。

 今回初めてエンジンをボディーから分離したわけであるが、それにしてもエンジンルームの小さいこと!2気筒の小型エンジンだとは言え、よくもまあ、この狭い空間の中に押し込められていたものだと、改めて感心してしまう。って言うか、現代の車を見慣れた目には、まさかこの空間にエンジンを押し込んでいるとは到底思えまい。加えて、チンクェチェントのエンジンルームはメンテナンス性が極めて良い。ご覧のように、エンジンフードはもとより、リアパネルもごっそり取り外すことができるから、エンジンルームの中にすっぽり入ってしまうことすら可能である。こんなクルマ、滅多に無い。

写真2.フォークリフト上のチンクェチェント
タイヤを外され、エンジンも降ろされてさっぱりしたチンクェチェントのボディー。もともと軽そうな車だが、こうして部品を外されると、益々軽量に見える。まさに1/1のプラモデル感覚。


 せっかくエンジンを降ろしたので、今回はリアの駆動部分と、センタートンネル部分を重点的に撮影した。ハーネス類は、ほぼ1年前に新品に交換しているので、非常に目立つ。エンジンルームの中は、塗装していないためかなり汚れてはいるものの、致命的な錆などは無さそうである。こうして見ると、ミッションへのリンク部分やエンジンへのワイヤーの取り付けが大変良くわかる。フレキシブルジョイントも、1年前の整備で左右共に交換しているので、まだ新品同様である。

 今回は室内のフロアマットも全部ゴム製に交換するため、座席も全て取り外した。カーペットを取り外して見ると、床に錆による大穴が開いていた、なんてことを良く聞くので心配していたのだが、幸いクサリも無くキレイなものだった。

写真3.フォークリフト上のチンクェチェント
まさに「俎の上の鯉」といった感じ。

写真4.車体下部センタートンネル部分
アクセルワイヤ、チョークワイヤ、スピードメーターケーブル、トランスミッションのシフトリンケージ、ブレーキパイプ、スタータワイヤが集まる、いわばチンクェチェントの脊髄のような部分。

写真5.左後輪部分のアップ
ドライブシャフトを外されたフレキシブルジョイントが見える。上方に取り付けられているのは、電源系のコントロールユニット。

写真6.右後輪部分のアップ
フレキシブルジョイントと同時点火コイルが見える。正面のダクトは、冷却エアを室内に導くためのもの。フロントウィンドウのデフロスターと室内の暖房に使用される。左側にスタータモータ用の電源ケーブルとスタータケーブルの端が見える。

写真7.センタートンネル部分のアップ
中央にあるのがシフトリンケージ。ブレーキパイプや各種ワイヤ類が見える。正面奥にあるT字型の分岐は、左右後輪への配管分岐部分。

写真8.右後輪部分のアップ
フレキシブルジョイントとサイドブレーキワイヤが見える。

写真9.右前輪ブレーキの内部
ホイールシリンダ、ブレーキシュー、リターンスプリングが見える。ホイールシリンダ、ブレーキシューは新品に交換でつ。キングピンハウジングとウィッシュボーンアームの構造も良く判るショット。

写真10.フロアカーペットを剥がした後の運転席と助手席
とりあえずフロアの鉄板には穴や錆は無さそうである。一安心。。。程度は予想していたほど悪くは無いようだ。今回の整備で、この部分にストイックなゴムマットを敷く予定。

写真11.運転席下のアップ
水抜きの穴のようなボルトが見える。ハーネスは新品に引き回した後なので、とても目立つ。

写真12.後部座席部分
前席用の引き込みタイプシートベルトが転がっている。こうして見ると、改めて後席の狭さが感じられる。

写真13.作業場の片隅に横たわるエンジンフード
をを!こんな所に我がチンクェチェントのエンジンフードをハケーン!!!


▲前ページへ                           ▼次ページへ

Overhaul Menu


取材協力
オンタリオさん


Copyright (C) Studio Pooh & Catty
1999-2005