「THE COMPUTER 写真で見る歴史」 表紙 磁気テープリールを背景に使用したコンピュータの歴史解説書「THE COMPUTER」。著者はクリスチャン・ワースター。デザインも製本も凝りまくった一冊である。 |
■THE COMPUTER 写真で見る歴史 (2006/01/26) 2006/01/20の本コラムで取り上げた「コンピュータが計算機と呼ばれた時代」を読んで以来、筆者の中でレトロパソコン熱が再燃してきてしまった!さっそく、同書で紹介されていた「THE COMPUTER 写真で見る歴史」を、アマゾンのマーケットプレイスで入手する。この本は、は2002年12月31日に初版発行されているが、現状では絶版扱いとなっており、マーケットプレイスで新古品とユーズド品を購入することが可能だ。出版はTASCHEN・JAPAN(タッシェン・ジャパン)。同社は美術書関連を多く発行しており、凝った装丁が特徴である。 ヽ(´ー`)ノ
327ページのハードカバーの内容は、文字通りコンピュータの歴史を、豊富な写真をギッシリ詰め込んで解説したものだ。マン・マシンインターフェスの解説に始まり、歴史全体を「科学・軍事コンピュータ」、「メインフレームコンピュータ」、「ミニコンピュータ」、「マイクロコンピュータ」、「デスクトップコンピュータ」に分けて紹介している。中でも興味深いのは、「科学・軍事コンピュータ」の項目だろう。ツーゼのZ3計算機やWHIRLWINDコンピュータ、そしてもちろんENIACやEDVAC等、1940年〜1950年代のレトロなマシンのオンパレードは、この手のコンピュータヲタにはたまらない!良くこれだけの資料を集めてきたものだと、感心してしまう。
歴史全体を俯瞰しているので、取り扱っているコンピュータは多岐に渡る。最近の携帯端末や携帯電話までをも網羅している。もちろん、パーソナルコンピュータも、ALTAIR 8800からOSBORNE-1、IBM PC/XT、PC/AT、NeXT CUBE、さらにはあのThinkPad701Cも、ちゃんと掲載されている。巻末には、かなりリキの入ったアルファベット順用語解説索引が付いており、資料的には完璧である。ただ残念なことに、和訳がタコだ。。。もう少し何とかならなかったのだろうか・・・まあ、本書の魅力は、その膨大な写真資料なので、多少の訳の悪さはガマンすることも可能だけどねぇ。。。
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ENIACのプラグ式プログラミング風景(1946年) 筆者が最もあこがれるコンピュータの原器、ENIACのプログラミング風景!この、いかにも「ヤラセ」っぽい風景が、なかなか良い味を出している!!! |
ウクライナのコンピュータ(1958年) これは珍しい!ウクライナの科学コンピュータのコンソールを撮影した写真である。しかも1958年撮影のもの!このような貴重な写真資料が、本書にはてんこ盛りされているのだ! |
IBM System/360系 Model 91 (1967年) これぞメインフレームコンピュータの極地!といった外観の、IBM System/360 Model 91。左側に並んだランプの列が、まるでSF映画している。宇宙、航空、プラズマ物理、化学といった、高度な計算を要する分野に使用されたとのこと。 |
DEC PDP-1 (1960年) DECマニアの筆者としては、やはりPDPシリーズは見逃せない!ミニコンピュータの項目には、DEC PDPシリーズがオンパレードで紹介されている。これはPDP-1。丸形のグラフィックCRTスクリーンが、いかにもレトロ! |
DEC PDP-8E (1972年) 今でもe-Bayあたりでは入手可能な、PDP-8Eのコンソールユニット。12個並んだスイッチレジスタが特徴。1台ホスィ!!! |
PDP-10 (1966年) 2001年宇宙の旅に出てきそうな、PDP-10のオペレーティングコンソール。美しい! |
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