PSION MC600

 Psionが1989年に発売したMS-DOSベースのサブノートPC。Psionの製品としては珍しくOSにMS-DOS Ver3.22を採用した異色のマシンである。CPUにintel 80C86(4.77MHz)を採用し、CGA液晶画面を搭載している。同時代の他の謎ぱ~機に近いスペックで、DOS/Cによる日本語化が可能な製品であった。単三乾電池8本で駆動するため、バッテリー込みの重量は2kgを超え、持ち運びのための取っ手が付属していた。ストレージとしてPsion独自仕様のSSDドライブが四基搭載しており、PCとの接続には特殊形状のコネクタを持つシリアルリンクケーブルが用いられた。高級感のあるマシンでキーボードの品質も高かったが、商業的には成功したとは言い難く製造台数は少なかったらしい。このため現在では希少なマシンとなっている。

mc600.jpg
モデル名称Psion MC600
メーカーPsion
CPUintel 80C86 (4.77/8MHz)
メモリ容量Flash:256KB Work-RAM:768KB
RAMDISK:1MB
LCDディスプレイ640 x 200 dot CGA
アクティブエリア210 x 130mm
キーボードQWERTY 61キー+25補助キー
I/Oポートシリアルポート×1(独自コネクタ)
パラレルポート×1(標準コネクタ)
外付けFDDドライブコネクタ
外部CGAモニタ接続端子
本体重量2.16kg(乾電池を含む)
バッテリー単三乾電池 8本
サブバッテリーリチウムボタン電池(CR2016)
PCカード独自仕様 4スロット
寸法(mm)314 (W) x 227 (D) x 49 (H)
OSMS-DOS Ver 3.22 ROM Version

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Psion MC600
これがPsion製MS-DOSマシンのMC600。A4ノートPCほどのサイズでかなり大きい。VGAのように見える液晶画面は、実はCGA。

Psion MC600上面
PDAで見慣れたPsionのエンブレムと、「MOBILE COMPUTER MC600」の文字が見える。持ち運びを考慮した取っ手付き。

本体裏の銘板
1990年製であることがわかる。簡単なスペックも記載されており、「768K BYTE RAM, 256K BYTE FLASHDISK & 1MBYTE RAMDISK」といった記述が見られる。

Psion MC600のキーボード
十分なキーピッチとストロークを持つキーボードは、高速タッチタイピングにも適しており、非常に使いやすい。この製品の最大の特長である。

キーパッドとステータス表示
本体右側には、液晶濃度調整用ボタンなどの制御キーが配置されている。また、マシンとキーボードの状態を表示する小さな液晶ステータススクリーンも搭載されている。

バッテリーカートリッジ#1
本体右側の黒いボタンを押すと、単3乾電池が8本入ったバッテーリーカートリッジが取り外せる。カートリッジの脱着は極めて簡単で、良くできたメカである。

バッテリーカートリッジ#2
単3乾電池4本を一組とし、2段重ねでカードリッジに入れる様は、まるで弾丸を装填するかのようだ。マニア心をくすぐるニクい演出である。

サブバッテリの格納状況
これはマニュアルを見ないと絶対と言って良いほどわからない。本体右側の小さなレバーを持ち上げるとサブバッテリのCR1620が現れる。

SSDスロット
SSDは本体左右に2枚ずつ、計4枚挿入できる。このスロットは、DOSに上の論理ドライブとしてE~Hが割り振られる。

プリンタポートとRS-232Cポート
本体背面の左右のカバーを開けると、I/Oポート格納部が現れる。右側の格納部には、プリンタポートとRS-232Cポートが搭載されれいる。左側はダミーとなっており、後からオプションのポートを追加することが可能である。

ACアダプタ接続コネクタ
本体右側面に設けられたスリットカバーの中には、ACアダプタを接続するコネクタと外部CGAモニタ出力端子が収納されている。

外付けFDDユニット
MEMOREXのモバイル対応外付けFDDユニットが接続できる。このユニットは、内部にNi-Cd充電池を備えている。

パワーオンリセット直後の画面
起動直後に現れるBIOSのクレジット表示。

PSETUP(Psion Setup)の起動画面
標準ソフトとしてMC600にインストールされているPSETUP(Psion Setup)。マシンの各種環境設定を行うことができる。

バッテリモニタ BATMON
コマンドラインでBATMONを起動し、Ctrl+LCDキーを押すと画面上にバッテリモニタ画面をポップアップ表示させることができる。かなり詳細な状況を表示してくれるので便利なツールだ。

ブートオプション画面
マシン起動時にAltキーを押し続けると、この画面に入ることができる。6種類のブートシークエンスを選択することが可能で、日本語化を行う際には大変便利な機能である。

モード70hで構築した日本語化画面
disp.sysのモード70hを使用した画面。80文字x12行表示となっており、フォントは全角16x16ドットを用いている。老眼モードとも言える大きくて見やすい画面だ。

EGBridgeの組み込み
エルゴソフトのEGBridgeとFEP起動キー変更ソフトのREMAPEGBを組み込んだ画面。この状態で日本語FEPを利用することができる。

モード70hでのVzの画面
表示情報量は少ないが、文字は大きくて見やすい。FEPはEGBridgeを組み込んでいる。

モード03hでのVzの画面ス
モード03hでは、80文字x25行を表示できるため、画面の情報量は大きい。文字は、若干細かくなるものの、よほどの老眼でもない限り、通常使う上では支障はない。

ファイル閲覧ソフトMIEL
DOSの世界では有名だったMIELも動作する。残念ながら同じく定番のFDは起動できなかった。

CGAゲーム#1 ロードランナー
あの懐かしのロードランナーも問題なくプレイできる。

CGAゲーム#2 Prince of Persia
このゲームも、DOS華やかなりし頃、それこそ鼻血が出るほどプレイしたものだ...。

CGAゲーム#3 Tetris
名作中の名作、テトリス。これを凌ぐ落ち物のゲームは、未来永劫、出現しないのではあるまいか。

CGAゲーム#4 Ishido
オリエンタルな雰囲気が独特なボードゲームのIshido。これはちょっとマニアックかも。

CGAゲーム#5 Life 3D
謎の三次元セルオートマトンシミュレータのLife 3D。これはさすがにカルト。