FIC VA503+ (1999)

写真1:FIC VA503+ MB 表面

写真2:FIC VA503+ MB 裏面

■FIC社製Baby−ATフォームファクタ、Socket7マザーボード
 VA−503+。Socket7搭載。ボードは中国製品。       
■72Pin SIMMメモリと168Pin DIMMメモリの両方が使用
 できる過渡期の製品。DIMMはPC100が使用可能。電源もAT電源と
 ATX電源の両方が使用可能であった。                
■チップセットはVIA社製を使用。VT82C598MVPとVT82C5
 86Bの2チップ構成。ボードは1999年10週の製造。既にATXフォ
 ームファクタが標準になりつつあった頃の、Baby−ATフォームファク
 タマザーボードである。オンボードで256KBのPBSRAMを搭載。 
■外部クロックは66/75/83/95/100/112/124MHzが
 設定可能。クロック倍率は2/2.5/3/3.5/4/4.5/5/  
 5.5倍が設定可能であった。これより、設定可能な最高のCPUクロック
 は682MHzまでとなる。なお、CPU電圧は、2.0〜3.2Vの間を
 0.1V刻みで設定可能。設定は全てジャンパピンで行う。       
■ボード外寸は25×22cm。ISA×3本、PCI×3本、AGP×1本
 搭載。COM1、COM2、LPT、PS/2、USB、IDE1、IDE
 2、FDD、IrDAの各インターフェスをオンボードで搭載。     
■主な使用デバイスは下記の通り。                   
 ・VT82C598MVP:VIA社製チップセット          
 ・VT82C586B  :VIA社製チップセット          
 ・W25P243AF  :Winbond社製PBSRAM(2個使用)
 ・W83877TF   :Winbond社製I/O制御チップ    
 ・W127H      :メーカー不明。クロックジェネレータチップ 
■以下にボードのスペックを示す。                   
項 目
内 容
CPU
Intel Pentium (ZIF Socket7) 75 - 233 MHz (P55C-MMX)
AMD K6-2 226 - 533 MHz
AMD K6 166 MHz 以上
AMD K5 75 - 133 MHz
IBM/Cyrix 6x86-PR166 (Rev 2.7 以降)
Cyrix M II (PR166 以上)
IDT WinChip 2 240MHz 以上
CPU Clock 75 〜 682 MHz
BUS Clock 66 / 75 / 83 / 95 100 / 112 / 124 MHz
Chip Set
VIA VT82C598MVP
VT82C586B
Momory
168 Pin DIMM スロット×2
72 Pin SIMM スロット×4
Cache 256 KB PBSRAM
Bus AGP ×1本、ISA ×3本、PCI ×3本搭載
Super I/O
COM1 , COM2 , LPT1 , FDD , Primary-IDE , Secondary-IDE
PS/2 Mouse, USB1 , USB2 , IrDA
BIOS Award BIOS

写真3:VT82C598MVPとVT82C586Bチップセット

写真4:DIMMスロットとSIMMスロット

写真5:I/Oコントローラ W83877TF

写真6:クロックジェネレータ付近のアップ

写真7:Winbond社製PBSRAM W25P243AF

写真8:AT/ATX 両電源コネクタ

写真9:K6−2(350MHz)CPUのアップ

■コメント                              
Socket−7全盛期のマザーボードの一つ、FIC社製のVA503+で
す。この製品は比較的広く販売されていたので、使用された方も多いのではと
思います。ボードの形状がBaby−ATからATXへ移行しはじめた時期の
製品で、AT電源とATX電源の両方が使用できました。また、過去の資産を
有効活用する意味で、72Pin SIMMスロットも搭載されていました。
168Pin DIMMと72Pin SIMMの両方が使用できたため、メ
モリ制御回路が若干複雑であったため、メモリアクセススピードは速いとはい
えませんでしたが、余った部品を使用することができ、これはこれで重宝した
ものです。実際、筆者もこのマザーボードを遊び専用のセカンドマシンとして
使っていました。CPUにK6−2(350MHz)を搭載し、OSはWin
系の他にFreeBSD、Linux、Be−OSをインストールし、マルチ
ブートで切り替えて使っていました。Unix系のOSであれば、64MBの
メインメモリで十分実用になったものです。音源やLAN、VGA等はオンボ
ードで搭載されていませんでしたが、その他の一般的なI/Fは全て搭載され
ており、安定して使いやすいマザーボードでした。            

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