■Orchid Technology 社製 SUPERBOARD 486 VLB-33C。1993 年 8 週製造。 横 250mm × 縦 220mm の 3/4 Baby-AT サイズ。VL バス搭載初期の製品。 ■バススロットは全部で7本、XT バスは1本で、残り6本は AT バス。 AT バスのうち2本が VL バスの構成となっている。 ■チップセットは、208 Pin QFP と 100 Pin QFP の2個構成。100 Pin QFP は、韓国三星電機製 KS83C206Q を使用。208 Pin QFP は、Orchid 社のシー ルが貼付されているため、型番は不明だが、おそらく UMC 社の製品と思わ れる。ボード右上に並んだ DIP パッケージは、2次キャッシュメモリ。 ■8本搭載されている SIMM ソケットは 30 Pin 仕様となっており、CPU ソケ ットも ZIF ソケットでは無い。このあたりに時代を感じさせる。 ■Orchid 社製の VL バスマザーボードは、これよりも一回り大きい Baby-AT サイズのものもあったが、諸般の事情により、ほとんど流通しなかったとい う暗い過去がある。なお、流通しなかったこの幻のボードは、外観が非常に 美しかったことを今でも覚えている。 ■以下にボードのスペックを示す。
CPU | 80486SX / 80486DX / 80486DX2 / 80487SX |
CPU Clock | 20 , 25 , 33 , 40 , 50 MHz |
Chip Set | 2個構成(208 Pin QFP と 100 Pin QFP) |
Momory | 30 Pin SIMM ソケット8個搭載。最高32Mまで拡張可能 |
Cache | 128 KB もしくは 256 KB (Speed 15ns) |
Bus | バススロット7本搭載 ・XT Bus : 1 ・AT Bus : 6 ・VL Bus : 2 |
CMOS RAM | Dallas DS1260-25 搭載 |
BIOS | AMI BIOS (486DX ISA BIOS) |
■208 Pin QFP チップセットと VL バススロットの拡大写真。 ■チップセット上に貼付された「ORCHID」のマークとロゴが誇らしげである。 ノーブランドのマザーボードが多い中で、異彩を放っていたものだ。 ■チップセットは、2個構成であることと、ピン数、100 Pin QFP チップの型 番から、UMC 社の製品と思われる。 ■VL バス初期の製品だけに、ボード上には「VESA Local Bus」というシール が、わざわざ貼られているところが結構笑える。
■コメント このボードは、商用出張でアメリカに行った友人に購入してきてもらったもの です。確か西海岸の Fry's で、当時 2.8 万円程度で購入しました。マザーボ ードといえばノーブランド製品が圧倒的に多かったのですが、このボードは、 当時ビデオカードメーカーとして有名であった ORCHID 社の製品というメジャ ーなブランド名が入っており、魅力的でした。ちなみに、ORCHID とは「蘭」 を意味します。 ORCHID といえば、DOS/V 初期に傑作と言われたビデオカード Fahrenheit1280 を発売し、一世を風靡した会社です。この Fahrenheit1280 は、グラフィック スアクセラレータに S3 社の 86C911 を使用していました。ところが、アクセ ラレータチップ上に、このボードと同じ「ORCHID」のシールが貼付されていた ため一体何の石を使っているのかと、話題になったものです。 ビデオカード 界では、それまでツェン・ラボ社の ET4000 がメジャーでしたが、Fahrenheit 1280 で S3 社のチップが採用されブレイクしたことにより、その後 S3 時代 が到来することになります。S3 社のグラフィックアクセラレータチップ名称 には、911、924、928 といったポルシェのスポーツカーの型番を模した命名が なされていて、なかなか楽しめました。 話しがそれましたが、Orchid 社では、今回掲載した 3/4 Baby-AT サイズのボ ードよりも一回り大きい Baby-AT サイズのボードもありました。以下に掲載 した画像が、その Baby-AT サイズのボードの写真です。ご覧の通り、非常に 美しいレイアウトで、筆者なぞは今見てもほれぼれしてしまいます。
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