Mandax 80286 MB (1990)

写真1:Mandax 80286 MB 表面

■NEC製D70108C−8(V20)を搭載したPC/XT互換マザーボ
 ード。1990年6週製造。大きさは21.3×21.6cm      
■マザーボードロジックは「VDL TM C1」という捺印のASIC1個
 で構成。100PinのQFPパッケージで、89年48週の製造。   
■CPUクロックとして、ノーマルモード(4.77MHz)とターボモード
 (12MHz)の2段階切り替えが可能。               
■メモリはオンボードで640KBまで搭載可能。メモリバンクは5バンク構
 成。この頃はSIMMがまだ無かったので、DIPパッケージの41256
 もしくは4164をソケットに挿して使用した。41256用ソケットを 
 12個、4164用ソケットを6個オンボードで搭載。         
■80287コプロセッサ実装用ソケットを搭載。            
■BIOS ROMとBASIC ROMを搭載可能。BISO ROM上の
 シールには、XT12MHz BIOS Ver 2.20 (C)   
 1989 NEL ELECTRONICS LTDの表記あり。    
・XTバス(8ビットバス)を8スロット搭載。             
■使用周辺チップは下記の通り。                    
 ・UMC:UM8253                       
 ・NEC:D8259                        
 ・UMC:UM8237                       
■8連DIPスイッチでシステムコンフィグレーションを設定。      
スイッチ番号
状態
設定内容
SW1
ON
パリティチェックディゼーブル
SW1
OFF
パリティチェックイネーブル
SW2
ON
80287コプロセッサ無し
SW2
OFF
80287コプロセッサ有り

SW3
SW4
設定内容
ON
ON
搭載メモリ0KB
OFF
ON
搭載メモリ512KB
ON
OFF
搭載メモリ640KB
OFF
OFF
搭載メモリ1MB

SW5
SW6
設定内容
ON
ON
ディスプレイアダプタ無し
OFF
ON
カラーグラフィックスアダプタ(40×25)
ON
OFF
カラーグラフィックスアダプタ(80×25)
OFF
OFF
モノクロームディスプレイアダプタ

SW7
SW8
設定内容
ON
ON
FDD:1ドライブ
OFF
ON
FDD:2ドライブ
ON
OFF
FDD:3ドライブ
OFF
OFF
FDD:4ドライブ


項 目
内 容
CPU V20
CPU Clock 4.77MHz / 12MHz
Co-Processor 8087 コプロセッサ用ソケットを実装
Chip Set
・VDL 社製 ASIC チップ(各種制御ロジック)
・NEC D8253C-2   : タイマ・コントローラ
・UMC UM8259A-2  : 割り込みコントローラ
・UMC UM8237AE-5 : DMA コントローラ
Momory
・41256  用ソケット×12
・4164   用ソケット×6
Bus XT バススロット8本搭載
BIOS NEL ELECTRONICS LTD
製造 1990 年 6週製造

写真2:Mandax 80286 MB 裏面

写真3:ASIC チップのアップ

■VDL 社製 ASIC チップの拡大写真。                  
 このチップの使用により、汎用 TTL の個数が大幅に減少している。    
■ASIC チップは、1988 年 48 週製造。100 Pin QFP パッケージを採用。  

写真4:CPU(下)とコプロ用ソケット(上)

写真5:周辺機能LSI群

写真6:設定用8連DIPスイッチ

写真7:BIOS ROMのアップ

■汎用 LSI チップのアップ。                      
 8253 タイマ・コントローラ、8259 割り込みコントローラ及び 8237 DMA コ
 ントローラの各チップが見える。当時はまだ、これだけの機能を、1個のカ
 スタム ASIC 中に内蔵することができなかったため、この部分は、汎用 TTL
 を使用している。                          


■コメント                              
XT互換ボートとしては、既にJUKO社製のST−12というマザーボード
を紹介済みですが、これはそのOEM製品と思われるものです。メーカー名は
「Mandax」という聞きなれないもので、当然台湾製。しかし、良く見る
と、ボードの構成がJUKOのST−12と瓜二つであることがわかります。
マザーボードメーカーとしてはJUKOが非常に有名であることから、このボ
ードはJUKOがOEM供給していたものと考えられます。        

ボードの製造年月もST−12とほぼ同じ。またCPUクロックも12MHz
駆動と、スペックも変わりありません。ロジック部分に使われているASIC
の捺印も同じでした。XT互換ボードとしては、結構有名な構成だったのかも
しれません。但し、BIOSチップだけは異なっており、このボードには  
「NEL ELECTRONICS LTD」という会社のものが使用されて
いました。8ビットバスがこれだけ並んでいるというのも壮観です。今の人は
黒いソケットのPCIバスだと勘違いしてしまうかもしれませんね。    

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