■台湾のマザーボードメーカー、PC CHIPS社のSlot1マザーボー ド、M717。Slot−1マザーボードとしては珍しいベビーATフォー ムファクタを採用しており、ボードで寸法は22×26cm。1998年 前半の製造。 ■チップセットにintelのi440EXを搭載。2チップ構成で、チップ の型番は下記の通り。 ・FW82443EX ・FW82371EB ■intel Pentium−IIとCeleron CPUに対応。 CPUクロック周波数はPentium−IIが233〜333MHz。 Celeronが266〜300MHzとなっている。 ■ISAバスを2本、PCIバスを3本搭載。72Pin SIMMスロット を2本、168Pin DIMMスロットを2本搭載しており、最大メモリ 搭載容量は256MBとなっていた。 ■オンボードでグラフィック機能を搭載。グラフィックアクセラレータチップ として、SIS社の64bit 3D AGPチップ、SIS6326を搭 載し、4MBのフレームバッファもオンボードで提供していた。 ■サウンドチップは3D Sound ProPCI版(HT1869V+) を搭載しており、PC98オーディオに準拠。HRTFポジショナルオーデ ィオに対応していた。Aureal 3Dによる3Dダイレクトサウンド機 能や、SPDIFインターフェースも装備していた。 ■オンボードI/Oは、IDE2系統とFDD、シリアル×2、パラレル×1 の各レガシーポート。IDEはUDMA/33に対応。またATXフォーム カードを用いることにより、USBとPS2マウス及びIrDAインターフ ェスを利用できた。 ■BIOSはAMIBIOSを搭載。 ■以下にボードのスペックを示す。
CPU | intel Pentium-II 233 〜 333MHz intel Celeron 266 〜 300 MHz |
CPU Clock | 233 〜 333 MHz |
Cache Memory | 256KB/512KB PBSRAM L2 Cache を SEC Cartridge に搭載 |
Chip Set | ・intel i440EX Chip Set FW82443EX FW82371EB |
Momory | 168 Pin DIMM スロット×2 72 Pin SIMM スロット×2 合計最高 256 MB まで搭載可能 |
Bus | PCI×3本、ISA×2本搭載 |
On Board VGA | SIS6326 3D AGP Video Chip 搭載 |
Super I/O | COM1、COM2、LPT1、FDD、Primary-IDE、Secondary-IDE 3D AGP VGA、3D Sound、PS/2、USB1、USB2、IrDA |
BIOS | AMI BIOS |
■コメント Slot−1マザーボードとしては珍しいBaby−ATフォームファクタ のマザーボード、M717です。1998年の製品ですが、規格の過渡期を象 徴する仕様となっています。Baby−ATフォームファクタを採用している ことの他にも、AT電源とATX電源の両方が使用可能となっていたり、従来 広く用いられてきた72PinのSIMMも流用できるよう、スロットが2基 設けられています。USBやPS/2、IrDAといったATX仕様の機能に ついては、別売りオプションのATXフォームカードで提供していました。 カタログ上でも「Highly Integrate Slot−1」と記 載されている通り、ビデオとサウンドをオンボードで搭載した高機能マザーボ ードでした。 オンボード搭載されたVGAは4MBフレームバッファを専用に持つSIS 社の6326で、シェアードメモリを採用しない本格的なものでした。ビデオ チップであるSIS6326は、AGP接続された3Dグラフィックアクセラ レータで、ビデオカードとして単品でもリリースされた有名な製品です。 下に掲載したビデオカードの写真2点は、AOpenが発売していたSIS 6326チップを使用したビデオカード、PT80です。6326はAGPを 前提として作られたビデオチップですが、本ビデオカードはPCIバスを搭載 しており、珍しいものです。このカードのVRAM量も、M717と同様4M Bとなっています。
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