EFA ECA34M50 (1992)


■台湾のマザーボードメーカー、EFA 社製 ISA バスマザーボード。1992 年 
 25 週の製品。秋葉原の AT 互換機ショップ、クラスターにて購入。    
 縦 330mm × 横 220mm の Baby-ATサイズのマザーボード。        
■極めて高い安定性を持ち、ISA バスマザーボードの中でも評価が高かった製
 品。BIOS は AMI 社製。                       
■3個ある CPU ソケットは、上部右側が 486 用、左側が 386DX 用、下のソ 
 ケットは、Weiteck 社の数値演算コプロセッサ 4167 実装用。      
 当時はまだ 80486 CPU の価格が高く、80486 の他に 80386 も使用できるマ
 ザーボードが一般的であった。なお、このボードは IBM PC/XT の筐体にも 
 格納できるようにマウントホールが設けられている。          
■チップセットは UMC 社製で、3チップ構成。外部バスクロック 50MHz 対応
 のものが使用されている。キャッシュメモリは、スピード 20ns のメモリを
 256KB 搭載。                            
■以下にボードのスペックを示す。                   

項 目
内 容
CPU 80386DX / 40486SX / 80486DX / 80486DX2(Intel 及び AMD)
CPU Clock 16 , 20 , 25 , 33 , 40 , 50 MHz
Co-Processor Weiteck 4167 数値演算コプロセッサ用ソケット実装
Chip Set
UMC 社製チップセット使用
・UM82C481 : メモリコントローラ
・UM82C482 : システムコントローラ
・UM82C206 : 周辺コントローラ
Momory 30 Pin SIMM ソケット8個搭載。最大 32MB まで拡張可能
Cache 64 KB , 128 KB , 256 KB (Speed 20ns)
Bus ISA バススロット7本搭載
BIOS AMI 486 BIOS V3 (1990)


■CPU ソケット周辺の拡大写真。右側のソケットは 486 系、左側のソケット 
 は 386 系のもの。CPU ソケットの上に実装されているのは、UMC 社製のチ 
 ップセット、UM82C482AF と UM82C481AF。50MHz のクロック周波数に対応し
 ていることを示す「50 MHz PASS」のシールが貼付されている。      
■左端には AMI 社の BIOS チップが見える。BIOS チップの右側にある DIP 
 スイッチは、CPU クロック設定用のもの。下は 16MHzから、上は実に 88MHz
 までの動作クロックを設定できた。                  


■コメント                              
本ボードは筆者にとって思い出深い逸品です。このマザーボードは、DOS/V 初
期に話題となった、台湾 EFA 社製のものです。非常に高い安定性を有し、外 
部 バスクロックを、最大 88MHz まで設定できるという、当時としてはバケモ
ノのようなスペックを有した製品でした。このボードは 1992 年に購入したも
のです。筆者は、当時最速の CPU であった intel 80486DX-50(50MHz)を、 
ペ ルチェ素子を使用して冷却し、66MHz 設定でオーバードライブしていた記 
憶があります。70MHz 設定でも動作したのですが、ISA バスに挿入した拡張カ
ードがスピードについて来れませんでした。               

ボード上を見ると、CPU ソケットが3個ついているように見えます。これはそ
れぞれ 80386、80486、Weiteck 4167 用のものとなっています。当時、まだ 
80486 CPU は非常に高価であったため、80486 と 80386 の両方に使用できる 
マザーボードが多く見受けられたものでした。Weiteck 4167 というのは、一 
種の数値演算プロセッサですが、知名度が極めて低いため、実際に使用してい
たという人はほどんどいないのではないでしょうか?この数値演算プロセッサ
を搭載すると、プロセッサに対応したソフトウエアの動作速度が速くなるとい
うシロモノでしたが、対応ソフトの数が少ない上に、プロセッサそのものの価
格が高く、何よりも入手が困難であったため、メジャーになることはありませ
んでした。                              

ボード上のチップレイアウトは美しく、製品自体も非常に良くできています。
バスクロック周波数は、DIP スイッチで簡単に変更することができ、この辺の
メンテナンス性も良好でした。搭載メモリ容量の上限がたったの 32MB という
スペックが、時代を感じさせます。キャッシュメモリとしては、20ns のスピ 
ードの SRAM を 256KB 搭載していました。                

このボードは、VL バスが登場し話題となるまで、ずっと使い続けていました 
が、トラブルらしいトラブルもなく、クロックアップにも良く耐えました。マ
ザーボードのマウントホール位置も、IBM PC/AT と PC/XT の両方に対応して 
いたので、筆者のように IBM PC/XT のケースを使用し続けている人間にとっ 
ては重宝したものです。メインマシンとして使用するには最適な、信頼性の高
い製品でした。                            

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