■台湾のマザーボードメーカー、EFA 社製 ISA バスマザーボード。1992 年 25 週の製品。秋葉原の AT 互換機ショップ、クラスターにて購入。 縦 330mm × 横 220mm の Baby-ATサイズのマザーボード。 ■極めて高い安定性を持ち、ISA バスマザーボードの中でも評価が高かった製 品。BIOS は AMI 社製。 ■3個ある CPU ソケットは、上部右側が 486 用、左側が 386DX 用、下のソ ケットは、Weiteck 社の数値演算コプロセッサ 4167 実装用。 当時はまだ 80486 CPU の価格が高く、80486 の他に 80386 も使用できるマ ザーボードが一般的であった。なお、このボードは IBM PC/XT の筐体にも 格納できるようにマウントホールが設けられている。 ■チップセットは UMC 社製で、3チップ構成。外部バスクロック 50MHz 対応 のものが使用されている。キャッシュメモリは、スピード 20ns のメモリを 256KB 搭載。 ■以下にボードのスペックを示す。
CPU | 80386DX / 40486SX / 80486DX / 80486DX2(Intel 及び AMD) |
CPU Clock | 16 , 20 , 25 , 33 , 40 , 50 MHz |
Co-Processor | Weiteck 4167 数値演算コプロセッサ用ソケット実装 |
Chip Set | UMC 社製チップセット使用 ・UM82C481 : メモリコントローラ ・UM82C482 : システムコントローラ ・UM82C206 : 周辺コントローラ |
Momory | 30 Pin SIMM ソケット8個搭載。最大 32MB まで拡張可能 |
Cache | 64 KB , 128 KB , 256 KB (Speed 20ns) |
Bus | ISA バススロット7本搭載 |
BIOS | AMI 486 BIOS V3 (1990) |
■CPU ソケット周辺の拡大写真。右側のソケットは 486 系、左側のソケット は 386 系のもの。CPU ソケットの上に実装されているのは、UMC 社製のチ ップセット、UM82C482AF と UM82C481AF。50MHz のクロック周波数に対応し ていることを示す「50 MHz PASS」のシールが貼付されている。 ■左端には AMI 社の BIOS チップが見える。BIOS チップの右側にある DIP スイッチは、CPU クロック設定用のもの。下は 16MHzから、上は実に 88MHz までの動作クロックを設定できた。
■コメント 本ボードは筆者にとって思い出深い逸品です。このマザーボードは、DOS/V 初 期に話題となった、台湾 EFA 社製のものです。非常に高い安定性を有し、外 部 バスクロックを、最大 88MHz まで設定できるという、当時としてはバケモ ノのようなスペックを有した製品でした。このボードは 1992 年に購入したも のです。筆者は、当時最速の CPU であった intel 80486DX-50(50MHz)を、 ペ ルチェ素子を使用して冷却し、66MHz 設定でオーバードライブしていた記 憶があります。70MHz 設定でも動作したのですが、ISA バスに挿入した拡張カ ードがスピードについて来れませんでした。 ボード上を見ると、CPU ソケットが3個ついているように見えます。これはそ れぞれ 80386、80486、Weiteck 4167 用のものとなっています。当時、まだ 80486 CPU は非常に高価であったため、80486 と 80386 の両方に使用できる マザーボードが多く見受けられたものでした。Weiteck 4167 というのは、一 種の数値演算プロセッサですが、知名度が極めて低いため、実際に使用してい たという人はほどんどいないのではないでしょうか?この数値演算プロセッサ を搭載すると、プロセッサに対応したソフトウエアの動作速度が速くなるとい うシロモノでしたが、対応ソフトの数が少ない上に、プロセッサそのものの価 格が高く、何よりも入手が困難であったため、メジャーになることはありませ んでした。 ボード上のチップレイアウトは美しく、製品自体も非常に良くできています。 バスクロック周波数は、DIP スイッチで簡単に変更することができ、この辺の メンテナンス性も良好でした。搭載メモリ容量の上限がたったの 32MB という スペックが、時代を感じさせます。キャッシュメモリとしては、20ns のスピ ードの SRAM を 256KB 搭載していました。 このボードは、VL バスが登場し話題となるまで、ずっと使い続けていました が、トラブルらしいトラブルもなく、クロックアップにも良く耐えました。マ ザーボードのマウントホール位置も、IBM PC/AT と PC/XT の両方に対応して いたので、筆者のように IBM PC/XT のケースを使用し続けている人間にとっ ては重宝したものです。メインマシンとして使用するには最適な、信頼性の高 い製品でした。
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