A-TREND ATC6310V Plus (2001)

写真1:A-TREND ATC6310V Plus MB 表面

■台湾のマザーボードメーカー、A-TREND 社製 VIA チップセット搭載のAT フ
 ォームファクタマザーボード、ATC6310V Plus。2001年36週製造。     
 A-TREND 社は、3dfx の Voodoo3 ビデオチップと SGRAM をオンボード搭載 
 したマザーボードを発売する等、ユニークな製品を提供している。    
 A-TREND 社の HP は下記の通り。                    
  http://www.atrend.com.tw/english/product/mainboard/ATC6310Vplus.htm
 上記 URL へのアクセスができない場合には、ここでもスペックを見ること 
 ができる。                             
■秋葉原のショップにて、保障無しのバルク商品として購入。当然、取り扱い
 説明書等は同梱されていない。価格は 4,980 円。ショップ店長の話では、 
 Coppermine コアの Celeron 1GHz の動作を確認できたとのこと。     
■チップセットに VIA の 82C693A と 82C686A を使用。Pentium III FCーPGA
 CPU 及び Celeron PPGA / FC-PGA CPU に対応。Pentium III は 933MHz、 
 Celeron は 766MHz までの対応となっているが、その後の BIOS バージョン
 アップにより、Celeron も 1GHz 駆動が可能になったようだ。(未確認) 
■AT フォームファクタで AGP、PCI、ISA、AMR を搭載した、拡張性の高いボ 
 ード。FSB は 100/133 MHz に対応している。              
■オンボードでレガシー I/O ポート、USB、IrDA、PS/2 を搭載。オプション 
 で AC97 Codec の音源と GAME ポートもオンボードで提供できた。本ボード
 では、音源チップは搭載されておらず、ランドのみ残っている。     
■168 Pin DIMM スロットを3つ持ち、最大メモリ搭載容量は 1.5GB となって
 いる。メモリは PC100/PC133 SDRAM をサポートしている。        
■IDE は Ultra DMA 33/66 に対応。                   
■ボードのサイズは 220mm × 235mm のベビー AT フォームファクタ。   
■各種ドライバは VIA の HP からダウンロード可能。BIOS は Xsonictech の
 FTP サイトから 搭載されているチップセット用のものをダウンロードする。

■以下にボードのスペックを示す。                   
項 目
内 容
CPU
Intel Celeron PPGA / FC-PGA CPU  (Coppermine Core)
Intel Pentium III FC-PGA CPU
(Socket 370 搭載)
CPU Clock
Pentium III 933MHz
Celeron 733MHz (1GHz 駆動も可能とのこと)
Chip Set
VIA VT82C693A Apollo Pro133 North Bridge(133MHz FSB)
VIA VT82C686A South Bridge(Ultra DMA33/66)
Momory
168 Pin DIMM スロット3個搭載
最高 1.5GB まで拡張可能
Cache Coppermine Core Celeron 使用時で 128KB をCPU 内部に搭載
Bus AGP×1本、PCI×3本、ISA×1本、AMR×1本搭載
Super I/O
COM1 , COM2 , LPT1 , FDD , Primary-IDE , Secondary-IDE
PS/2 Mouse, USB1 , USB2 , IrDA
BIOS Award BIOS

写真2:VIA VT82C693A チップセット

写真3:VIA VT82C686A チップセットと BIOS

写真4:I/O、キーボードコネクタ周辺

■コメント                              
最近めっきり少なくなった、Socket370 搭載の AT フォームファクタマザーボ
ードです。将来の予備として、秋葉原で購入しましたが、バルク品というだけ
あって、4,980 円とバカ安でした。店長の話では、Celeron なら 1GHz まで動
作確認が取れたそうですが、この点については未確認です。        

ボードは 2001 年中期頃の製品ですが、ISA バスを1本搭載するなど、若干古
風な仕様も見受けられます。チップセットは VIA の Apollo チップセットで 
intel 互換のものとしては比較的有名です。サウンドはオプションでオンボー
ド搭載されていたようで、本マザーボードにはチップが実装されていないラン
ドのみが残っていました。AMR(※)コネクタも搭載しています。      

ボードのリビジョンは 1.01。どの程度の安定性とスピードが出るのかは未知 
数ですが、仕様面ではごくごくオーソドックスにまとまっているので、それほ
ど不安定なことはないかと思っています。ところで、写真3の上に、CMOS バ 
ックアップ用のリチウム電池が見えます。この電池、ちょっと怪しい。。。。
表面には「Newsun」というブランドが書かれていますが、その下に「Japan  
STD」という表示があります。一見、Made in Japan のように思われますが、 
これは大違い。Japan STD とは、日本の電池規格に準拠しているだけのことで
実際の製造元はどこの国だかわかりません。こういったところが、微妙に怪し
くて、結構楽しくなってしまいますね!                 

さて、メーカーの A-TREND といえば、あの 3dfx の VooDoo3 チップをオンボ
ード搭載したマザーボード、ATC6254M-40 が記憶に新しいかと思います。  
このマザーボードは 440BX チップセットを搭載した真っ赤なマザーボードで 
Voodoo3 グラフィックチップと 16MB の SGRAM をオンボードで実装するとい 
う、非常にユニークな製品でした。こちらのボードの詳細は、impress の  
AKIBA PC Hotline! 2000 年 1 月 22 日号で紹介されています。      
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20000122/newitem.html  

※ AMR(Audio/Modem Riser )                     
 サウンドやモデムのアナログ回路および入出力コネクタを装備したライザー
カード。ATXなどのマザーボードにAMRを装着するためのコネクタや物理形状な
どが、IntelによるAudio/Modem Riser Specificationという規格で決まってい
る。AMRには、電気的なノイズを発するデジタル回路から、なるべくサウンド 
やモデムのアナログ回路を離して実装してノイズの悪影響を抑え、より品質の
高い音声や通信を実現するという狙いがある。              
(アスキーデジタル用語辞典より)                   

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