奥羽本線峠駅旧駅舎跡(1999年08月) |
奥羽本線峠駅は鉄道マニア、いわゆる鉄っちゃんの間ではかなり有名な場所である。奥羽本線板谷峠付近は、その昔急勾配の難所であった。この峠を越えるためには、4駅連続して設けられていたスイッチバックで登らなくてはならなかったそうだ。このスイッチバック方式は平成2年(1990年)8月に廃止、また、それまで使用されてきた旧駅舎も、平成9年(1997年)9月に老朽化のため解体された。現在、峠駅旧駅舎跡にはプラットフォームとレールのみが残っている。 Google Maps上での位置は、下記の通り。 奥羽本線峠駅旧駅舎跡 |
峠駅は滑川温泉、姥湯温泉への入り口として利用されている。駅へのアプローチであるが、万世大路と呼ばれる国道13号線と平行に走る県道232号線(米沢街道)を通り、板谷駅を越えたあたりで萱峠へ向う道へと折れる。ここからさらに狭い道路に折れて坂を降りて行くと、峠駅前の広場に出る。駅前には建物が2件建っているのみ。ちなみに、峠の茶屋で販売している「峠の力餅」は有名なのだそうだ。
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駅の構造は少し複雑である。米沢側にはスイッチバック時代に使用されていた旧駅舎の跡(プラットフォーム)が残り、福島側にはスノーシェードの奥に現駅舎のプラットフォームがある。現駅舎と旧駅舎との間には、部分的にレールが残っている。旧駅舎は、プラットフォームとレールしか残存していない。その昔、ここには木造の実に趣のある駅舎が建っていたそうであるが、老朽化のため解体されている。ただ、駅舎の一部と思われる建物と、プラットフォームは現在でも確認することができる。プラットフォームには、タイルで覆われていた跡も残っており、かつての駅舎の面影を偲ぶことができる。
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峠駅の現駅舎へは、スイッチバック時代に使用されていたスノーシェードの中を通って行く。このシェードの中には、当時のレールが一部残されている。シェードの中は照明も無く、昼間でも薄暗い。滑川・姥湯温泉からの送迎バスを通すため、シェードの半分は道路となっており、車が現駅舎まで入って行ける構造となっている。このシェードを200mほど進むと、現在利用されている峠駅へ到達できる。
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現駅舎へ続くスノーシェードの壁面には、スイッチバック時代の旧駅舎に使用されていた「峠駅」の駅名板が立てかけてあった。現駅舎は、スノーシェードにすっぽりと覆われている。現駅舎のプラットフォームから福島方面を眺めると、トンネルが3つ並んでいる。このうち、一番左側のトンネルには、レールが施設されていない。これは、スイッチバック時代の名残であり、突込線となっているそうだ。従って、このトンネルは途中で行き止まりになっているはずである。真ん中と右側のトンネルは現在の上下線で使用されているもの。資料によれば、中央のトンネルが上り線として使用されている板谷峠トンネル(長さ1964m)で、1971年に使用開始されている。また右側のトンネルが、下り線として使用されている第二板谷峠トンネル(長さ1628m)で、1899年の開業当初から使用されているものだそうだ。スイッチバック時代は、米沢方面から来た電車が突込線用のトンネルに入り、その後バックして旧駅舎に侵入、その後福島方面へ向っていたものと思われる。
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