リストマーク 奥多摩湖ロープウェイ(かわの駅)(2003年04月)

写真0:かわの駅全景

 奥多摩湖ロープウェイの「かわの駅」は、「みとうさんぐち駅」の対岸にある、川野の集落に位置する。国道411号を東京方面から向うと、川野の集落の前にトンネルがある。このトンネルを抜けると、左手に東京都の駐車場がある。この駐車場に車を置き、道路を隔てた向こう側の山道を登ったところに、「かわの駅」はある。

Google Maps上での位置は、下記の通り。
奥多摩湖ロープウェイ(かわの駅)

写真1:かわの駅の駅舎全景#1(出入り口付近)

写真2:かわの駅の駅舎全景#2

 かわの駅へのアプローチは若干難しい。みとうさんぐち駅を訪れた後であれば、ロープウェイのケーブルを目印に向うことができるのだが、駅舎の位置はわかっても、そこへ辿り着く道を見つけるのが困難なのである。駅舎は小高い丘のようなところの上に設けられている。付近には東京都の駐車場があるので、こそに車を置けば良いのだが、問題はその後だ。最初、みやげ物屋等がある方の道を歩いてみたが、丘の上の駅舎に通じる道は発見できなかった。それどころか、近所に放し飼いにされている犬に猛烈に吠えたれられ、散々な目に会うことになった。再度駐車場に戻り、道路の向かい側にある上り坂の道に入り、ようやく「かわの駅」に到達することができた。

 かわの駅は、テニスコートとゲートボール場のそばに残っていた。みとうさんぐち駅と異なり、比較的容易に近くまで行くことができるので、駅舎の保存状態は良い。反面、訪れる人も多いせいか、落書きも数多く見られる。2つある駅舎では、やはり「みとうさんぐち駅」の方が、断然廃墟らしい。かわの駅は、奥多摩湖ロープウェイの運転室が設置されていたところで、機械室の設備もかなり充実している。プラットフォームには、「くもとり」号がドアを半分開けたままの上体で吊り下がっていた。

写真3:かわの駅の入り口付近。ちょうど出入り口から駅舎内部を見たところである。向って右側には、券買所がある。正面の壁面には、「みとうさんぐち駅」にも掲載されていた「日本ケーブル株式会社」の設置銘版が架かっている。「みとうさんぐち駅」と異なり、比較的アプローチしやすいためか、構内には落書きが目立つ。

写真4.プラットフォームから改札口を見上げたところ。乗客は奥に見える改札口を通過後、この階段を下りてロープウェイに乗車する。左側奥のドアは、乗務員の詰め所と思われる部屋。手前のドアはトイレの入り口。


写真5.「かわの駅」の駅舎トイレの中。基本的な構造は「みとうさんぐち駅」と同じ。内部はかなり荒れ果てている。


写真6.駅舎内に佇む「くもとり」号。みとうさんぐち駅と異なり、かわの駅は非常に整備されていて、落ち葉やツタの類も少なかった。誰だか知らないが、定期的に清掃を行なっているような感じである。


写真7.くもとり号の外観。いわゆる”キメショット”?既に色々な廃墟系雑誌・本に掲載された、超有名なアングルの写真である。進行方向である左側には深い竹やぶが形成されており、もはや運行は不可能。


写真8.駅プラットフォーム先端から、駅舎方面を見たショット。16.8mmの広角レンズを用いて撮影した。駅舎の保存状態は、みとうさんぐち駅よりも数段良い。駅舎の基本構造は、同じ。正面奥に見える窓は、「運転室」のもの。この部屋には運転台が設けられており、窓越しに運転状況を確認することができた。


写真9.くもとり号の内部。座席が無いため、立ったままの乗車となる。


写真10.運転室に残る運転台。メカメカしいデザインが郷愁を誘う。マイコン制御など無い時代の制御卓だ。正面の窓から、プラットフォーム方向を見ることができる。


写真11.運転制御卓のアップ。制御板上部には、運行位置を示すメジャーが取り付けられている。奥多摩湖ロープウェイは全長が621mとなっている。このメジャーには左端が0m、右端が630mのスケールで目盛りが振られて、現状の客車の位置が指針で示されるようになっている。運行中の客車の位置が一目で判る仕組みだ。


写真12.駅舎の奥に位置する機械室の内部。巨大なモーターが配置されていた。この機械室内部も非常に薄暗い。


写真13.機械室の一番奥底に位置する「受電室」。この部屋には窓が全く無く、光りも差し込まないため完全とも言える暗闇である。ストロボ撮影をしたら、ここに掲載したような設備が写っていた。網に囲まれ保護された高圧配線と、制御パネル、消火器等が確認できる。この部屋の保存状況は極めて良いほうだ。


写真14.機械室の奥の部屋にあるケーブル固定ボルト。ものすごい張力がかかるワイヤーを、このようにゴツいボルトを介してコンクリートブロックに固定している。


写真15.同じく機械室に設置されている巨大なプーリー。


写真16.機械室に設置されているモーターを、別の角度から見る。大きなギアを介して駆動している様子が良くわかる。


写真17.機械室内部に設置された、用途不明のギアの残骸。


写真18.かわの駅の駅舎屋上。屋上へは外壁に沿って設けられた鉄製の階段を登る。屋上は展望台として使用されていたようで、望遠鏡を設置していたと思われる土台も見受けられた。奥多摩湖を俯瞰することができ、展望はまずまずといったところ。画面左奥が、奥多摩湖対岸にある「みとうさんぐち駅」方向。



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