もともと根岸森林公園は、第二次世界大戦前までは競馬場として使用されていたところである。現在残っている一等観覧席は、昭和5年(1930年)、アメリカ人建築家J・H・モーガンにより作られたものだ。二等観覧席も一等観覧席に隣接し、最近まで建っていたそうだが、昭和63年に解体されたようである。
一等観覧席周囲は塀に囲まれており、残念ながら施設の内部を見ることはできない。また、一等観覧席のスタンド側には米軍基地があるため、スタンド正面から見学することもできない。しかし、周囲は根岸森林公園として整備されており、また一等観覧席の正面には、歴史を記した看板も設けられ、現役当時の様子を偲ぶことができる。
以下に、一等観覧席正面に設けられた看板の解説文を記しておく。
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根岸森林公園は第二次世界大戦までは、競馬場として利用されていました。競馬場には馬場のほかに、一時馬見所・二等馬見所・下見所などの施設がありました。全ての施設は、アメリカ人建築家J・H・モーガン(1877〜1937)による設計でした。
J・H・モーガンは多年にわたり、根岸競馬場の施設を設計しています。設計の過程では、設計案の変更を行っており、主な施設である一等馬見所・二等馬見所は、実際に設計された設計案のほかに別の設計案がありました。
ここでは、図面と写真で、一等馬見所・二等場見所の設計過程及び建設された後の建物の様子、当時の競馬場の様子を紹介します。
現存している建物は、一等馬見所で昭和5年(1930年)に建設されたものです。
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