リストマーク 北京市東単地区 #1 (2004年10月)

北京市東単地区 #1 MAP
1990年発行「北京市区洋図(八竜出版社)」より


 北京市東単地区は、西単地区と並ぶ商業地域である。特に建国門内大街と東単北大街との交差点付近には、大規模な再開発により、巨大ビルが林立する。西側には有名な王府井も近く、外国人向けのホテルも多い。今回訪問した時も、東単と王府井との間にあるホテルに宿泊した。

 表通りに面した場所は近代的な繁華街となっているが、一歩内側へ入ると、昔ながらの胡同が残っている。中国事情に詳しいガイドのO原さんと共に、このような胡同の一つに足を踏み入れてみたところ、かなり古く立派な建築物を発見した。塀に囲まれた空間に、寺院本殿を思わせる建造物と洋風の古い住居が隣り合って建っている。中国語に詳しいO原さんが現地の人に聞いてみたところ、なんでもかつて蒋介石が北京に居た時に使用されていた建物だそうだ。真偽の程は判らない。

 古びてはいるものの、細部まで念入りに作り込まれた建物を見ると、いかにも曰くありげである。寺院本殿の建築物は、どうやら倉庫して使用されているようだが、隣の洋風建築は、現在も住居として使用されていた。建国門内大街からは、ほんの2〜3本入った通りに面した所であるが、大通りの喧噪とは完全に隔絶された、静かな空間であった。

入り口の門を外側から見たところ
寺院本殿を思わせる建築物と、その隣りの洋風建築とは、門を入った中庭に面して建っている。胡同を歩いていると、このような入り口を至るところで見かける。個々の住居が、小さなブロックで囲まれて建っているようだ。

入り口の門の中にあった、古びた配電盤
門の中には、この門内に入っている住居の配電盤が、まとめられていた。この盤を見ると、このブロック内には、どうやら6戸が入居しているようだ。埃が堆積しており、一見すると廃棄されているように見えるが、どっこいメーターはちゃんと動作している。

門の上の飾り
門を入った内側から門の飾りを撮影。このような立派なデザインを施した門は、そうたくさんは無い。この装飾を見ても、この一角が他とは異なっていることを思わせる。

入り口の門の全景を内側から見たところ
門の全景。入り口の内部高さは2m以上あり、堂々としている。この中庭へは、この門を経由してしか入ることができない。防犯上大変優れていると言えよう。

寺院本殿を思わせる建築物の外観
倉庫してい使用されているような、堂々とした建築物があった。O原さんが現地の人に聞いた話によれば、その昔蒋介石が北京滞在時に使用していたところだそうだが、真偽の程は不明である。建物は立派であるが、メンテナンスが行き届いておらず、荒れるにまかせている。

装飾のアップ
この建造物のディテールを見ると、ただの建物では無いことがわかってくる。細部に至るまで、非常に良くデザインされており、装飾も凝っている。昔は寺院だったのかもしれないが、今となっては、はっきりとしたことは何一つ判らない。窓ガラスが全て破損しており、保存状態は悪い。

中庭の風景
寺院風建築物と洋風建築物が建っている中庭を見渡したところ。この小さい空間が、塀に囲まれており、上記に掲載した門を経由して入れるようになっている。南側は建国門内大街方向を示しており、背後に見える巨大建築物は、大通りに面して建っている、最近再開発されたビルである。大通りからこんなに近い位置にあっても、不思議なほど騒音は聞こえて来ない。

寺院風建築物のアップ
建物本体は非常にしっかりと出来ている。瓦屋根の造形も凝っている。

洋風建築外観
広場全体が非常に狭く、複数の住居が密集しており、引きが取れないが、やっとのことで撮影した洋風建築の外観。現在はアパートとして使用されているようであるが、大変優れたデザインである。

洋風建築のファサード #1
正面に階段室を設けた洋風建築のファサード。外壁は煉瓦作り。窓枠は木で出来ている。建築物の名称を示すような表記は一切無い。

洋風建築のファサード #2
正面入り口から建物を見上げたところ。ここの内部は階段室になっている。外壁や窓の飾りがレトロだ。

洋風建築の入り口
細長い扉の入り口上部には、鳥籠が3つ下がっていた。北京では鳥を飼う家庭が非常に多い。入り口扉のガラス窓も、その他の窓と同様の造形になっている。

内部階段部分
外側のデザインも凝っているが、内部の造形も同じく特徴がある。階段は写真のように、踊り場で2手に分かれて上って行くタイプ。それぞれ左右の住居棟へアプローチしているという、大変面白い作りだ。内部はご覧の通り、居住者の荷物が堆積しており、かなり乱雑である。

階段室内部
木製の階段は、長年の使用で中央部分がすり減ってしまっている。床のタイル模様がレトロな雰囲気を出している。

二階住居部分
二階部分は、住居部分が左右に分かれて設けられている。床は板張り。




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