CASSIOPEIA FIVAの外観

■コラム・CASSIOPEIA FIVAのおはなし (1999/06/20)

●1999年06月20日(日曜日)
 モバイル用端末として、昨年暮にCASIOから発売されたFIVAを購入した。筆者は一応携帯端末マニアという肩書きになっているが、最近は食傷気味であまり物欲をそそられていなかった。しかし、仕事で外出することが多く、出先でWEB閲覧しなくてはならないため、今回の購入に至った。今まで、外出先でWEB閲覧やデモを行う場合には、SONYのVAIO PCG-505(しかも初代機)+PHSを使用してきた。しかし、さすがに1.25kgのVAIOを持ち歩くのは非常につらく、体を壊してしまった。代替えとなる機種を探していたのだが、WEBが閲覧できる軽量マシンは、ほとんどWindows CE搭載機なのである。個人的にCE機は好きではない、ってーかキライである。よってカタログ上で「世界最軽量のSVGAパソコン」を謳うFIVAを購入してみた。


CASSIOPEIA FIVAの裏面

CASSIOPEIA FIVAの側面

 さてこの商品であるが、本体のみであれば秋葉原の量販店で購入することが可能である。(ただし、マイナーなマシンということもあり、在庫を置いてある店舗は少ないようだ。)しかし、周辺機器となると、基本的には在庫を置いておらず、取り寄せてもほとんどの店ではほぼ定価販売だ。

 ところが、今年の02/01にCASIOとAKIAの共同出資により設立された新会社「アキア株式会社」から、インターネット通販で同製品が格安に販売されていることを発見、さっそく発注する。

 ここでは「FIVAアキアバリューセット」なるものが用意されており、本体に32MBの増設メモリ、FDD、CD-ROM、ポトリ(ポートリプリケータ)が付属して168,000円で販売している。これらを個別に買い求めるよりも、約3万円程度安上がりとなる。こりゃーいいやと思ったのであるが、あいにく本体以外の周辺機器の在庫が全く無い状態で、これらが入荷してくるのが8月上旬くらいになるというのである。一瞬悩んだが、まあ待てばそのうちくるのだからと、バリューセットを購入した。発注入金後、わずか4日という迅速なデリバリーで、FIVA本体が到着した


CASSIOPEIA FIVAのキーボード

CASSIOPEIA FIVAに接続したPHS I/Fカード(PCMCIA)

 このマシン、本体重量はバッテリー込みで840gしかない。しかし筐体が小さいため、手に持った感じは意外とずっしり来る。840gという重量であるが、NECのCE版モバギ(MC-R500)とほぼ同等だ。筆者が以前愛用していたTidalwave 社製ME-386の710gよりも、約100gほど重い。筆者の場合、これくらいの重さがカバンに入れて持ち歩く限界値となる。

 外装であるが、最近流行のマグネシウム合金を模した塗装の強度が、あまり強くない。特に本体上面は比較的簡単にキズが付いてしまう。筆者のマシンは、購入した翌日にSCSIコネクタ衝突による切り傷と、CDケースとの接触による擦り傷で、新品であるにもかかわらず、使い込んだみたいなマシンとなってしまった。^^;

 今回購入した製品は、メモリ増設キャンペーン対象商品であるため、32MBの増設メモリモジュールが同梱されている。これは本体裏側のメモリ増設用スロットに装着する。これで内蔵メモリが64MBとなる。FIVAの裏面は、写真のようにかなり凹凸がある。

 キーボードは15×14mmピッチ、ストローク1.5mmというスペックだ。タッチタイピングに不足は無いが、もうすこしキーストロークが欲しいところである。まあ、これは他のどのパソコンでも似たようなものなので、しょうがないな。この厚さと小ささで、HPのOmni Book 600C並のキーボードは望めないであろう。なお、キーは84個である。

 ポインティングデバイスは、サムパッドとなる。これが思ったよりも使い易い。特にクリックやダブルクリックなどが、指でトントン叩くだけでできてしまうため、非常に便利である。またゼスチャーを使用すれば、より複雑な操作が指先だけでできてしまう。サムパッドの操作部と本体との間には隙間が無いので、ゴミ等も入りにくい。操作性はVAIO PCG-505よりも良いようだ。SVGAの液晶は、非常に見やすい。これは、6.7型HAST(ハイパーアモルファスシリコンTFTカラー液晶)という舌を噛みそうな長い名称の製品で、視認性はバツグンだ。ドット欠けが一個も無かったところも満足した。


RATOC Systems製REX-R231Aの商品構成

 さて、購入したFIVAに各種ソフトをインストールする段になって、若干てこずった。というのは、筆者が持っているPCMCIA SCSIカードが、どれも古い製品ばかりなので、Windows 98上で正常に動作してくれないのだ。Network経由でソフトをインストールするということも考えたのだが、この際良い機会なので、PCMCIA SCSIカードを新規購入した。

 購入したカードは、RATOC Systems製Urtra SCSI(FAST-20)PC Card、REX-R231Aである。パソコン安売り店で6,000円程度であった。その昔Windows 3.1の時代に購入したものが3万円以上したことを考えると、隔世の感がある。購入したカードは難無く認識され、外付けタイプの SCSI CD-ROM、MOを接続してインストールは無事終了した。なお、FIVAの内蔵HDDは3.2GBもあるので、大規模なアプリケーションソフトを入れても余裕がある。

 まだ使い込んでいないため、製品についてはこれ以上なんとも言えないが最近のメーカー製パソコンにしては珍しく、プリ・インストールソフトが非常に少ない点も気に入った。ケースを購入する予定であったが、もう傷が付いてしまったので、構わずガシガシ使うことにしよう。

【2014年の追記】
こういったPC関係の記事を読み返してみると、時代の流れというものを強く感じる。上記に掲載したFIVAであるが、東芝のリブレットの対抗機種として発売されたものだ。当時そこそこ話題には上ったものの、結局はカルトマシンの座に落ち着くことになってしまった。ここに掲載したモデルは初代機で、MPC-101M32という型番のもの。CPUはMedia GXm 200MHzが搭載されているのだが、今時このMedia GXなるものを知っているヒトすら居ないであろう。現代だったら3万円弱のタブレットで実現できてしまう機能が、当時17万円近くもしたということが、この業界の凄まじさを現している。





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