コダック・シグネット35の外観
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■コラム・シグネット35とロシア製カメラFED2のおはなし (1999/06/08)
●1999年06月08日(火曜日) コダック・シグネット35は、イーストマン・コダック社が1951年に発売した、レンズシャッター式のカメラである。ものの本によれば、1958年頃まで製造されていたそうだ。普通、カメラは正面から見ると長方形のプロポーションが多いが、シグネット35は正方形に近い独特の形状となっている。シャッターはレンズシャッター方式であり、シャッターチャージレバーを押してからレリーズレバーを押すという手順をとる。因みに、レリーズレバーは、上記写真のレンズ左側にある大きなレバーである。その昔、筆者が小学生の頃、リコーフレックスという6×6版のでっかいカメラを使用していた時期があったが、このカメラのシャッターもシグネットと同様のメカニズムであった。何か昔を思い出して懐かしい。 このカメラのレンズにはコダック社のエクター 44mm(F3.5)が付いている。レンズの交換はできない。レンズの回りには、絞り設定ノブ、シャッタースピード設定ノブが付いており、これらはすべてノッチによって固定されるようになっている。このあたりがとてもレトロだ。ピントは連動距離計による二重像合致方式。シャッタースピードはB、1/25〜1/300が設定可能である。重量は500gほどあり、持った感じは結構重たい。 シグネット35には、セルフコッキングでは無いとか、シャッタースピードの上限が1/300で現在の高感度フィルムを使用するには無理があるとか、レンズシャッターであるためメカニズム的に複雑であるといった欠点があるが、そのレトロな外観はこれらを補って余りある。
さて、カルトなカメラを紹介するついでに、ロシア製カメラ「FED2」を掲載しておく。つい最近、イギリスのショップからロシア製のカメラ、「FED2」が送られてきた。
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コダック・シグネット35の上部
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コダック・シグネット35の正面
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FED2の外観
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FED2 は、1955−1970の15年間に渡り、ロシア(ソ連)のFED社において製造されたカメラである。この前紹介したザリヤが、距離計も搭載していないベーシックな製品であったのに対して、このFED2は連動距離計を内蔵した、ライカコピーのカメラだ。
FED2は、製造期間が比較的長かったということもあり、多くの品種が存在している。製造年月日と製品のタイプは、下記の通り。
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型 式 | 製造期間 |
FED-2 Type-a | 1955 − 1956 |
FED-2 Type-b | 1956 − 1958 |
FED-2 Type-c | 1958 − 1960 |
FED-2 L | 1963 − 1969 |
FED-2 Type-e | 1969 − 1970 |
FED2の軍艦部
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今回購入した FED-2は、おそらくType-dだと思われる。しかしTypeを識別する特徴が少ないため、はっきりしたことはわからない。シャッターはB、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500 の6段階が設定できる。ザリヤと同様、順算式の36枚カウンタが搭載されている。シリアル番号は2388274。レンズは同じくFED社製の52mm F2.8が付いており、こちらのシリアル番号は1639134であった。
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FED2の正面
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FED-2はザリヤと異なり、連動距離計が内蔵されている。そのため、撮影時には目測ではなく、ちゃんとファインダーでピントを合わせることができる。製品的には、ザリヤの高機能版と言えないこともない。例えて言えばザリヤがFIAT 500のF-Typeで、FED-2がL-Type ということにでもなろうか。F-Type には燃料メーターが付いおらず警告灯だけなので、残量は見当になってしまうが、L-Type にはきちんとしたメーターが付いてくるので、正確な残量が把握できるようなものだな。
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FED2の元箱
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この FED-2であるが、残念ながらザリヤを購入した時とは異なり、保証書や取り扱い説明書の類は付いて来なかった。しかし、非常にしっかりとした元箱と、ロシアカメラに良くある、やぼったい明るい茶色のケースが添付してきた。この元箱、表面にいかにも「ソビエト共産党!」って感じのイラストが書いてあり、雰囲気がある。カメラの箱にこーゆーデザインを施すという感覚は、少なくとも日本には無い。
【2014年の追記】
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コダック・シグネット35での撮影例
実家で飼っていた白猫「雪丸」を撮影した時の一枚。ベランダで香箱を作って休んでいる雪丸君が、珍しくカメラ目線でモデルになってくれた。この写真は、その後雪丸の遺影になった。。。 合掌! (-人-) →拡大(ポジフィルム300dpiスキャン画像) |
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