ザリヤのパッケージ構成

■コラム・ロシア製カメラのおはなし (ザリヤ) (1999/05/16)

●1999年05月16日(日曜日)
 性懲りも無く、またロシア製カメラのお話しである。前にロシア製カメラ「ザリヤ」のことを書いたが、今回はこのザリヤが入ってきた元箱を紹介する。一般的に言って、ロシアカメラ界で元箱が保存されているということは滅多に無い。特にそれが40年以上前のモノであればなおさらだ。ところが、今回購入したロシア製カメラ「ザリヤ」は、なんと元箱、説明書付きという極めてレアな製品であった。上に掲載した写真は、ザリヤについてきた物品の一覧である。カメラ本体のほかに、カメラケース、取り扱い説明書、保証書、パッケージ内容一覧表がセットになっていた。

 元箱は頑丈な段ボール製で、上面には何ともレトロなザリヤ本体のイラストが、共産圏っぽい雰囲気で描かれている。カメラケースは野暮ったいあずき色で、皮の匂いが実に変である。思わず「ウッ!」っとくるような匂いなのだ!


ザリヤの保証書

 パッケージの中には、保証書と思われる紙切れが入っていた。シリアル番号とスペックおよび生産された年が万年筆による手書きで書かれている。このザリヤが生産されたのは1960年ということになる。実に今から39年前(1999年の時点)の製品というわけだ。


スペック概要を記した紙片

 スペック概要を示したと思しき紙片も入っていた。シャッター速度の設定、焦点距離、f値等が記載されている。また、検査者のサイン、カメラの生産年等が手書きで記入されている。


ザリヤの取り扱い説明書表紙

 ザリヤの取り扱い説明書は、いかにも共産圏製品といった感じである。印刷や紙質は非常に悪いが、取り扱い説明書としては割と良く書かれており、フィルムの装填方法から撮影方法まで、全40ページに渡って仔細に解説されている。


ザリヤの取り扱い説明書内部

 取扱説明書は、手書きのイラストをふんだんに使って書かれている。実に味わい深い取説で、今時このような暖かみのあるマニュアルは無い。ロシアの一般大衆向けカメラで、説明書の類がここまで揃っているのも珍しい。おそらくどこかの倉庫にデッドストックされていたものなのであろう。

【2014年の追記】
ザリアについては、かなりハマり込んだ。連動距離計も搭載されて無いので銀塩カメラとしては軽量であるし、取扱いも簡単だ。しっかり根性を入れて撮れば、それなりの写真に仕上がる。ここで取り上げた元箱付きのザリヤは、どちらかと言うと本体よりも付属の説明書類、元箱そのものの方が貴重である。庶民のカメラとして販売されたカメラなので、当時ですら元箱付きのものは極めて珍しかった。今では入手は困難を極めるであろう。




<< Menu Page



Copyright (C) Studio Pooh & Catty
1996-2014