波多 利朗の Funky Goods連載再開の第3回目。SHARP製謎パー機のPC-3000について紹介した。Atari Portfolioの後継機種とされるこのマシンは、国内では販売されておらず、謎パーブームが起こるまではほとんど知られていなかった。執筆当時でも海外のショップでは新品の流通在庫が販売されており、筆者もカナダの通販ショップから取り寄せたのだが、決済手段はカナダドル建ての銀行振込しか受け付けてもらえず非常に面倒だった記憶がある。
さすがにSHARP製だけのことはあり、キーボードを始めマシンの造りは他の謎パーよりもかなり上質であった。液晶のSHARPと言われていただけのことはあり、液晶画面の視認性も優れており、白黒反転モードも備えていたのでCGA対応の各種のゲームも快適にプレイすることができた。特筆すべきは、ストレージとしてフラッシュメモリカードが使えることで、各種ゲームだけではなく、Power Cなどの軽量な開発環境をインストールすることさえ可能だった。
本稿では、日本語環境の構築として、アシスト社が販売する「アシストワード」に添付されていた日本語FEPである「EGBridge」の組み込みについても解説している。当時、多くの謎パーでは利用できるFEPが極めて限られており、やや特殊な入力インターフェースを採用した「鳳」のような癖のあるFEPを利用するしかなかった。これは商用FEPの起動キーである変換キーが、海外での利用を前提とした謎パーには備わっておらず、FEPを起動することができなかったからである。この問題を解決したのが、Madame Fatale氏の常駐ソフト「REMAPEGB.COM」である。これにより日本語の入力環境が劇的に改善されたのであった。
(補記)
本号の特集は「ぜ~んぶ「謎パ~」「PDA」」で、本稿も特集記事の一つとして掲載されたものである。そのため「波多利朗のFunky Goods 課外講義・第一時限」と題されている。なお本稿で取り上げられた日本語FEPの「EGBridge」をPoqet PCで利用する方法についても別稿として掲載された。