■Texas Instruments TI−2500 II TI社の非常に有名なポータブル電卓であるTI−2500シリーズの最初 のモデルは、1972年に$149.95で発売された。その後、このTI− 2500シリーズは、1974年までの間に、合計6つのバージョンが発売さ れた。その詳細は以下の通り。 ・TI−2500 Ver.1(初代機) ・TI−2500 Ver.2 ・TI−2500 Ver.3 ・TI−2500B ・TI−2510 ・TI−2500 II これらのうち、TI−2500 Ver.3とTI−2510は滅多にお目に かかれない激レアモデルとして有名である。今回紹介するモデルは、2500 シリーズの中でも最も後期の製品に属する、TI−2500 II (Datamath II)である。
写真4:TI-2500 II 本体側面 |
写真5:TI-2500 II 本体背面 |
写真6:TI-2500 II 本体裏面 |
このシリーズの魅力は、スペースエイジの雰囲気万点の、コロコロしたまる っこいデザインにある。まさに「2001年宇宙の旅」に出てきてもおかしく ない逸品だ。筐体は表示部分が厚くボリューム感がある。LED表示の視野角 は、かなり狭い。本体の周囲に黒い帯を回したデザインが面白い。これは別項 で紹介したTI−3000でも採用されている。この電卓は配色もなかなかの もので、イコールキーのオレンジ色がワンポイントを添えている。本体裏側に 貼付された銘版には、簡単な計算方法の紹介が記載される。本機のシリアル番 号は2500II−167327である。外寸は14×7×4.3cm。 TI−2500の初代機は、電源にニッカド充電池を実に6本も使用した。 その後改良が進んだおかげで、後期のTI−2500IIでは単三乾電池4本 で駆動できる「普通」の電卓に進化している。ACアダプタも使用可能で、本 体背面中央に専用のアダプタコネクタが配置されている。電源スイッチは本体 左側側面にあるスライドスイッチで行う。 キーボードはクリック感が明確な押しやすいタイプ。初期製品には無かった 「%」キーが搭載される。表示は7セグタイプの赤色LEDを使用した8桁表 示。LEDの表示は線が非常に細く、それがこの電卓に独特の高級感を与えて いる。
内部構造は非常に単純である。メインとなるチップは、TI社製TMS08 03NCで、当然ワンチップ構成。1974年24週製造のLSIが搭載され ていた。その他にはTTL−IC(N7518 SN27882)が1個使用 されている。 パワー関係のレギュレータと思われるPE−50312(赤い箱状の部品) には、「ASSEMBLED IN MEXICO」の表示があった。また、 キーボード裏側の部分には、下記の表記が見受けられた。 IKS202 45559−1 REV.A PAT. NO. 3725907 また、ケース内側には、下記の表記がエンボスで記載されている。 30341 20−B