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タイヤを新調する


写真1.DUNROP SP10 135SR12 タイヤ

 筆者がチンクェチェントを購入してから、4年の歳月が経過した。近所の
買い物程度しか使用しない使い方をしてきたのだが、さすがにタイヤが経年
劣化を始め、ヒビが出てくるようになってきた。筆者のチンクェチェントに
は、オリジナルに忠実に、日本では入手しずらい125SR12を履いてい
た。オリジナルタイヤはミシュラン製XZXで、FIAT500専門店であ
れば1本1万円程度で入手することは可能である。しかし、さすがに4本交
換してタイヤ代だけで4万円を超えるのは経済的に非常に痛いため、国産の
タイヤを使用することにした。                    

 さて、国産メーカーでは125SR12というタイヤは作っていない。 
そこで代替品として軽自動車に最も良く使われている135SR12を履く
ことにした。これであれば1本4千円程度。激安店ならば3千円台も夢では
ない。後はタイヤ専門ショップに交換をお任せすれば良いので楽チンだなと
タカをくくっていたのだが、これが大きな間違いであった。。。。    

 最初訪問したのは、某大手タイヤ専門チェーン店。135SR12の在庫
も予め確認しておき、お値段も1本3,500円と安かったのでお願いしよ
うと訪問した。車を預けて店内で待っていると、ナント!交換することがで
きないとのこと。聞くところによれば、タイヤをホイールから脱着する装置
が、このサイズのタイヤに対応していないのだそうだ。確かに135といえ
ば、今の車の平均的なタイヤサイズからすると極めて「細い」部類には属す
るが、とはいっても軽自動車等ではまだまだ用いられているハズ。それなの
に、専門店で脱着できないとは、これいかに。。。かなり疑問が残ったもの
の、しょうがないので他店を当たることにする。            

 比較的大きなガソリンスタンドならば交換できるだろうと考え、5店舗ほ
どハシゴしてみたのだが、在庫切れで交換できず。こうなると、こっちも意
地が出てしまい、何が何でも交換してくれるショップを探し出そうとやっき
になって来る。そうこうしているうちに、たまたま見つけたのが、DUNR
OPのタイヤセンター。ここは業販がメインのところのようだが、ダメモト
で入ってみると、交換してくれるとのこと。助かった!!!!      

 今回新調したタイヤはDUNROP製SP10 135SR12で、単価
@4,000円。これに交換工賃300円が付加され、1本当たり4,30
0円である。4本交換して17,200円となって、お値段もまあリーズナ
ブルであった。                           

 タイヤ交換時にFIAT500の足回りの写真を記念に撮影しておいたの
で、下記に掲載しておく。年相応の車だけあり、足回りもかなりおくたびれ
のようだ。                             
写真2.左側後輪部分。ブレーキドラムの後方には、ハンドブレーキ用の操作レバーとリターンスプリングが見える。

写真3.左側後輪部分の駆動系。オイルブーツからドライブシャフトが出ており、フレキシブル・ジョイントに接続している様子が良くわかる。

写真4.右側後輪部分。ブレーキドラムにホイールを装着する際には、ピンを合わせて挿入する必要がある。ドラム下方にちょこっと見えているのが、そのピン。

写真5.右側後輪部分の駆動系。ドライブシャフトとフレキシブルジョイントが見える。マフラーはサビでまっ赤。替えにゃならんな。。。。。

写真6.左側前輪部分。タイロッドの先にステアリング用のボールジョイントが見える。「ハ」の字型のフレームはウイッシュボーン・アーム。ウィッシュボーン・アームが支えている部分がキングピン・ハウジングである。

写真7.右側前輪部分。左側と同様、タイロッドの先にステアリング用のボールジョイントが見える。「ハ」の字型のフレームはウイッシュボーン・アーム。ウィッシュボーン・アームが支えている部分がキングピン・ハウジング。ウィッシュボーン・アームの中をダンパーが通っている。

写真8.フロントサスペンション部分。ボールジョイントとタイロッドの下にはリーフ型をしたスプリングが横に入る。右上にはブレーキのマスターシリンダーが見える。

 タイヤ交換作業を見学したが、スチールホイールからタイヤを外したとこ
ろ、サビがボロボロと出てきた。ホイール外周部にサビが固着しているので
ある。過酷な条件下で使用されてきた古い車なので、ある程度覚悟はしてい
たが、まさかこれほどとは思わなかった。というわけで、ホイールをハンマ
ーで叩き、金属ブラシでサビを擦り落としてもらった。今回お世話になった
ショップは非常に親切なところだったので、この作業はサービスで行ってく
れ、大変助かった。                         

 さて、FIAT500のタイヤは、現代のタイヤと異なりチューブレスタ
イヤでは無くチューブタイヤである。4本のうち1本は、チューブが劣化し
ており、交換しなくてはならなかったのだが、ここでまた問題が発生。  
135用のタイヤチューブは既に製造を終了しており、在庫も無いそうなの
だ。仕方ないので、145用のチューブを流用することになった。車重が重
くパワーの有る車であれば、大きめの太さのチューブを使用するのは余り良
いことでは無いが、FIAT500のように軽くてスピードも出ない車では
ほとんど影響は無いそうで、良く使う手だとのこと。使用したチューブの品
番は下記の通り。値段は1本1,500円、工賃は200円であった。  

 145R*155R*5.00*6.00-12 TR13                    
写真9.タイヤを履き替えたチンクェチェント

 というわけで、たかだかタイヤ交換だけでも大騒ぎの1日となってしまっ
た。規格が極限までに統一化され、ほぼどの車でも使う部品は同じになって
しまった現代、チンクェチェントのような古い車をメンテするのは、タイヤ
交換一つを取ってみても、結構骨が折れるものである。しかし、その代わり
ショップの人と色々とお話しができ、タイヤについての知識も以前よりはず
いぶんと多く勉強になった。これが良いところなのであろう。      

 なお、オリジナルの125からちょっと太い135に履き替えた場合、ハ
ンドルを目いっぱい切ると、タイヤがホイールハウス内側に擦れるというこ
とを聞いていたのだが、筆者の車に関しては、そのようなことは無かった。
筆者のチンクェチェントはLタイプと比較的後期型であるため、ひょっとし
たら135タイヤ対応になっているのかもしれないが、この辺については、
詳細は不明である。                         
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