■ FIAT 500L Overhaul #6■

ミッション・オーバーホール完了!


写真0.オーバーホールが終了したミッション
完璧なまでに整備されたミッションギア部分。既にミッションオイルも注入されており、これで完成の状態だ。しかし、ミッションオイル、良い色してるな。。。まるでフルボディの赤ワインみたいだ!旨そう!!しかし、ミッションオイルは臭いでつ・・・


 2005年3月5日(土曜日)、オンタリオさんより早くも「ミッションが組み上がった」との連絡を受け、さっそく取材に赴く。ブレーキ配管と室内ゴムマットも終了したそうだ。ボディ本体に組んでしまうとミッションの内部撮影が出来なくなってしまうので、さっそく駆けつけた次第である。それにしても、組み上がったミッションを見てビックリ!まるで新品でつ!! ヽ(´ー`)ノ いやぁ〜〜〜こんなに美しくなるモンなんスねぇ。。。。感動もんでつ!!!

 ミッションはバラした結果、年相応のギアの減りは確認されたものの、致命的な欠損は無くおおむね良好とのことだった。特にドライブシャフトは、オンタリオのY口J郎さん曰く「こんだけの年数交換しないで、ここまで減っていない個体は珍しい」とのことで、部品交換の必要も無かったほどだ。今回、同氏よりミッション動作の詳細をご説明して頂いたが、筆者のような素人には複雑すぎて、なかなか理解しずらいものがあった。 (;´Д`)


写真1.洗浄後のフライホイールハウジング
分解し洗浄されたフライホイールハウジング。下面側にフライホイールが収まる。手前のくぼみには、ディファレンシャルが格納される。写真左上には、スターターモーターを取り付ける部分が見える。

写真2.フライホイールハウジング内部の刻印
ディファレンシャルが格納される部分に、刻印があった。「FIAT 110F 100」 「4107990」と読める。シリアル番号であろう。


写真3.洗浄が終わったエンドカバーとトランスミッションケース本体
ケース本体の2つの穴は、インプットシャフトとアウトプットシャフトが収まるところ。

写真4.トランスミッションケース本体
トランスミッションケース本体を別の角度から見る。四角い部分はギアボックス。トップこの中にギアがゴチャゴチャと格納され、トップカバーで塞がれる。

写真5.洗浄を待つ部品
トランスミッションマウント、ドライブシャフト・ジョイント・スリーブ、オイルブーツ・リテーナー、トップカバー等の部品が洗浄されるのを待っている。

写真6.オーバーホール完了!!!
オーバーホールが完了し、組上がったトランスミッションユニット全景。左側がフライホイール、右側がシフトリンケージサイドになる。トップカバーは撮影のため外されている。既にドライブシャフトも組み込まれ、後は本体に取り付けられるのを待つばかりの状態。う〜〜ん、美しい・・・ ヽ(´ー`)ノ

写真7.精緻を極めたギアボックスの内部
もうここまで来ると、シロートの筆者にゃ何がなんだかさっぱり判りませんですたい。。。(;´Д`) 一番手前に見えているアームが、おそらくリバースギア用シフトフォークだと思う。その上、ちょっと奥に見えるのが、多分一速ギア用のシフトフォークだな。。。ミッションオイルの容量は約1リットル。粘度はかなり高く、間違えてエンジンオイルとして使用しないよう、クサイ臭いが付いている。1リットルでは、ボックスの1/3くらいしか満たしていないが、実際走り出すと、各ギアによる撹拌で全体にまんべんなく回るのだそうだ。それにしても、ミッションオイルの色は赤ワインそっくり。。。 ヽ(´ー`)ノ アウトプットシャフトを手で回すと、内部のギアも回転する。これがまた見ていて飽きず、いつまでも回し続けてしまった。。。。

写真8.交換したギア、シャフト類
今回のオーバーホールでは、ロー、リバースギアとカウンターギアシャフトを交換した。この写真は、それまで使用してきたものだ。致命的では無いにしろ、結構摩耗はしているとのことだった。因みに、写真上がカウンターギアシャフト、左下がローギア、右下がリバースギアとなっている。

写真9.長年連れ添ってきたローギアのアップ
運転中、ギャギャギャと鳴らしてばかりいたローギアがコレ。シンクロが無いからしょうがないよな。ミッション内部では、アイドリング時は2速以上のギアは常に回転しているが、ローギアのみは完全に停止しているのだそうだ。素人の目には良くわからないが、摩耗は確かにしているようだ。

写真10.リバースギアのアップ
チンクェチェントの場合、リバースギアはローギアを介して駆動される。リバースも当然、シンクロなんてモンは無い!!!ヽ(`Д´) ノ

写真11.交換したカウンターギアシャフト
カウンターギヤシャフトも新品に交換した。

写真12.フライホイールハウジング内部の様子
クラッチにつながる部分。クラッチレリーズ機構とアウトプットシャフトが見える。

写真13.ドライブシャフトのスプラインのアップ
今回交換予定であったが、余りにも程度が良く新品と言っても差し支えなかったため、そのまま使用することにした、ドライブシャフトのスプライン。確かにきっちりと山が残っている。新品では、山の上に平らな部分が残っているが、これが荒い運転で酷使すると摩耗し、山が尖ってくるのだそうだ。本人、そんなに意識して乗っていたのでは無いのだが、結果的に労って運転してきたということだろう。

写真14.ドライブシャフト部分のパーツ類
ドライブシャフト・ジョイント・スリーブ、オイルブーツ・リテーナー、オイルブーツ、ベアリング・ハウジング等の部品が組み合わされている。

写真15.エンドカバー周囲のアップ #1
ダンパーとなるゴムを介して、トランスミッションマウントが取り付けられている。左隅に見える突起は、スピードメータ用のもの。ここにスピードメータケーブルを接続する。

写真16.エンドカバー周囲のアップ #2
スピードメータケーブル接続コネクタの上に、シフトリンケージ接続部分が見える。

写真17.オイルブーツ部分のアップ
上部に見える丸い突起は、ディファレンシャル内部の圧力を逃がすためのブリーザ機能を有する。


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取材協力
オンタリオさん


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