■ アイドル回転数の調整 ■ コンピュータ制御されたフュエルインジェクションの車では、外気温や湿度を 検出し、自動的に最適なアイドル回転数になるように設計されているが、その ような高度なメカを持たないチンクでは、アイドル回転数を調節する必要があ る。もっともこの調整は四六時中行わなくてはならないと言うことでは無く、 調子が悪くなった時、エンジンが不快だと感じた時に行えば良い。 筆者の場合は、暖気運転が終了してチョークを戻すと、アイドル回転数が非常 に低くなってしまい、エンジンがストールしがちになるという現象が起こって きた。そのため常にチョークを若干量引いて運転していたのであるが、あまり 良い状況では無いため、アイドル調整を行ったという次第。
●ガスアジャストスクリューの調整 アイドル回転数の調整方法は何通りかあると思うが、ここでは比較的簡単な 方法を紹介しておく。チンクのキャブレターには、「ガスアジャストスクリ ュー(ミクスチャースクリュー)」と「アイドリングアジャストスクリュー (スロットストップスクリュー)」の2個が付いている。写真1の枠で囲ん だネジが、ガスアジャストスクリュー(ミクスチャースクリュー)である。 また、写真2の枠で囲んだネジが、アイドリングアジャストスクリュー(ス ロットストップスクリュー)である。調整は、まずガスアジャストスクリュ ーから行う。 暖機運転が終わったエンジンをアイドリング状態にして、写真1のガスアジ ャストスクリューを左右に少しずつ回転させる。スクリューの回転に応じて エンジンの回転数が変化するハズだ。回転させていくとエンジンの回転数が 上がったり下がったりする。この上がった状態から下がった状態へ遷移する ところが、調整ポイントのようである。要は、一番回転が安定し良好となる ところに設定すれば良い。 なお、アイドリング中にチョークを戻すとストールしてしまう筆者のような 場合には、チョークを引いて回転が安定している状態で調整を行えば良い。 調整が終了したら、チョークを戻して、さらに回転が安定するよう、ガスア ジャストスクリューを調整する。
●アイドリングアジャストスクリューの調整 ガスアジャストスクリューの調整が済んだ後で、アイドリングアジャストス クリューの調整に移る。アイドリングアジャストスクリューの調整では、チ ョークが戻っていることを確認する。写真2の枠内のネジを回しながら、メ ーターに付いているイグニッション警告灯(G表示)ランプが点灯するか消 えるかぐらいに調整する。この調整点が得られなくても、適切と思われる回 転数に落ち着いているようであれば、それでも良い。このネジは、締めると アイドル回転数がアップし、緩めると回転数はダウンする。これで調整は完 了である。
なお、ヘインズの整備マニュアルには、アイドリング回転数の調整方法とし て、下記の手順が記載されている。 (1) キャブレターを分解した時は、アイドリングの調整が必要となる。また 車をある期間使用していると、その必要が出てくることもあるため、1 万km走行ごとの点検整備の一つとなっている。 (2) アイドリング調整の前に、エンジンを暖気運転させる。 (3) そしてエンジンがゆっくりアイドリングするように、スロットストップ スクリューを回して調整する。基準としては、イグニッション警告灯が ちょうど点灯するぐらいのところに合わせる。 (4) 次にアイドリングが最も早くスムーズに回るように、ミクスチャースク リューを調整する。この後に、スロットストップスクリューを少し調整 して、アイドリング回転を下げる必要があるかもしれない。
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