SOLO小型加算機。
側面の表示は、加算の場合は下へ、減算の場合は上へダイアルを回せという意味。

■SOLO小型加算機 (2014/08/03)

 コンピュータ前史に目覚めてしまった筆者は、歴史の証人、語り部となるべく、さらなるレア・アイテムを求めてネットの世界をさ迷っていた。ここに取り上げた物も、そんな過去の遺産である。

 SOLO小型加算機。正式名称は不明であるが、東京理科大学の「手動・電気計算機データベース」では、小型加算機としてこのSOLO小型加算機が掲載されている。しかし、写真のみで詳細な情報は無い。

 この小型加算機は相当マイナーな製品のようで、検索をしてもほとんどヒットしない。というか全くヒットしない。SOLOというのが会社名なのか製品名なのかも不明である。本体には銘板というものが無く、わずかに「MADE IN JAPAN」の刻印が認められるのみ。謎だ。

 この手の加算機としては、本サイト「我楽多」のコーナーで「キャンバー 数字そろばん」を取り上げている。キャンバー数字そろばんでは、専用のペンでベルトを移動させることで、足し算・引き算を行った。この際、桁上がりや桁下がりが発生した場合には、手動で隣りの桁を操作する必要があった。このSOLO小型加算機は、桁処理も含め自動で行うところが特徴である。

 基本的な操作は、キャンバー数字そろばんと同じだ。7列ある回転ダイアルの左右に白と赤で数字が書かれており、加算の場合は白数字を、減算の場合は赤数字を選択し、回転させる。加算はダイアルを下方向へ、減算は逆に上方向へ回転させれば、中央の表示部分に結果が出力される。

 本体右側には「ご破算に願いましては」の機能を持つレバーがあり、ゼロリセットを一発で行う。電源不要。小型でコンパクト。日本製。でも、ソロバンが得意な方には、あまり必要無いかもしれない。

 この小型加算機は、ebayで$10で落札した。出品者はネバダ州ラスベガス在住の方。日本で製造された加算機が、海を渡った米国で使用され、また日本へと戻ってきたということになる。

 感慨無量なのである。



SOLO小型加算機。
側面のレバーはゼロリセット用。

SOLO小型加算機。
7桁なので、9,999,999までの範囲でしか計算できない。

SOLO小型加算機の表示部分のアップ。

本体裏面には「MADE IN JAPAN」の刻印があるが、その他の情報は一切書かれていない。



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