「医者が教える人が死ぬときに後悔する34のリスト」 表紙
2013年06月27日株式会社アスコム刊。1,100円(税別)。

■Ending Note (2014/06/05)

 自身の癌の具合が悪いということがアタマから離れないせいか、ともすればこういう類の本に手が伸びてしまう。「医者が教える人が死ぬときに後悔する34のリスト」。帯には「たちまち10万部突破」と、デカデカと書かれている。気になってしまったので、一気に読んでみた。

 予想に反して、良いことが書かれていた。筆者の考え方とほとんど同じ内容だったので、自分の考えに自信が持てた。深刻な病気になった時、あまり悩んでしまっても、病状は悪化するだけである。病は気からって言うしね。こういう時は、次に到来するイベントに、冷静に準備しておくことが重要だ。それがEnding Noteである。

 日本人には奇妙な習性があり、死について語ることをタブーとする見方が強い。こりゃ、おかしいじゃないかい?誰でも一度は経験しなくてはならないものだから、予め自分の死に方についての準備をしておくことは、大切だと思うんだけどなぁ。かく言う筆者も、今までそのあたりについては全く考えていなかった。

 遺言状は書いている。しかし、遺言は死んだ後のことなので、これだけでは不十分だ。生きている時に意思表示ができなくなってしまったら、どうやって無意味ともいえる延命治療を阻止することができるのか?考えてみると、とってもコワイ話しだ。

 医者が意識の無い患者に対して、勝手に人工呼吸器の管を突っ込み、胃瘻を開け、チューブだらけの状態にする。周囲の人も、最善を尽くしたいからとの理由で、それに同意する。しかし、やられている本人がそれを阻止してくれと切に願っても、何一つ意思表示することができない。おまけに体に突っ込まれたチューブ類が痛くても、周囲の人間にそれを伝えることすらできない。そのような状態がずっと続くとなると、恐くて夜も眠れなくなる。これじゃホラー映画だよ・・・

 従って、生前にEnding Noteをしたためておき、来たるべき手術の前には医師にちゃんと渡しておく。家族にも内容を説明して渡しておく。筆者は「日本尊厳死協会」に入っているので、そのプレートを肌身離さず付けておく。

 こうでもしないと、安心して死ぬこともできやしねぇや・・・

 本書には、巻末に「医療処置についての意思確認表」が付いている。これはEnding Noteを作成する際、とても役に立つ。

 最後に、本書から若干引用をしておきたい。

 人間は、いずれは必ず死んでいきます。これを意識することは、QODやQOLを考える際にとても重要になってきます。自分の理想の死(=QOD)について考え、準備をすることで、人生における生活の質や心の充実度(=QOL)が高まり、人生はより豊かになると考えるからです。

 死はすべての人に平等にやってきます。しかし、QODについて普段から考えることで、それは別段怖いものでも逃げたいものでもなくなります。



・・・とまあ、難しいコトを考えていたら、アタマが鬱になってきたので、気晴らしにマカロニほうれん荘でも一気読みすることにした。




「医者が教える人が死ぬときに後悔する34のリスト」 裏表紙

本書巻末に付いてくる「医療処置についての意思確認表」の一部。

気晴らしのため、久しぶりに「マカロニほうれん荘」を一気読みすることにした。


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