JR吉祥寺駅北口から見たキラリナ京王吉祥寺。

■キラリナ京王吉祥寺・・・ (2014/05/10)

 2014年04月23日水曜日、筆者宅に近い吉祥寺駅に、「キラリナ京王吉祥寺」という複合商業施設がオーポン!した。ここは、かつて「ターミナルエコー」というビルがあった場所だ。この「ターミナルエコー」なる商業施設の来歴だが、これまたタイヘン奇妙だったのである。以下、同施設のWEB上の記載を転載する。

 商業施設「ターミナルエコー」はJR中央線複々線高架化工事が完了した1969年(昭和44年)4月8日の翌年、1970年(昭和45年)11月に開業した。当初は専門店街の各店舗がテナントとして入居し営業するという形態であったが、テナント料の値上げなどの理由により開業の数年後には退去し、ほぼもぬけの殻状態であった。その後も不安定な状態が続き、80年代後半から10年ほど閉鎖された。その後1996年にユザワヤが入居し、現在に至る。2010年度には南口の再開発と併せて建て替え、整備される予定である。また、1992年に発売された吉祥寺を舞台とするビデオゲーム「真・女神転生」において、ダンジョン「エコービル」として登場した。

 そう、上述したように、このビルは1987年頃〜1996年の期間、10年近くに渡って「もぬけの殻」状態、いや閉鎖状態が続いていたのだ。吉祥寺駅に直結しており、立地的には一等地であったのにも関わらず、なぜ閉鎖期間がこれほど長かったのか。謎である。一説によれば、当初の設計は動線が全く成っておらず、京王やJRの改札との接続がうまくなかったからだと言われている。また、テナント料金が高すぎたというのも一因だ。ビルを売ろうにも、バブルの地価高騰で買い手が付かず、その後のバブル崩壊による価格の暴落で、今度は売却すると損が出る、といった具合に、どうにも間尺に合わない物件となり、結局放置されるがままになってしまった。。。

 そういった一連のゴタゴタが漸く収束し、今般やっとビル全体の解体、再開発が完了、複合商業施設としてオープンしたのである。やっとのことで生まれかわった駅ビルに対し、地元はもとより近隣住民も大きな期待を抱いていた。筆者もその一人。さっそく見学に訪れたのだが。。。。

 結論から言おう。相変わらず動線が悪い。第一、ビルの入り口が明確でないのだ。どこから入れば良いのか迷う複合商業施設というのも、珍しい。入ってからもタイヘンだ。エスカレーターでのビル内の移動がワヤクチャなのだ。JRや京王線との接続階では、エスカレーターの接続が分断されている。その結果、エスカレーターを降りた場所で、案内係のヒトが「下りのエスカレーターはこちら」というカードを持って誘導しているという、これまた何ともお間抜けな事態に陥ってしまっている。

 テナントの配置も悪い。もともとこのビルが建っている土地は、それほど広くは無い。そこへ持ってきて、各階にテナントが入りすぎているのである。細かい店がひしめいている。それはそれで面白いかもしれないのだが、どの店もコレといった特徴が無い・・・

 筆者的には、こうした施設では本屋の存在というものを重視する。以前、再開発前にユザワヤが入っていた時には、地下1階に「啓文堂書店」が入居していた。この書店、かなりのフロア面積があり、専門書も充実し、なによりも駅から0分だったので、非常に重宝していたのである。ところが、今回の再開発で、啓文堂書店は7階に押しあげられ、アクセスが悪くなる。その上、フロア1つを丸々使っていないので、以前と比較すると恐ろしく狭くなった。当然、品揃えも悪い。極め付きは本棚の配置で、柱と壁の隙間のようなところに書籍を陳列するといった具合で、調子が極めて悪い。

 辛口になったが、正直期待外れであった。井の頭線の渋谷駅には、マークシティーのような立派な施設があるので、それに見合ったものを期待していたのが間違っていたようだ。今の所、一度行けば充分である。


京王帝都井の頭線吉祥寺駅改札から見た、キラリナ京王吉祥寺への接続通路。

4Fにある「キラリナ広場」の吹きぬけ。

4Fにある「キラリナ広場」から見た吉祥寺駅。





キラリナ広場からの眺望(吉祥寺北口方面) 【Nikon COOLPIX P330】(動画)
見物に訪れていた人からは、「吉祥寺駅ホーム屋根が汚いねぇ・・・」といった声が聞こえてきた。全くその通りである。




<< Menu Page



Copyright (C) Studio Pooh & Catty
1996-2014