今日は、検査入院の第2のイベントである胃カメラの日だ。

■闘病日記 其の九 【胃カメラと効かない眠剤】 (2013/11/14)

 今日も楽しい検査の始まりである。入院6日目。検査生活にもすっかり慣れ、要領良く対応できるようになってしまった自分が恐ろしい。人間は、一週間もあれば、どんな環境にも順応してしまうものなのである。  今日は胃カメラ。生まれつき胃腸が弱かった私は、既に3回飲んだ経験があるので、今回の検査に対しては、あまり不安は無かった。ただ、前回飲んだのは、もう15年以上前なので、昔取った杵柄とは言い難い。

 その昔、胃カメラ検査は苦しかった。先ず、飲み込むファイバーが太い。さらに、検査前に眠剤等を処方してくれるような医療機関が少なかった。私も、昔し飲んだ際は、眠剤無しで無理矢理押しこまれた記憶がある。しかも検査技師が下手くそだったので、ノドから血が出てしまった。そんなことが起こっても、検査技師は「あ〜あ、随分頑張っちゃったね〜」の一言でオシマイであった。

 それに比べて、今は良くなった。ファイバーも、若干、ホントウに若干ではあるが細くなっているし、検査前に、苦痛を和らげるための眠剤を処方してくれる。因みに、この病院で使用している内視鏡のメーカーは、全て「オリンパス」だった。

 ところで、前回の大腸内視鏡検査の際、眠剤が効かなかったという経緯があったため、私は事前にナースへ、「眠剤が効きにくい体質なので、増量してくだたい!」と、くどいほどお願いしておいた。

 そのため、今回の検査では、検査前に投与するロヒプノールを、標準より増量してもらうことになった。「ロヒプノール」、別名「フルニトラゼパム」もしくは「サイレース」は、不眠に悩まされている方には有名な眠剤だ。私も昔、サイレースとして飲んだ経験があるが、翌日のハングオーバーが激しかったので、もっと穏やかなクスリに変えた記憶がある。今回の投与量は何mgか聞かなかったが、おそらく成人投与量の限界である2mgぐらいだったハズだ。しかも、飲み薬としてでは無く、点滴ラインを通して直接入れるので、効き目はバツグンのハズであった・・・

 ・・・しかし、効かない。

 馬でも寝るくらいの量を処方しても眠くならない。。。医者も驚くほど効かないのだから、これはホントウに効かない体質になってしまっているのだろう。参ったなぁ。。。今現在、不眠に悩まされており、酒と眠剤を思いっきり飲んでおられる方は、要注意である。そういう生活をしていると、検査前に処方するような眠剤の類の効きが、おそろしく悪くなってしまうのだ。いつの間にか耐性が出来てしまうんだよな。

 それでも、今回は検査技師の腕がとても良く、全く苦痛を味わえずに終えることができたのが、不幸中の幸いと言うものだ。検査中も覚醒しまくりで、自分の胃と十二指腸を存分に見学できた。意外とキレイな胃腸だったので、検査中も安心する。

 検査終了後は、普通の人だとボンヤリしてしまうので、患者は検査室の隣りのベッドで20分ほど休んでから、車椅子で部屋まで送ってもらうことになっている。しかし私は、検査直後から自立し、そのまま歩いて病棟へ帰ろうとした。ナースが慌てて止めに入った。途中で倒れたりしたらナースの責任になるので、とにかく少し寝てから車椅子で送らせてくれと言うのだ。私は他人に迷惑をかけたくは無かったので、このご好意に甘えることにした。

 ベッドに戻ったら、いつの間にか昼食が用意されていた。大腸ステントの具合も問題無く、ファイバー類を突っ込む類の検査が、今回の胃カメラで終了したので、昼食からは重湯(流動)では無く、全粥にアップグレードされていた。固形物もちゃんと入っており、久しぶりに食事らしい食事になる。さらに、夕方には長い間付き合ってきた点滴も無くなった。漸く点滴ポールを引きずりながら動きまわるという不自由から解放される。

 本日で、ヘヴィーな検査は完了し、体の中を引っかき回された怒涛の1週間は、瞬く間に終わった。後は、退院時の主治医からの説明を受けるだけである。

(つづく)


11月14日(木曜日)の昼食。胃カメラを終え、これでファイバーを突っ込む検査が全て終了したので、今回から重湯(流動)から全粥に変わる。今までの液体状の食事と異なり、固形物が出てきたのは有難い。
・全粥(330g)
・チキンときのこのトマト煮
・コールスローサラダ
・りんご

11月14日(木曜日)の夕食。
・全粥(220g)
・鯵の野菜あんかけ
・かぼちゃの煮物
・小松菜と揚げの和え物
・オレンジ

この病院では、金曜日の夕食のメニューをA、Bどちらかから選べるようになっている。そのため、前日木曜日の夕食時に、このような調査用紙が付いていて、希望するメニューに○を付けて下膳する。入院患者の中には、この2択の日を心待ちにしているヒトも少なくない。それだけ入院生活は変化が乏しいということの現れである。




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