■闘病日記 其の六 【大腸内視鏡検査】 (2013/11/12)

 今日は、検査入院のメイン・イベントである「大腸内視鏡検査」の日である。検査の内容が内容なので、色々と考えを巡らし、不安にもなったが、ここまで来るとやるしかない。

 昨夜就寝前に、「マグコロール」という人間版パイプクリーナーを処方された後のことは、敢えて書くまい。書いたってオモシロイもんじゃないし。まあ、端的に言って苦しかったですな・・・

 検査開始はお昼頃という話しだったので、午前中は手持ち無沙汰で、精神的に参った。やるならやるで、さっさと処置して欲しいものだ。そんな中、ベッドでゴロゴロしていたら、この病院の病院長さまが、直々に回診にやって来られた。まるで大名行列のように、外科の医師団を引き連れている。他の患者も回診するのかと思ったが、私だけのピンポイントだった。問診と、丁寧に触診した後で、同行した医師団に指示を出している。これには不安になってね。意外と重篤な症状なんジャマイカと。。。

 検査直前に、検査用パンツなるものを渡された。普通のパンツと違うところは、お尻に穴が空いているという点だけですな。

 検査中のことについても、敢えて書くまい。順調に終わったが、これはあくまで医師側のハナシであって、当人は結構苦しんだ。大腸内視鏡検査では、苦痛を和らげるために、睡眠剤を処方するのであるが、

これが全く効かないのである。

 私は、酒好きの上に眠剤を極量飲んで寝るという生活を続けてきた。すなわち、眠剤耐性が並々ならぬほど高くなっていたのだ。そのため、通常一般の量の眠剤では、ほとんど効かないのである。処方医曰く、「ほとんどのヒトが眠くなってしまい、覚えていない」という検査であるが、私は超覚醒状態が続き、一部始終記憶に残った。従って、自分のハラの中を管が入って行く様子も、カメラ画像とレントゲン画像のダブル・モニタで確認することができるという、まあ、変な意味で良い経験をした。

 余談だが、治安の悪い海外で良く起こる、睡眠剤強盗の類は、私には通用しないな。酒の中にハルシオンとサイレースを極量盛られたくらいじゃ、ビクともしねぇよ!!!

 当初、今回の検査では、大腸全てを通しで目視し、癌の大きさや部位の特定、組織採取を行うだけの予定であったが、閉塞部位が想定以上に大きかったので、急遽「大腸ステント」を入れることになった。

 「大腸ステント」とは、癌などで閉塞している大腸の壁面に、一種の形状記憶合金で出来たメッシュ状の「ステント」を設置し、腸壁を押し広げることで閉塞を解消するというものだ。2012年頃から保険適用された治療で、主として手術前の症状の緩和を目的としている。最近になって行われ始めた処方であるため、医師の習熟と技量が必要とされるものらしい。まれに、臓器に穴が開く「穿孔」が起こるとされているが、まあ、この手の処方では織り込み済みのリスクだと思うしか無い・・・

 ステントを入れる作業は、思った以上にカンタンだった。検査室のキャビネットに格納された無数のステントのストックから、適切なものを選別し、内視鏡を見ながら遠隔操作で設置する。結構手間取るかなと思ったが、意外と短時間で終わる。

 処方の後は、腹部に残された「ガス」を、時間をかけて抜くだけである。どうやって抜くか、だって?そりゃ、オナラだよ・・・

 今回のメイン・イベントも無事終了し、治療後の経過も順調で、ほっと一安心していたのも束の間、主治医の先生が午後回診に訪れる。前日までの一連の検査結果から、現状の病状を説明してくれたのだ。まあ、大腸癌であることは、ほぼ確実なので、これだけならばさほど驚きは無かったのであるが、

大腸癌+肝臓癌、ステージ4

 だとのこと!「肝臓癌」?「肝臓に転移」?「ステージ4」???

 聞いてネェよ!!!

(つづく)





<< Menu Page



Copyright (C) Studio Pooh & Catty
1996-2013