どこの病院でもそうだと思うのだが、この病院では検査前日に、翌日受ける検査の予告を行っている。今回は、レントゲン、超音波エコー、CTと、3連チャンだ。

■闘病日記 其の五 【検査開始】 (2013/11/11)

 週が開けて月曜日になった。病院も本格稼働状態になる。今日から検査が目白押しだ。初日は手始めということもあり、痛くも痒くも無いモノばかりで楽である。

 今日のメニューは、採血、CT、レントゲン、腹部エコーの4種類。まるで人間ドックコースですな。

ワン!ワワン!ワン!

 ということで、検査では特に面白い事件も無かったので、関係の無いことを書いておく。

 先日読んだ吾妻ひでおの「失踪日記2 アル中病棟編」で、病棟の窓ガラスを全開にできないよう、窓ガラスのサッシにストッパーが付いている、という記述があった。今日、何気なく窓際にある洗面台で歯を磨いていたところ、窓枠のサッシ部分に、何か黒いゴムがねじ止めされている。ははぁ、さてはこれがストッパーなるものだなと思い当たる。

 病棟の窓は基本的に施錠していない。鍵は開けっ放しだ。しかし、このストッパーがあれば、10cm以上開けることができないので、人間の出入りはできなくなる。この病棟は、精神の方向けでは無く、ましてや閉鎖病棟でも無いが、たまに脱走兵が出るのかもしれないな。

 閑話休題。

 一連の検査が終了し、ベッドに戻ってきたら、明日行う検査の予告カードが置かれていた。この病院では、前日に翌日実施する検査の告知を、こうしたカードで行っている。書かれていた内容を見て、一気に鬱になる。

「11月12日 大腸内視鏡検査があります」

 それはまさに、死刑執行の予告のようであった・・・

 やることが決まると、病院というのは極めてシステマチックに機能する。既に絶食処方しており、胃腸はスッカラカンだが、この状態で、駄目押しとして、就寝前に術前腸内洗浄剤である「マグコロール」という薬品が処方される。端的に言うと、水捌けの悪い洗面台に、パイプクリーナーを入れるのと変わりない。人間のカラダと言っても、所詮下水管と同じようなモノだ。若干塩っぱい液体を250ml飲み、眠剤極料のチカラを借りて眠りに落ちた。

 因みに、この「マグロコール」、もとい「マグコロール」という術前腸内洗浄剤であるが、一気飲みしてはイケナイ!少なくとも30分くらいかけて、チビチビと飲むこと。私はナースから何も言われなかったので、一度に全て飲んでしまい、結構タイヘンな目に遭った。その後、再び飲むことになるのだが、その時にナースに、「少なくとも1時間くらいかけて飲んで下さいね〜」と、初めて指示された。をいをい、もっと前に言ってくれよ!

結構死活問題になるんだからさぁ。。。

 

(つづく)


病院の窓枠に付いていたストッパー。これが有るため、施錠していなくても、10cm以上は窓が開かない。

ストッパーが取り付けられているサッシの様子。こんな感じに付いている。

病棟からの眺め。私が居たのは5階だが、近隣に高層ビルが無いので、そこそこ見晴らしは良かった。入院中は、この窓からの風景が、唯一の情報源となる。病棟に入っていると、暑いのか寒いのか、晴れているのか雨なのかが全く判らない。

スカイツリーも見えた。こんなに離れているのに、良く見えるものだ。検査当日の早朝午前6時に、望遠で撮影。

腸内洗浄剤「マグコロール」。洗面所で使うパイプクリーナーの、人間版である。味はちょっと塩っぱい。1回分250mlを、約30分〜1時間かけて服用する。これを飲むと、後がけっこう辛い。手前に置かれているクスリは、不眠症患者の友、眠剤の代表、ハルシオン。




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