押入れから発掘されてきた謎の基板。1970年代のミニコンか何かに入っていた物のようである。整然と並んだセラミックパッケージ・メタルキャップのデバイスが美しい! →拡大 |
■EEPROM (2013/07/11) 相変わらず何が出てくるのか見当も付かないほどカオスの海と化している筆者宅の押し入れなのであるが、今日は謎のEEPROM基板が発掘された。何でもかんでも「謎」って付けるのは良く無い癖なのだが、実際謎なのだからしょうがない。この基板、どこで手に入れたのか、サッパリ記憶に無いのが残念であるが、自分の歳を考えてみると、記憶が定かで無いのも宜なるかな。致し方ないのかも知れない。 この基板上には、セラミックパッケージのEEPROMである、NEC社製「μPD454D」が、32個搭載できる構造になっている。「μPD454D」は、256ワード×8ビット=256バイトのパラレルバス接続タイプのEEPROMである。断っておくが、256Mバイトどころか256Kバイトですら無い。ただの256バイトなのである!製造は、おそらく1975年の末だと思われるが、正確なところは不明。もし1975年の製造だとすると、日本万国博覧会から5年後の製品ということになる。これって、良く考えてみると、結構古いよな・・・ 基板上には、上記のEEPROMを32個、即ち総容量8Kバイト分のEEPROMを搭載できるようになっているのだが、実際にソケットに挿入されているμPD454Dは29個と半端な数なので、7.25Kバイト分しか搭載されていない、ということになる。デバイスのパッケージはセラミックで、メタルのキャップが付いている。ああ、見ていてカッコイイなぁ・・・と恍惚とするヒトは、かなりアブナイので、近寄らない方が良いかも知れない。因みに筆者は、何時間見ていても飽きないので、アブナイを通り越している。セラミックパッケージのデバイスがこれだけ実装されているため、手に持つとずっしり重い。なぜ、この基板を取りあげたかと言うと、「μPD454D」というEEPROMを、どこかで聞いた記憶があるからだ。 そうそう、思い出した。NECが1976年に発売した歴史的なマイコントレーニングキット、TK-80に搭載されていたのだった。TK-80は説明するまでも無いが、マイコン(懐かしい響きだ!)黎明期にヒットしたトレーニングキットであり、CPUにμPD8080ADを搭載していた。今は無き秋葉原のラジオ会館7Fにあった、NECビット・インで発売され、大ヒットとなった製品である。調べてみると、当時の販売価格は 88,500 円となっており、発売後1年で2万セット弱を売ったそうである。筆者は残念ながらTK-80は持っていない。その後発売されたTK-85なら所有している。詳細はここでも見て頂きたい。 μPD454Dは、内部に格納するデータを、電気的に消去したり書きかえることが可能なデバイスだった。TK-80では、セラミックパッケージのμPD454Dが使われていたのだが、その後発売されたバージョンアップ版であるTK-80Eでは、EEPROMからマスクROMである「μPD464C」に変更されてしまう。当時はEEPROMライタを持っているヒトが少なく、自分で書きかえて楽しむコアはマニアはほとんど居なかったので、お仕着せのモニタプログラムを提供するということで割りきったのだろう。もちろん、コストダウンの目的も有ると思うが。これがTK-85になると更に進化し、μPD2716D、通称「ニナイロ」と呼ばれた超有名なEPROMとピンコンパチの製品であるマスクROM「μPD2316C」(容量実に2KB)に置きかわる。 WEBを漁っていたら、TK-80の回路図なんていうのも落ちていた。手書きである。ちゃんと「μPD454D」も3個搭載されている。はるか昔しの物語である・・・ 今回は、デバイスに興味の無いヒトには、全く面白くない内容になってしまったことを、ここに深くお詫びいたします。 m-_-m (・∀・)
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謎の基板の裏側。特に面白い写真じゃねぇな。。。 →拡大 |
基板上に整然と並んだNEC社製EEPROM、μPD454D。こういった幾何学的な美しさって、良いなあ・・・ →拡大 |
μPD454Dのどアップ。相当古い製品なので(おそらく1975年の製造)、メタルキャップなんか錆びちゃってるし。 →拡大 |
基板上に印刷されていた型番と思しき番号。これだけじゃ、何に使われていた基板なのか、残念ながら判らない。 →拡大 |
TK-80の手書きの回路図。因みに筆者は、この回路図を書かれた方とは、お会いしたことがある。 →拡大 |
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