1993年1月22日にリリースされた386BSD 0.1のインストールFD起動画面


■386BSD 0.1 (2010/10/10)

 片付けをしていたら、x86ベースのフリーUNIXの始祖、386BSD Ver0.1のFDが大量に出てきた。しかも5.25インチだ・・・1992年当時、IBM PC互換機制作に血眼になっていた廃人仲間がネットから落としたものをコピーしたヤツだ。386BSDについては、ここを参照。このOSであるが、ヲタク夫婦によって開発され、1992年にVer0.0がリリースされた。その後1992年7月にバグ修正版のVer0.1が公開されたが、以降はアップデートが滞ったり訴訟沙汰に巻き込まれたりと、色々あって中断。その後、この系統FreeBSDとして進化し、現在に至っている。

 さて、今回発掘されたFD群は、XWINDOWシステムであるXfree86 Ver1.1と共に回覧されていたもので、ディスケット総枚数は6箱分、計83枚に上る。なぜ3.5インチFDに入れなかったと言うと、当時3.5インチよりも5.25インチのディスケットの方が安かったからに他ならない。これほど枚数がかさむと、ディスケット代だけでもバカにならないからねぇ。。。CD-Rなどというメディアは、まだ無い頃のハナシである。

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 当時のディストリビューションは、以下の構成であった。

内 容
枚数
Binary Disk 12枚
Etc Disk 20枚
Src Disk 12枚
Patch Kit V0.1 Disk 1枚
Patch Kit V0.2.2 Disk 1枚
Patch Kit V0.2.3 Disk 2枚
Dist.z Disk 1枚
Fixit.z Disk 1枚
その他Back Up Disk 3枚
Xindow V1.1 30枚

 今なら、お皿入れてブートすればすぐにインストールが開始できるが、お皿の無い時代、しかも3.5インチ・ディスケットがまだ高価だった頃は、パッケージをFDの形で配布、回覧するのが一般的であった。インストールするには、ディスケットを絶えず取っ替え引っ替えしなくてはならず、まるで修行そのものだった。加えて、当時のHDDは容量も少なく高い。一般人が購入できたのは、せいぜい最大250MBが良いところだ。当然、インストール中にHDDの残量が足りなくなってくるという事態も発生する。小容量HDDへは、メインモニタでインストール状況を確認しつつ、同時にVT100でシリアル接続した別ターミナルから、インストールが終わったファイルを削除して行き、空き容量を確保する、というトンデモ無い方法で導入したものである。

 あれから早20年近くが経過した。ところでこれらのディスケット、まだ生きているのかどうかを試してみた。VMWare上でインストール用FDからの起動は確認できたものの、実際のインストールはエラーが発生してNG。まあ、古いソフトだから仕方無いかな。

発掘された386BSD V0.1システムとXWINDOWであるXfree86 V1.1の箱。計6箱、83枚の5.25インチFDから成る。

箱の中身。保存環境が良好だったせいか、全てのディスケットが生きていた。5.25インチのFDって、結構強いメディアだなぁ。。。

 ついでに、386BSDの子孫であるところのFree BSD Ver7.3(2010年版)の起動画面も付けておく。因みに、このコラムを書いている時点での、FreeBSDの最新バージョンは8.2である。FreeBSDも、ついにZFS(Zettabyte File System)にまで対応してしまった・・・

(余談)
FreeBSD Ver7.3起動時に「sysconf blanktime」で長時間待たされるのが気になっていたのだが、「/etc/rc.conf」に

sendmail_enable="NONE"

と記述すれば良いということが判った。この症状は、sendmailが正常に起動できないために、OSがタイムアウトを待っているのが原因らしい。

FreeBSD Ver7.3の起動画面。Copyrightは実に1979年から始まっている!

ついでに、FreeBSDの起動時に「sysconf blanktime」で待たされちゃう場合の応急処置。EEか何かで「/etc/rc.conf」を開き「sendmail_enable="NONE"」と記載すると、とりあえず治る。実際にはネットワークアダプタの設定等、細かいところをチェックしなくてはならないんだけど、今のところはこれでいいや。。。

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