DOS/Vマシンと言えばAドライブに3.5インチFDD、Bドライブに5.25インチFDDを接続して使うのが一般的だった。最近ではフロッピーディスクドライブそのものが消滅しつつある。フロッピーのメディアも、国内各メーカーが続々と生産を中止。ついには3.5インチFDの生みの親SONYも、2011年3月をもって製造を止める。この写真は筆者が現在使用しているFDDを取り出したところ。どちらをAドライブにするかは、BIOS設定で決めている。
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■Bドライブ (2010/07/25)

 ネットを見ていたら、以下のような質問があった・・・

 Bドライブってどうしてないのだろう?

 ・・・絶句。。。

 ('A`)

 ついに時代はここまで来てしまったのか。筆者のような旧人類には考えられないような質問である。しかし、実際現代のパソコンにはBドライブはおろか、フロッピーディスクドライブそのものが最初から付いていない機種が多いため、こういった疑問が生じるのも致し方ないのだろう。

 寂しい限りである。5.25インチを現役で使用している方はさすがに変人さんくらいのものだろうが、3.5インチだったらまだまだバリバリ使われていると思っていた。しかし、3.5インチFDの生みの親であるソニーですら、2011年3月にFD製造を中止すると発表している。いよいよもって、FD媒体というものは忘れ去られる運命にあるようだ。

 合掌! (-人-)

※筆者は、既に入手が困難となっている新品デッドストックの5.25インチFDDを、米国某ネットショップより保守用としてまとめて購入しておいた。5.25インチFDDと言えばTEAC製がデフォだが、既に在庫が無くなってしまい、MITSUMI製のものを購入する。かれこれ3年前くらいのことだったので、もはや5.25インチFDDの新品は入手不可能かもしれないなぁ・・・

この写真では、3.5インチFDDにMITSUMI MODEL D353M3(当時定番と言われたもの)を、5.25インチFDDには、これまたMITSUMIのD509V5を使用している。MITSUMIのD509V5はNewtronics Co., Ltd.名で販売されていたもの。そうは言っても、やはり5.25インチの定番ドライブメーカーはTEACだねぇ。
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 ついでだから、5.25インチのフロッピーディスクドライブを使って、懐古的に色々と楽しんでみよう企画。Windows XPでのFDDのサポート状況は下記の通り。

 1.44 MB 3.5 インチ FD (読み取り、書き込み、フォーマット可)
 720 KB 3.5 インチ FD (読み書きのみ可)
 1.2 MB 5.25 インチ FD (読み書きのみ可)
 360 KB 5.25 インチ FD (読み書きのみ可)

 今のマシンは知らないが、ちょっと前のマシンであればBIOSの設定項目に「SWAP Floppy Drive ?」なるものがあった。通常、3.5インチをAドライブに、5.25インチをBドライブにして使用するが、もしBドライブの5.25インチFDでマシンを起動させたい時などに使用する。3.5インチFDDと5.25インチFDDは共通のケーブルで接続するのだが、コネクタの形状が異なる上に、AとBとをケーブルセレクト(一部分をクロスしてある)してドライブレターを識別している。上記BIOS設定があれば、いちいち接続し直す必要が省けるというワケだ。

 さて、眠っていた5.25インチFDDをWindows XPで認識させてみよう。ドライブそのものはきちんと認識される。ではメディアの方がどうか?MS-DOS Ver1.10の起動DISKがあったので、プロパティを見たところ、案の定認識されない。でも、MS-DOS Ver2.10の起動FDであれば、160KBのFDとして認識される。本来、Windows XPでは5.25インチFDのサポートは360KBからであるので、保証の範囲外となる。

 では、MS-DOSのVer1.10とVer2.10では、FDのフォーマットが違うのか?というと、微妙に異なる。例のよってWindows XPマシン上にVMwareバーチャルマシンを構築し、それぞれのOSで起動させて「chkdsk」コマンドを実行したところ、MS-DOS Ver1.10は160256 byteのディスクスペースを表示させたのに対し、2.10は179712byteとなる。これらは共に「片面倍密度 - 1D(1 sided Double density)」と規定されており、容量は約140 - 160kBとなっている。この「約」がクセもので、認識されたりされなかったりするようだ。

 細かいトコロを突っ込んで行くと、思わぬ発見をするものだ。

 ('A`)

Windows XP OS上で5.25インチFDDをAドライブとして認識させたところ。FDD用のケーブルに3.5インチFDDと5.25インチFDDの二台を接続し、BIOS上の設定で5.25インチFDDをAドライブとして認識させているため、3.5インチFDDはBドライブとなって表示される。
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MS-DOS Ver1.10起動用5.25インチFDを入れて、プロパティを表示させたところ。もともとWindows XPの対象外容量なので、正常に認識できていない。

ところが、MS-DOS Ver2.10起動用5.25インチFDを入れて、プロパティを表示させると、ご覧のように正常に表示される。5.25インチの片面倍密度 - 1D(1 sided Double density)の容量は、約140 〜 160KBとアバウトなので、その違いにより表示できたりできなかったりするのであろう。この頃は結構いいかげんだったんだねぇ・・・

MS-DOS Ver 1.10をWindows XP上に構築したVMwareバーチャルマシン上で動かしてみた。この頃のDOSではHDDがサポートされていないので、FDのみのオペレーションとなる。Verコマンドのタイムスタンプは1982年。
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MS-DOS Ver1.10上で起動FDのCHKDSKを行ってみたところ。容量は「160256 byte」と出る。160KBの片面倍密1Dフォーマットであることが判る。
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こちらは、MS-DOS Ver2.10で同様に起動FDのCHKDSKを行ったところ。同じ片面倍密1Dのフォーマットであるにもかかわらず、こちらでは「179712 byte」と出る。1Dの容量として、「約140〜160 KB」と表記されている違いが、コレのようだ。アバウトだなぁ〜。
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因みにMS-DOS Ver2からはHDDがサポートされた。ここではCドライブとして6MB程度のHDDを構築し、その中にDOSを入れたところ。
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参考までに、PC-DOS Ver3.2での起動FDのCHKDSKはこうなる。両面倍密度 - 2D(2 sided Double density)と呼ばれている規格で、容量はこれまた約320 - 360kBと幅がある。
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今回使用したMS-DOS Ver1.10起動FD。原本では無くバックアップしたものを使用している。2DDのメディアも極めて入手しづらくなってしまった。。。

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