今回は、かつて秋葉原にあった懐かしのショップの思い出である。アウトレットの原点とも言える「STEP」は、DOS/V黎明期からのマニアにとって有名であろう。元々は行徳で通販専門の会社として運営していたそうだが、その後事業拡大を計り、秋葉原に3店舗、行徳に1店舗、富里に1店舗、そして大阪日本橋に1店舗と、リアルのショップを運営していた。筆者が良く行ったのは、秋葉原2号店で、実はここで在庫処分の「IBM純正PS55Z 1120J」を購入したことがある。このPS/55Zは、今後の本コーナーで登場する予定。

　で、STEPのハナシに戻るが、ここの特徴は皆さんご存じ「ステップ5つのNO！」という標語である。それは、

１．説明
２．展示
３．交換
４．解約
５．無料サービス

　という、顧客主体の現在であれば考えられないような内容であった。確かに「5つのNO！」は強烈ではあったが、店そのものは別に無愛想でもつっけんどんでも無く、ただフロアに整然と製品の箱が山積みになっている、というだけのものだった。目的の商品に対して知識があり、なおかつ安く購入したい廃人は、この店を良く使っていたようである。

　今回出てきたのは、STEP店内で配布されていた価格表。毎月更新されており、この業界の最安値はどの程度なのかを調査するのに便利なシロモノであった。しかし、たかだかA3両面に印刷された価格表が、「1部10円」とか書かれていてもなぁ・・・しかもその横には「本紙がグシャっと同梱されているのはコスト削減のためです。」と、ご丁寧な断り書きまで印刷されている。う〜ん、今読むと結構香ばしい内容だなぁ〜〜〜。

　このカタログの発行年は、一切記載が無いので不明。ただ、「8月1日号」とだけ記載されている。一番人気として最初に掲載されている「NEC PC-9801FA/U2」が出た頃だから、だいたい1992年頃のカタログと思われる。このカタログを見ると、当時はホントウにNECとその互換機を作っていたエプソンの天下だったんだなぁ、と、しみじみ感じる。DOS/Vのコーナーなんて、ほんのわずかだもんねぇ。。。 　で、このSTEPであるが、負債総額約70億円で1996年9月24日に千葉地裁に対して和議を申請、保全命令を受け倒産した。詳細はこちら。この頃の秋葉原は、DOS/Vの参入もあり、価格については熾烈を極めていた。思うに、行き過ぎたコスト削減と競合店の参入で、立ちゆかなくなったのであろう。今回、1992年8月1日号のカタログ全面を、4分割してアップしたので、ご興味のある方は、拡大してご覧になって頂きたい。当時のPCの価格、スペックが蘇ってきて、感涙モンである・・・

合掌！
(-人-)