TsengのET4000 W32iチップを使用したVL-Busビデオカードのパッケージ。1993年38週製造のもの。秋葉原のぷらっとホームで購入した。32,800円という価格は、当時のハイエンドビデオカードであった証でもある。 拡大画像を見たい方はこちら。 |
■退廃的互換機趣味(其之二十) (2009/06/05) 【ET4000】 Windows 3.1関連のネタもそろそろ尽きかけてきたので、ここらでWindows 3.0の時代に遡ることにしよう。・・・ちょっと待てよ。。。Windows 3.0の時代であれば、今使用しているI/Oデータ社製VLバス版ビデオカード、GA-DVL2は、新し過ぎる。Windows 3.1日本語版の発売日が1991年1月23日であるからして、ビデオカードもOSも当時モノに揃える必要がある。DOS/V黎明期であった1991年、ビデオカードと言えばTseng LabsのET4000と相場が決まっていたものだ。またOSはIBM PC-DOS Ver J5.0/Vがデフォである。そこで今回は、ビデオカードとOSを変更することにした。 さっそく、筆者の倉庫である「王家の谷」へ出向き、奥底で深い眠りについていたET4000ビデオボードを発掘してくる。ET4000には、ET4000AXと、その32ビットバージョンアップ版のET4000/W32iがあった。今回、W32iの方は、パッケージも含めて全て保存してあったのだが、ET4000AXの方は、残念ながらボード本体しか残っていない。W32iのボードは、1993年38週製造のVLバス版で新し過ぎる。よって、1991年09週製造のET4000AX搭載のボードを用いることにした。 ビデオカードを差し替えてOSをインスコすれば、それで良いと思ったら大間違いである。色々と設定してやらないと、マトモに動かない。当時はそれがアタリマエなのであった。先ず、キーボードの設定である。デフォだと日本語キーボードが選択されてしまうので、101キーボードを使用するためには、AUTOEXEC.BATのKEYB.COMを以下のように書き換える必要がある。 LH KEYB.COM US,437,C:\DOS\KEYBOARD.SYS 次に、CONIFIG.SYSの設定だ。ET4000AXでDOS/Vを使用する際には、$DISP.SYSにオプションを付けないと行けない。デフォルトだとハードウエアスクロールがオンになっているが、このままでは画面表示が乱れる。よって、「/HS=LC」なる呪文を付加する必要があった。具体的には下記の通り。 DEVICEHIGH=C:\DOS\$DISP.SYS /HS=LC これだけの設定をすれば、ようやくマトモにDOS環境が使用できる状態となる。当時はまだまだDOS/V市場も未熟であり、互換機をいじくり回しているのは廃人くらいしかいなかった。よって、通常では考えられないような設定も、こういった連中には苦にならず、むしろ喜々として取り組んでいたものだった。返す返すも思うことは、あの頃は良かったなぁ、、、ということだ・・・ 合掌!
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ET4000AXが搭載された、1991年09週製造のビデオカード。先ず目に付くのが、搭載部品点数の多さである。オマケにDIPスイッチなんかもある。VGA BIOSの年代は1990年。 高解像度でご覧になりたい方はこちら。 |
Tseng LabsのET4000AXチップ。1991年09週製で、ナント!日本製である。 |
ET4000/W32i搭載のVL-Bus版ビデオカード。1993年38週製造であるから、かなり新しい。この頃になるとET4000神話は崩れつつあり、S3等他社チップが雨後の竹の子のように出てきて、ビデオカードの戦国時代に突入する。 高解像度でご覧になりたい方はこちら。 |
Tseng LabsのET4000/W32iチップ。1993年15週製で、これもナント!日本製である。 |
IBM PC-DOS Ver J5.0/V使用時に、$DISP.SYSにハードウエアスクロールのオプションを付加しないと、画面スクロール時にこんな感じになってしまう。久々に見たよ、この画面。懐かしいなぁ・・・ |
そこで、さっそくVzエディタを使って、Config.sysを修正する。 |
動画1.ET4000AXで、CONFIG.SYSに「DEVICE=$DISP.SYS /HS=LC」の記述を行わなかった場合と記述した場合の違い。日本語DOS環境下では、「/HS=LC」オプションを付けないと、スクロール時に画面が乱れて、とても使い物にならなかった。 (VGAサイズでご覧になる方はこちら) |
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