筆者にとっての杖


■杖 (2008/01/02)

 老化により足腰が弱くなると、杖をつく。物理的な杖である。ここに掲載するのは、精神的な「杖」だ。筆者が現状処方されているクスリの一覧である。いやなに、「こんなにたくさん飲んでるんだぜぇ〜!スゴイだろう!」なんて自慢したくて掲載したのでは無い。2ちゃんのクスリ板あたりに行けば、毎日この3倍〜4倍の種類を飲んでいる人なんてザラである。要は飲まなければ済むものなら、飲まないに越したことは無い、ということを言いたいだけ。

 写真上段の3種類の粉薬は、ただの一般的な胃腸薬であり、それこそ「毒にもクスリにもならない」物である。まあ、単なる気休め程度の効果しか無いが、胃腸が弱い筆者には欠かせない。

 写真下段には、普段あまりお目にかからないクスリが並んでいる。下段左端は「ソラナックス」といい、ベンゾジアゼピン系の緩和精神安定剤(マイナートランキライザー)としては超有名な薬である。プリズン・ブレイク2、第19回で、マホーンが飲んでいたクスリ、と言えば、好きな人には判るであろう。ただし、マホーンは20mg錠を飲んでいる、という設定になっているから、あるいは違うモノなのかもしれない。ソラナックスを20mgも飲むのは、危険を通り越しているからねぇ。。。因みに筆者の服用量は0.4mg。倍の0.8mgは、形状が円形となり異なる。最高服用量は、2.4mgだ。習慣性は無く安全と言われているが、老練な心療内科医ほど、処方は慎重であるところが面白い。

 下段左から2番目、丸くて割線が入った大振りのクスリは、レンドルミンといってチエノジアゼピン系の睡眠導入剤だ。睡眠導入剤としては、筆者は過去4年間に渡りハルシオンを服用してきたのだが、これはクセになるため、あまり良くないことが判明。しかし、いきなり切ることもアブナイので、ハルシオンの代わりにこのレンドルミンを処方し、少しずつ足抜けして行くという療法を取っている。ハルシオンほど劇的な効果は無く、マイルドな効き方だ。因みに、ハルシオン効果はスゴイ。飲むと5分以内に浮遊感覚に襲われる。一部ジャンキーの間では、ハルシオン遊びが流行ったそうだが、何となく判るような気がする

 下段左から3番目、丸くちいさな錠剤は、ナウゼリンといって、吐き気止め。これはクスリの副作用として嘔吐を伴う場合に使用する。小学生の遠足の時に飲んでいた、アレである。「胃腸機能調整薬」とか「上部消化管運動賦活薬」と呼ばれている。その隣の金色のパッケージに入っているのは、アゼプチンといい、第2世代抗ヒスタミン薬の一つである。花粉症の季節になる前に、事前療法として服用しておくと、症状が軽く済む。最も、根本治療では無いため、飲むのを止めると、またアレルギーが再発する・・・根本治療としては、ペインクリニックに行って「星状神経節ブロック」なるものを首筋に注射してもらうのが良いそうだ。ちよっと痛いが、これを1週間に1回、50週くらい続けると、完治する人が多いそうであるが、痛いのがキライな筆者にとっては、悪夢のような療法と言えよう。

 下段右から2番目、細長い錠剤は、ジェイゾロフトという。国内3番目の選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)で、第3世代の抗うつ薬として有名。しかし、家電製品と同じで、出たばかりだから薬価は高い!!!下段右端の緑色のパッケージに入っているのが、サイレース。前述のレンドルミンが睡眠導入剤として使用されるのに対し、サイレースは睡眠薬そのものとして用いられる。短期型と中・長期型を併用して、不眠治療を施すのが多い。サイレースはかなり強烈だ。筆者の場合、最初1錠飲んだら、翌日午前中はハングオーバーしたほどである。しかし、慣れというのは恐ろしい。現在は寝る前1錠で翌日朝のキレも良くなってきている。サイレースは、一般的に処方される睡眠薬としては、最も強い部類に属するそうだ。しかし、これ以上のヤツも存在するそうで、その一例が「ベゲタミン」という睡眠薬。バルビツール系なので、入院治療の場合に限り処方されるようだ。

 とまあ、新年早々クスリのハナシで恐縮ではあるが、杖にも色々あるということで。無理せず早めの治療が一番だということだ。


(補遺)
ここに示した薬は、いずれも医師の指導の元に処方されるものであり、個人が素人療法で勝手に服用するのはタイヘン危険であることを申し添えておく。上記薬の組み合わせは、筆者と医者との間の長時間に渡るお付き合いの末に得られた解答の一つであり、個人差に応じて服用の方法は無限にある。まぁ、言うまでも無いことではあるが、一応・・・


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