Omni Book 600C(日本語キーボード版)
HP日本法人が少量発売したOmniBook 600Cの日本語版。当時たいへん高価なサブノートだったこともあり、流通量は極めて少なかったと思われる。CPUはDX4-75MHz・・・


■2台のOmniBook 600C (2006/01/04)

 以前から筆者は、HPが1995年に発売したサブノートパソコン、OmniBook 600Cのキーボードタッチを絶賛していた。1995年にこのマシンがリリースされるや否や、筆者はアメリカのパームトップ専門の通販ショップ、EduCALC社へ、OmniBook 600Cを発注した。当時、80486DX4-75MHz、RAM 16MB、HDD 260MBのモデルで、$3,569というベラボウな価格であったにもかかわらずである!アメリカから直で引いたマシンであるからして、当然キーボードはUS 101。それにしても、このマシンのキータッチの良さは絶品だった。その評価は現在に至るも変わっていない。
ヽ(´▽`)ノ

 当時筆者は、仕事の都合で他の会社へ短期間出向した。このマシンは、その際現地へ持って行き、各種報告書を作成してモデムでNifty Serveに接続し、メール送信する用途に使用し、大活躍した。ペナペナ・ヘコヘコのキーボードが常識であった当時のノートパソコンにあって、サブノートながらデスクトップ以上の品質を持つキーボードを備えたOmniBook 600Cは、抜群に使いやすいマシンだったのだ。

 さて、先日某オクを見ていたら、このOmniBook 600Cが出品されていた!このようなレトロを通り越した太古のマシンが出品されていること自体、驚異的である。しかも、良く見るとキーボードが日本語になっている。当時、日本HPが少量販売した、OmniBook 600Cの日本語バージョンなのであった!これを買わずして何を買う!というわけで、ゲトーしたのである。
ヽ(´ー`)ノ

 しかし、キーボードの品質の良さに惚れ込んでいた筆者にとって、この日本語版は猛烈なショックであった・・・というのは、キーボードが全く別物なのである!そりゃ、外観は英語版とそっくり同じで、ただキートップにカナが入っているかどうかの違いしか無いのだが、品質は全く異なるものであった。日本語版を発売するに当たり、キーボード部分のみを入れ替えているのだが、そのタッチたるや、情けなくなってくる。。。とにかく引っかかるような感触で、全然打ちやすく無いのだ。これはもう、屈辱物ですらある。
ヽ(`Д´) ノ

 というわけで、OmniBook 600Cのキーボードを絶賛していた筆者としては、今後は多少表現を変えなくてはならない。「OmniBook 600Cの【英語】キーボードは絶品である!」というのが、正しい表現となる。しかし、中身は良いマシンなのに、なんでこんなチンケなタッチの日本語キーボードを搭載してしまったのであろうか。。。許せないねぇ。。。まあ、コレクションとしては良いものを入手することができたよ。英語版ともども、大切にしよう!
( ̄〜 ̄)


OmniBook 600Cの液晶画面
PC DOS J7.0/Vをインストール。画面はDOS時代のファイラーとしては余りにも有名は「FD」。液晶はこの時代の一般的な仕様であったDSTN。640×480ドットVGA画面である。STNを見慣れた目には、コントラスト低いわ暗いわで、シッケシケ。でも郷愁は十分にある!

Omni Book 600Cの日本語キーボード
これが問題の日本語版キーボード。キーボード部分のみを日本にて換装した製品であるが、そのキータッチの悪さには幻滅。。。スペースキーが短いのが特徴。やはりOmniBookはUSキーだ!

OmniBook 600Cのポップアップ・マウス
当時のモバイラーが絶賛した「ポップアップ・マウス」。机が無くてもマウス操作が可能で、しかも本体内部に格納できるのでかさばらない、という、大変ユニークな発明品であった。操作性は極めて良い。

OmniBook 600C 底部の銘板
この頃のHPは、製造を米国にて行っていた。品質は極めて高い。80486DX/4-75MHzを表す「4/75」の表記が見える。右下には、リセットボタンの穴が搭載される。


 ところで、今回入手したOmniBook 600Cには、INTEGRAL PERIPHELALS社製のPCMCIA Type-III HDD、Viper 340(Model 8340PA)が搭載されていた。この時代の代表的な製品であり、また故障も多かったものである。案の定、搭載されていた物も、セクタ異常で物理フォーマットしても再生することができなかった。

 オリジナルに忠実で行けば、同等のHDDを導入するのがスジであるが、良く考えてみると、コンパクトフラッシュの容量が増加した現代にあっては、何も無理してHDDを使う必要な無い。ちょうど古いデジカメで使用していた64MBのCFカードが余っていたので、変換カードを介してOmniBookに搭載、DOS 7.0/Vを導入してDOSマシンに仕立て上げてみた。フラッシュメモリにOSを格納すると、立ち上がりも早い早い!当時のPCMCIA HDDがいかにノロかったのかを実感することができる。


PCMCIAカードスロット
OmniBook 600Cには、PCMCIAカードスロットが左右両方に搭載されている。うち、向かって右側のスロットは、PCMCIA Type-IIのHDD用で、ブートドライブ(Cドライブ)としてアサインされている。左側の2スロットは、モデムカードやLANカード等の周辺機器用である。ブート用として、Viperの340MB HDDが搭載されていたが、あいにくと破壊されていた。そこで、アダプタを介して、64MBの余っているCFカードを搭載。DOS/Vをインストールする。CFだけあって起動が早い早い・・・・

日本語キーボード(左)と英語キーボード(右)の比較
筆者宅にあるOmni Book 600C英語版マシンと並べて置いたところ。スペースキーの長さの違いが目立つ。キー配列も異なっている。

OmniBook 600C上で動作するWin/V
元々HDDにインストールされていたWindows for Workgroup Ver3.1の環境を容易に引き継ぐため、Win/Vを入れて日本語対応している。Win/Vは、海外製ノートパソコンのWindowsで、簡単に日本語を取り扱うことができるようにした、ドライバソフトの傑作。しかし、現代においては、知らないヒトも多くなってきてしまった・・・

OmniBook 600C上で動作するWindows for Workgroup Ver 3.1
久々に拝んだWindows 3.1の画面。インターネット接続に、カメレオンをインストールして使っていた。うう!懐かしい!!!

EduCALC 1995年Catalog #67「OmniBook 600C特集号」表紙
今は亡きパームトップ専門通販ショップ「EduCALC」の1995年カタログより。ちょうど発売されたばかりのOmniBook 600Cが、表紙に掲載されている。当時としては最新鋭のパソコンだったのだ・・・


製品詳細 #1
EduCALCのカタログより
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製品詳細 #2
EduCALCのカタログより
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