S田時計店秘蔵の時計用オイル 近所にある腕利きの時計屋「S田時計店」のオヤジさんから借りてきた、秘蔵のオイル。残量がすごく少ないように思えるかも知れないが、オヤジさん曰く「これだけあれば2年間はもつ」のだそうだ! |
■置き時計のメンテナンス (2005/12/23) 筆者宅にある純メカニカル式のレトロ置き時計は、近所の腕利きの時計屋「S田時計店」にてメンテナンスしてもらっている。ここでオーバーホールしたものは、大体、5〜6年は平気で動く。しかし、使っているうちに、油が乾いて動作が不良になるものもある。注油すれば復活するのであるが、ここで気を付けないといけないのは、安いミシン油などを使うと、かえって調子が悪くなってしまうことだ。レトロな時計には、専用のオイルが必要なのである。 ( ̄〜 ̄)
今回、筆者宅にある置き時計の中でも、最古の部類に属する1台が、止まりがちになってしまった。中を空けてみると、油が乾いている。修理に出すほどでも無いことから、油を借りてきてメンテナンスする。S田時計店に行ったところ、店主が長年使い続けているオイルを貸してくれた。それがこの、「MOEBIUS LARGE CLOCK OIL」だ。
時計修理用品の問屋には常備してあるというこのオイル、黄色い色をしている。メーカーである「MOEBIUS(メビウス)」は、1855年に設立されたスイスの会社らしい。借りてきた瓶には、ほんの少量しか残っていないように見えるが、これだけあれば軽く2年はもつとのこと。オヤジさん曰く、このオイルは夏はタレないし、冬は固まらないという、優秀な製品だそうである。 さっそく、注油を行ってみる。マイナスの小型精密ドライバーの先端に少量を付着させ、時計のメカ部分の注油ポイントに「置く」ようにして注油していく。たったこれだけの作業を行っただけなのに、古い置き時計は完全に復活してしまった。愛車チンクェチェントもエンジンオイルを選ぶのだが、メカ時計も同様であるという一席でした。。。
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時計用オイルと、オイルを付ける際使用する精密ドライバー マイナスの精密ドライバーを用いて、給油ポイントにオイルを置くようにして注油してゆく。 |
メンテナンスを行った置き時計 筆者宅の置き時計で、最も古い物に属する一品。おばあさんの形見の品である。メーカーはTOYO CLOCK。なんでも終戦直後、昭和21年に苦労して見つけてきたものらしい。外枠は木製。目覚まし機能も無い、シンプルそのものの構成である。 |
メンテナンスを行った置き時計 裏面 当時は金属類が払底していたため、材質も粗悪なものを使用している。 |
メンテナンスを行った置き時計 内部 この時計は、過去に3回ほど大規模なオーバーホールを行っている。物資が払底していた時代の製品であり、素材が悪いことから、そうそう長くは使えないだろうと言われつつも、すでに60年間動いているから、いやはや立派なものだ。 |
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