■天と地(HEAVEN & EARTH) (2005/08/07)
 ユニークな写真集、あるいは絵本とでも言おうか。ファイドン株式会社発行の「天と地(肉眼では見えないもの)は、極微のもの(1pm)から10億光年といったスケールを5段階に分け、それぞれの世界を写真で紹介したものだ。最初に掲載されるのは、走査透過電子顕微鏡で26億倍に拡大した金原子。最後に登場する写真は、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した100億光年先の深宇宙である。総カラーページで、掲載写真がとにかく美しい。

 最も美しく見ていて飽きないのは、1km〜1,000kmのスケールであろう。観測衛星から撮影した地球の様々な場所が、非常に鮮明に映し出されている。エベレストを山頂から見下ろした写真や南極大陸の全景など、たしかに肉眼では見えないものだ。各写真には簡単な解説も付いているので、図鑑として見ても面白い。

 本書の構成は、日経サイエンス社が1983年に刊行した「POWERS OF TEN」のビジュアル版とでも言える。フィリップおよびフィリス・モリソン、チャールズおよびレイ・イームズ事務所が作成した「POWERS OF TEN」は、余りにも有名な「絵本」。10のベキ乗という厳格な数学のルールに乗っ取ってスケール感を表したPOWERS OF TENと、各スケールで見た様々な世界をヴィジュアルに表現した天と地、併せて見ると面白い。

POWERS OF TEN(日本語版)
日経サイエンス社が1983年に刊行した、余りにも有名な絵本、
POWERS OF TEN。

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