■フェルミのパラドックス (2005/07/20)
 本のタイトルは「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由−フェルミのパラドックス」。イギリスの物理学者、スティーヴン・ウェッブ著の、ある意味会心作である。宇宙は広いから、宇宙人はきっとどこかにいるのだろうと誰しも思うわけだけど、それではどうして今まで、宇宙人がいるという確たる証拠が発見されていないのか?言われてみれば、確かにおかしい。そりゃ、怪しげな情報は腐るほどあるけどね。。。この問いは、天才物理学者であるフェルミが1950年の夏に発したことから、フェルミのパラドックスと言われている。正確には、「ツィオルコフスキー=フェルミ=ヴューイング=ハート・パラドックス」と称するらしく、この問いは別個に4名から発せられている。

 さて本書の内容であるが、タイトル通り、このパラドックスに対する50個の回答が、「実はもう存在している」、「存在しているが連絡は無い」、「存在しない」という3つのパターンに分けて解説されている。単なる天文学、宇宙論に止まらず、哲学、思想、数学、物理学、社会心理学といった、様々な切り口から50個の回答を行っているところが、大変面白い。

 書評によっては、それぞれの回答の掘り下げ方が甘い、中途半端であるといったものも見受けられるようだが、そりゃそうだ。様々な分野に渡り、50個の回答をそれぞれ掘り下げていたのでは、50冊の全集になってしまうもんなぁ。。。
(´ヘ`;)
だから、簡潔明瞭に、しかも難しい数式等は一切使用せずに解説した本書は、筆者的には大変良く書かれていると思うんだよね。

 宇宙開闢以来、ものすごい時間が経過しているにも関わらず、なぜ宇宙人と思われる確証が一つも無いのか?という、本書のメインテーマも面白いが、それに対する様々な考え方、回答を読むと、同じ問題でもこれだけ異なった解釈の仕方があるという、人間の考え方の多様性も実感でき、それはそれで面白いものがある。筆者的には、著者が示す50番目の結論に、若干の寂しさを感じ得ない(それは読んでのオタノシミ)。2004年6月、青土社出版。著者のスティーヴン・ウェッブは、最近「現代物理学が描く突飛な宇宙をめぐる11章」という本が邦訳され、同じく青土社より出版された。こちらの方もなかなか面白そうなテーマなので、次に読んでみようと考えている。(しかし、どちらの書籍もタイトルが長いなぁ・・・)
ヽ(´ー`)ノ

 因みに、筆者個人としては、宇宙人は「存在する」と思う、って言うか思いたい。その方が楽しいし夢もあるよな。ヽ(´ー`)ノではどうして、今までハケーンされていないのかと言うと、きっと宇宙人はとても小さくて、高度な技術を持っているから、わからないのである。おそらく、銀河系内であれば、寿命の範囲内で動き回れるくらいの技術力があるだろう。大きさは1mm以下か?もちろん、地球の存在も知っていて、気付かれないよう注意しながら観察を続けている。電波望遠鏡にも引っかからないような構造の宇宙船に乗り、SETIのようなプロジェクトでも解析できないような信号を使って交信している。なぜ身を隠すのかというと、きっと地球人が大変に野蛮で好戦的であることが判明しているからであろう。な〜んて想像を巡らすのは、実に楽しいモノだよねぇ!

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