■Made in USSR! (2005/05/12)

 JEAN LOUP PRINCELLE著「The Authentic Guide to Russian And Soviet Cameras」と言えば、ロシアカメラヲタでは知らぬ人はいないほどの名著である。通称「黄色本」と呼ばれ、ロシアカメラ専門店には必ず常備されていたものだった。世の中、アナログブームでこうしたロシアカメラ趣味が世界中で大ブレークしたせいか、同書の「Second Edition」なるものが発売、筆者も一年くらい前にアマゾンに注文した経緯がある。ところが、その時にはなぜか入手できなかった。このほど、再度注文したところ入手できたのでご紹介しよう。

 「黄色本」の由来は、その名の通り、表紙が黄色だったことだが、Second Editionになって、この「黄色本」が「赤本」になってしまった!まあ、ソビエト共産党のイメージからすれば、こちらの方が似合っていると言えないことは無いが。第二版というだけのことはあり、総ページ数294ページ。初版がたかだか188ページであったから、実に1.6倍近い増量である。その割には本自体の厚さは、そう変わらない。これは、第一版が再生紙みたいなチャチイ紙に印刷されていたのに対し、第二版はアート紙印刷になったためで、紙が薄くなっているのだ。反面、第二版の重量はハンパなモンじゃない。。。第一版は1995年にHove Foto Books社から刊行されたが、第二版は出版社が変更となり、LE REVE EDITION社から2004年に発行されている。

 内容はと言うと、それはもうPRINCELLEパワー全開モンで、それこそありとあらゆるロシア・ソビエトカメラが、これでもか!というくらい掲載されている。もう、ここまで来れば、彼を抜く人など出て来ないであろう。PRINCELLEもロシアカメラなるモノに目を付けたおかげで、印税ガバガバ。安心して老後を過ごせるに違いない。実に羨ましい限りである!

 日本では一時期あれだけブームになったロシアカメラ趣味も、現在となっては下火になり、カルトなマニアが粛々と愛でている感がしないでもない。新宿にあったダックビルも、止めたのか移転したのか、いつのまにか閉店になってしまったし、寂しいモンだ。最近では、極東の島国の変わり者が、あまりに買い漁るものだから、本国ロシアでも中古カメラの価格が急騰し、ゴミみたいな商品まで高額で売りつけられていると聞く。情けない世の中になってしまったものだ。。。

「The Authentic Guide to Russian And Soviet Cameras」 表紙
黄色本転じて赤本となる。PRINCELLE入魂のSecond Editionである。色とデザインは変わったものの、ずらりと並んだロシアカメラは圧巻!

「The Authentic Guide to Russian And Soviet Cameras」 裏表紙
裏表紙は初版とは異なり、ロシアのカメラメーカーのロゴが並べられるという、極めてオシャレなデザインだ。初版では、表紙に並べたロシアカメラのリアビューが掲載されていたが、それはそれで良かったんだけどね。

初版の表紙
黄色本の初版。全国のロシアカメラ専門店には、この黄色本が必ずといって良いほど、置かれていたのだよ!ああ、あの頃が懐かしいねぇ。。。

初版の裏表紙
表紙に掲載されていたカメラ群のリアビューが載っているという、実にニクい演出の裏表紙。初版は初版で、なかなか味があった。


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