■Zones of Exclusion(ソ連版廃墟写真) (2005/02/02)

 「Robert Polidori: Zones of Exclusion, Pripyat and Chernobyl」は、原発事故としては余りにも有名な、チェルノブイリ原子力発電所に関連した写真集である。チェルノブイリ原子力発電所4号炉の事故は、1986年4月26日に発生した。その後、周辺居住区は放射能汚染のため立ち入り禁止となり、多くの施設が放置されたまま廃墟となる。この写真集は、こうした廃墟となった建造物を撮影したものだ。某日、新宿のカルトな本屋に平積みされていたのをハケーン、購入したものだ。筆者は廃墟系写真集は数冊持っているが、ソ連版というのは珍しい。

 ところで、表題にある「Pripyat」とは一体何か?「Chernobyl」はチェルノブイリだと判るのだが、「Pripyat」というのは聞いたことが無い。WEBで調査してみると、Pripyat”(プリピャチ)というのはチェルノブイリ発電所の運転、研究、技術集団及びその居住区のことだそうだ。この写真集は、チェルノブイリとプリピャチという、発電所に隣接する2つのコミュニティの、事件後の廃墟を撮影したものなのである。

 撮影はRobert Polidoriという写真家。全てカラー写真で掲載されているが、撮影場所の選定がなかなか鋭い。特に防毒マスクが山のように廃棄された学校の洗面所や、ボンネットが全て開けられたままで放置されている駐車場のトラックの列、潮風で塗装がボロボロに剥がれ落ちたまま係留されている漁船など、廃墟系写真集として極めて「美しい!」光景が展開されている。

 この書籍は日本のアマゾンでも購入可能だ。ハードカバーの巨大な写真集で、解説は英文。日本アマゾンでの購入価格は、税込みで9,287円である。廃墟系に興味がある方には必見の一冊だ!

Zones of Exclusion, Pripyat and Chernobyl 表紙
廃墟と化した学校の教室が強烈な印象を与える表紙写真。この本はハードカバーで、かなりの大型本だ。印刷・製造はドイツ、解説は英語である。

Zones of Exclusion, Pripyat and Chernobyl 裏表紙
草原にポツンと立つ放射能の看板が、無言の迫力。曇天と相まって、異様な雰囲気を醸し出す裏表紙の写真。怖い!

廃墟となった発電所制御室
近未来サイバーパンク映画そのもののチェルノブイリ発電所制御室。同写真集には、稼働時の同じ場所の写真も掲載されているが、その余りの違いに愕然とする。


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