NEC VT-1

 NECが1995年に社内限定販売した携帯電子メール端末。この製品は、後のモバイルギアのパイロットモデルでもあった。台湾製で、TidalwaveのME-386とほぼ同様の外観を持つ。日本メーカーの製品であるため、当然のことながら最初から日本語化が施されており、キーボードも日本語対応となっている。マシンの電源を投入すると、独自のシェルプログラムが立ち上がる仕様となっていたが、特定のキーを押下することにより、このシェルプログラムをバイパスしてDOSに降りることが可能だった。

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モデル名称VT1
メーカーNEC
CPUV30 (9.3MHz/2.8MHz)
メモリ容量RAM 770KB
LCDディスプレイ640 x 200 dot CGA
アクティブエリア172 x 65mm
キーボードQWERTY 81キーJIS配列
I/Oポートシリアルポート×1(特殊コネクタ形状)
本体重量700g(乾電池を含む)
バッテリー単三乾電池 3本
サブバッテリーリチウムボタン電池(CR2032)
PCカード PCMCIA Type-II 1スロット
寸法(mm)245 (W) x 120 (D) x 30 (H)
OSMS-DOS Ver 5.00 ROM Version

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NECの「謎ぱ~機?」VT1
これを謎ぱ~機と呼ぶかどうかは別にして、少なくともマニアックな製品であることは確かだ。

VT1の元箱とパッケージ内容
後のモバイルギアとほぼ同一である。

元箱の製造国表示
MADE IN TAIWANの表記がある。

VT1とME-386#1
左がVT1、右がME-386。大きさも基本的なデザインもほとんど同じだ。

VT1とME-386#2
上がVT1、下がME-386。裏面の構造も、電池室からリセットボタンの位置までほぼ同じとなっている。

VT1のPCカードスロット
VT1ではPCカードスロットは1基のみである。この点がME-386と大きく異るところ。

I/Oコネクタの比較
上がVT1、下がME-386。VT1は特殊形状のシリアルコネクタ1個のみだが、ME-386は汎用形状のシリパラコネクタが実装されている。

VT1の電池室
電池の入れ方はME-386と同じ。単3乾電池4本を挿入する。

VT1のPCカードスロット
きちんと挿し込んでも3mmほどカードの端がはみ出してしまうのはご愛嬌。ME-386と同じ特徴を有している。

VT1のキーボード
16mm程度のキーピッチが確保されタッチタイピングは快適だ。右上部の「携帯電子メール端末 VT1」の表記が、このマシンの用途を端的に表現している。

VT1に内蔵されるシェル画面
通常起動すると表示されるシェルの画面。DRSHELL.COMというプログラムにより表示される。

DOS/C化されたVT1の画面#1
ファイル管理ソフト「FD」を起動したところ。液晶の品質は高くコントラストも十分だ。解像度は640x200のCGA。これがモバイルギアになるとハーフVGA(640x240)となる。

DOS/C化したVT1の画面#2
Vzエディタと日本語FEP「刀」で文章を入力しているところ。変換スピードも速く、十分実用になる。残念なのは1画面11行表示なので若干狭いことである。22行化された画面を見てみたかった。