Microwriter AgendA

 Microwriter社が1989年に発売したPDA。グリッド状に並べられたアルファベットキーとは別に、コード・キーボードによる特殊な入力機構を備えたユニークな端末である。この入力機構は、同社が1980年に発売したThe Microwriterというインプットデバイスに端を発し、コード入力による片手操作を可能とする独創的なものであった。CPUに6303(4.9MHz)を採用し、32KB(128KBまで拡張可能)のRAMを搭載している。液晶画面は、20文字x4行のキャラクタ表示である。

agenda.jpg
モデル名称AgendA
メーカーMicrowriter
CPU6303(4.9MHz)
メモリ容量RAM 32KB(128KBまで拡張可)
LCDディスプレイ白黒液晶 20文字x4行
アクティブエリア
キーボード59キー+Microwriter Keyboard
I/Oポートシリアル・パラレル兼用特殊コネクタ
本体重量290g(内蔵バッテリを含む)
バッテリー内蔵Ni-Cd充電池
サブバッテリーなし
PCカード特殊仕様 2スロット
寸法(mm)175 (W) x 85 (D) x 22 (H)
OS

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AgendA
一見普通のPDAのように見えるが、キーボードを取り巻くように配置された5つのキーパッドが特徴的。

AgendAとその付属品
パラレル接続ケーブル(左上)、ACアダプタ(右上)、32KB拡張メモリカード(左下)、本体。

The Microwriter#1
AgendAの祖先とも言える「The Microwriter」。片手だけでテキストを入力するためのインプットデバイスとして開発された。筆者所有のセットには、本体、専用ケース、取説、接続ケーブルが含まれている。

The Microwriter#2
筐体はグラマラスな形状をしており、右手を乗せると指先が5個のパッドの位置に来るようにデザインされている。この製品の詳細については、本サイトのブログで紹介している。

AgendAのMicrowriter Keyboard
Microwriterのキーパッドは、通常のキーを取り囲むように配置されている。

AgendAのファンクションキー
内蔵されている機能は、キーボード左側に設けられたファンクションキーにより一発で呼び出すことも可能である。

AgendAの液晶画面
起動時に表示されるスタートメニューの画面。

AgendA側面のI/Oコネクタ
右側面には、12接点の特殊仕様コネクタが設けられている(通常はスライド式カバーで覆われている)。その横には、ACアダプタ接続端子、チャージ確認LED、電源スイッチが並ぶ。

パラレルI/Fケーブル
AgendAとプリンタとを接続するためのパラレルI/Fケーブル。AgendA側は特殊仕様コネクタとなっている。

本体背面の拡張スロット
写真はスロットカバーを外したところ。手前側がA、奥がBスロットとなっている。拡張スロットの接点は8個。

32KB拡張SRAMカード
AgendA専用のカードで、他機種との互換性は無い。

32KB拡張SRAMカードの内部構造
SRAMのチップと制御回路、およびデータ保持用のボタン電池が格納されている。

アルファベットの入力例
Microwriter Keyboardでは、入力するアルファベットの形状から押すキーがある程度判るようにキーのコンビネーションが割り当てられている。

アルファベットの入力方法
黒塗りの四角が押すキーを示している。

大文字入力モードのカーソル形状
画面は新規ファイル作成中の状態。通常は小文字入力モードであるが、大文字に切り替えるとカーソル上に白い線が現れる。なお、この画面は連続して大文字入力をするモードであるため、太い白線が表示されている。

THE CYKEYの紹介ページ
現代版Microwriter KeyboardであるCYKEYのHP。これがあれば、現代のPDAでChord Keyboardによる文字入力を実現できる。