「WSEdit」とは、バンダイ製の携帯ゲーム端末WonderSwan上で動作するシンプルな日本語エディタです。このエディタは、同社が発売したWonderSwan用プログラムの開発環境である「WonderWitch」を用いて開発されました。
WSEditの主な特徴は以下の通りです。
- かな漢字変換(単語変換)を用いて最大2400バイト(全角文字換算で、原稿用紙3枚分)までの文書の作成が可能
- WonderWitch専用カートリッジに搭載の恵梨沙フォントを縦横二倍に拡大表示することにより、文書作成時の視認性を大幅に向上
- 専用カートリッジの容量に余裕がある場合には、ぱう(大野泰明)さんが作成した「ぱうフォント」をコンバートしてインストールすることにより、さらに視認性の良い高品質の画面を実現
- かな漢字変換辞書のカスタマイズ機能により、単語の追加・修正と削除が可能
- WonderSwanの限定されたマンマシン・インターフェースを活用し、効率的に日本語の文章を作成することが可能
- 作成した文書ファイルは、WonderWitchのTransMagic、mkfent.exe等を利用してPCに転送・変換し、通常のテキストファイルとして閲覧・利用が可能
- 同様にPC側で作成したテキストファイルをWonderSwanに転送して、閲覧、編集が可能
WSEditは、作者が十年以上前に開発した PSION S3a用の日本語エディタである「JEdit」をベースに開発されています。JEditは、HP95LX用の日本語エディタである「JMEMO」の公開ソースコードを参考にして開発されていますので、WSEditの遠い祖先は、JMEMOであると言うこともできます。もっとも、前述のように、パームトップPCであるHP95LXと比較すると、ゲーム端末であるWonderSwanの入力インターフェースはかなり特殊なこともあり、実際には、ほとんどのコードを新たに書き直しています。(JEditから移植可能だったのは、文書表示とカーソル制御回りの基本関数くらいです。)
ともあれ、WSEditが生まれたのも、JMEMOの開発者の方々の努力のお陰です。ここに、JMEMO開発者の皆さんの名前を掲げ、パームトップPC黎明期の先駆者に対して改めて敬意を表したいと思います。
jmemoのソースコードの著作権は、Niftyserve FHPPC(当時)の下記の開発者の方々が保有しています。
mani氏
かづひ氏
NORI氏
また、本エディタの開発にあたっては、株式会社バンダイWonderWitchサポート担当様から、様々なご支援をいただいたことを深く感謝いたします。
|