インストール方法
KanaPadのインストールは、PCの通常のアプリケーションのインストールとは全く異なります。「インストールシールド」などという気の利いたものは一切無く、総てをマニュアルで、しかも部分的にはコマンドを叩いて実行する必要があります。以下にその手順の概略を解説します(ここでは16KBのEPROMデータパックにインストールする方法を示します)。なお、POS200版をインストールする場合には、下記「IV.POS200版のインストール」を参照してください。
- 必要機材等
- PSION OrganiserII model XP/CM本体
- 容量16KB以上のデータパック
- ホストPCとのリンクケーブル(Comms Linkケーブル)
- インストール用プログラムイメージ(KANAPAD.OPK)
- 「動作環境」で説明した開発ツールキット
- EP ROMイレーザ
- ACアダプタ
- 作業手順
- EP ROMイレーザで容量16KB以上のデータパックをフォーマットする
- 概ね30分程度の照射を行えば初期化できる
- ホストPCに開発ツールキットをインストールする
- 適当なフォルダ(例:C:\ORGDEV\)を作成し、開発ツールキット「DEVPACK.ZIP」を展開する
- 上記フォルダにKanaPadのプログラムイメージ「KANAPAD.OPK」をコピーする
- ホストPCのシリアルポートとOrganiserII XP/CMをリンクケーブルで接続する
- この際、リンクケーブルのPSION側の端子にACアダプタを接続し、外部給電を行う
- OrganiserIIの電源OFFの状態で接続すること
- OrganiserIIの「ON/CLEAR」キーを何度か押してメインメニュー下段(「↓」を押してスクロール)に「COMMS」が表示されていることを確認する
- 上記「COMMS」をEXEキーで起動し、サブメニューの「SETUP」を選択
- 表示されたパラメータの中から「↓」「↑」キーで「BAUD」を選び「→」「←」キーで9600に設定
- 同様に「PROTOCOL」をPSIONに設定
- 設定終了後、「MODE」キーを押し、「EXIT」で終了。「ON/CLEAR」キーを押してトップメニューに戻る
- ホストPC側でコマンドプロンプトを起動し、開発キットを展開したフォルダに移り英語モードに切り替える
例:CD C:\ORGDEV
US
- 上記フォルダから以下のコマンドを入力する
MAKE KANAPAD 9600 [port]
(「port」はPCのシリアルポート番号:1 or 2)
- PC画面上の指示に従い、OrganiserIIの「COMMS」の「BOOT」オプションをEXEキーで選択し、「Name:」プロンプトが表示されたら何も入力せずEXEキー押下
- 上記の入力後、PC画面上に以下のメッセージが表示される
Loading code...
Place unsized pack in C:, then press a key on the PC
- 上記(1)でフォーマットしたデータパックを、OrganiserII裏の下段のスロット(Cスロット)に挿入し、PCのエンターキーを押下(これ以前にパックをスロットに挿入しないこと)
- PC画面上に以下のメッセージが表示される
Sizing pack C: please wait
Sending pack data block xxx
OrganiserIIには以下のメッセージが表示される
Making a pack in C:
ここでエラーとなる場合、フォーマット時間が不十分である可能性が高いので、再度フォーマットを実施すること
- イメージデータの焼き込みが正常に終了するとPC画面上に以下のメッセージが表示される
なお、転送するブロック数は約50で、5分程度を要する
Pack successfully made. Do you want to make
another pack (Y/N)?
- 作成するデータパックが一つで良い場合は「N」を押下し、データ焼き込みを終了する
- OrganiserIIの「ON/CLEAR」キーでトップメニューに戻り、「O」キーを押して電源をOFFにする
- リンクケーブルを取り外す
- CスロットのデータパックをOrganiserII裏面の上段のスロット(Bスロット)に移し、Cスロットには、データ保存用のパックを挿入する
- OrganiserIIの電源を投入し、「COPY」コマンドを起動し、以下の入力を行う
FROM B:KANA
TO C:KANAPAD
上記の「FROM」と「TO」はプロンプト
また、アルファベットと「:」等の記号の入力切替は、「SHIFT」+「NUM[↓]」で行う
- OrganiserIIの「MODE」キーを押し、以下の入力を行う。
INSERT ITEM(←プロンプト)
KANAPAD(←入力)
- 注意
- プログラムイメージの焼き込みに用いる開発ツールキットは、16bitDOSプログラムであるため64bit版Windowsでは動作しません。上記の操作は、VMWare上のWindows XPで実行しています。
- KANAPADで生成したデータは、「KANAPAD.ODB」という空のデータベースファイルが存在するパックに保存されます。上記21.でのCOPY操作は、データ保存用のパックを指定するために必須です。
- データ保存用パック(上記Cスロット)が存在しない場合には、文書は自動的に内蔵ドライブ(Aドライブ)に保存されるため上記21.の操作は不要です。たたし内蔵ドライブは、プログラムが利用するメモリ領域を兼ねているため文書ファイルの容量が増大するとメモリ不足でプログラムが起動できなくなるという問題があります。
- POS200版のインストール
POS200では、通常のOrganiserIIのメニューシステムが表示されないためプログラムイメージの焼き込みの操作ができません。POS200版をインストールするには、別途用意したOrganiserII XP/CM上で手順1.-21.に従ってプログラムイメージの焼き込みとデータ保存用パックの作成を行った後、これらのパックをPOS200に挿入します。POS200版は、自動起動プログラムとなっているので上記手順22.のメニュー登録の処理は不要です。